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大鴉の恩返しは傍迷惑  作者: noll
灰色編
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脚本《ブレイン王城内部ダンス会場Ⅱ》



 ――Prr.突如として会場に響き渡る機械音。それによりシンデレラの表情が一変する。慌てて音のなる方へ手を伸ばせば、そこにあるのは携帯電話であった。


《子供》『はい!』

《継母》『あ、あー、聞こえてる?』

《子供》『聞こえてますよ、奥様』

《継母》『ああ、良かったシンデレラ! 大変なんだ!!』

《子供》『どうしたんですか?』

《継母》『実はジジがギックリ腰になっちまったんだ! それでジジ決勝進出を辞退!!』

《子供》『ジジさんが!?』

《義姉》『くそ、やはり年には勝てんのか……』

《継母》『それで不戦勝となった俺が勝ちあがっちゃったから、解放できる人誰もいなくなってしまったんだ。……つまり、だ。俺の言いたいこと分かるか?』

《子供》『ええ、ジジさんの解放と回収ですよね』

《継母》『あー良かった。シンデレラが賢い子で。孫にも見習わせたい』

《子供》『あれ、お孫さんいるんでしたっけ?』

《継母》『そうそう。ちょっと頭のネジ緩んだ馬鹿な孫が一人』

《子供》『それは大変ですね』

《継母》『うん。結婚させたいのにいろいろ拒んでるんだよね、全く往生際が悪い』

《子供》『それはそうと、今から向かいます。場所はどこですか?』

《継母》『ああ、場所は――』


 ――暫く話し込み置いてきぼりを喰らう王子を余所に、シンデレラ電話を終わらせ、帰宅の準備を始める。


《王子》『どうかなさったんですか?』

《子供》『……はい。実は、家の者が倒れてしまったんです』

《王子》『まあ! それは大変!! 早くお帰りなさい!!!』

《子供》『今宵は素晴らしいひと時をありがとうございました王子』

《王子》『それは私の台詞です』

《子供》『そんなことありません。あ、いけない! 行かないと!!』

《王子》『あ、待ってくれ! せめて名前だけでもッッ!!』


 ――ギックリ腰をしてしまった義姉の為に舞踏会を後にするシンデレラ。急いでいる為にシンデレラは足に履いていた動きづらいプラスチック製の靴を脱いでしまう。拾い、立ち去ろうとした時、王子がシンデレラを呼ぶ声に驚いて片方を置いて逃げてしまう。

 残された靴を見つめ、王子はシンデレラの向かった先を見つめた。


《王子》『なるほど、そう言う事でしたか』


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