脚本《ラスカー家リビングⅡ》
――見事シンデレラが買ってきた林檎を粉砕する事が出来た義姉。それを静かに掃除しているシンデレラ。すると何やら思い出したかのように継母が喋り出す。
《継母》『そういえば、舞踏会に行くとは言ったけどシンデレラ』
《子供》『はい、奥様。どうしましたか?』
《継母》『実は悲しいお知らせがあるの。決して悪戯でやったわけではないのよ。ちょっとした手違いだったの。ほら、誰にでも間違いってあるものでしょう?』
《子供》『ええ、それは勿論。人間なんでも出来たら苦労はしませんから』
《継母》『本当! なら嬉しい!! 実はね……』
《子供》『はい』
《継母》『実は、シンデレラの為のお金が一銭も無いんだ』
《子供》『……はい?』
《義姉》『いやぁ、実は深い事情があるのじゃよシンデレラ』
《継母》『俺たち二人は明日の夜が決戦だ。それは分かるだろう?』
《子供》『ええ、それはもう』
《継母》『なら宜しい。それで話を戻そう。なぜ金が一銭も無いかの理由を』
《子供》『是非』
《義姉》『まあ、アレじゃよ。決戦の日はやはりどこも勝負服を欲しがる。それはどこの世でも一緒の事』
《継母》『そこで俺たち二人は相談した結果、勝負服を買った!』
《義姉》『そうしたら驚く事に、金が底を尽きたんじゃ』
《子供》『ジジさんの軽過ぎません!? お金が無くなってしまったんですよ!! というか、いったい幾らのを買って来たんですか!!!』
《継母》『オーダーメイドだったから、ざっとコレ位か?』
《義姉》『おいおい、何を言う。店のお手製ならば……、コレ位じゃろう』
《子供》『零いくつあるんですか!? ほとんど家の全財産じゃないですか!!』
《継母》『だからほら、勝負服に値段も糞も無いだろう?』
《子供》『とんでもないことをサラッと仰いますね!』
《継母》『いやぁ』
《子供》『……褒めてませんからね?』




