脚本《ラスカー家玄関口》
――ラスカー家前にて魔法が解ける。下着姿に舞い戻ったシンデレラは思い出したかのように買った買い物を済ませ家に入る。
《継母》『あら、お帰りなさいシンデレラ。パンイチの格好で買い物して来たの?』
《義姉》『ちゃんとプロテイン買っておるかのぅ? 無かったら戻って買って来なさい』
《子供》『只今帰りましたよ御二方。それにジジさん、はい欲しかったプロテインと林檎です』
《義姉》『ほっほ、一度でもいいから林檎を手で握りつぶしたかったのじゃ!』
《継母》『あら楽しそうなこと考えるじゃないジジ! どれ、俺にもやらせてくれ!!』
《義姉》『何を言う。これは私のじゃ。誰にもやらん』
《子供》『ま、待って下さい! というかなんで玄関口で殴り合いしてるんですか!?』
《義姉》『ほら、明日は武道会じゃし? 練習じゃよ、練習』
《子供》『だから武道じゃなくて舞踏! ダンスパーティーです!!』
《継母》『何を言っている。俺たちは何も間違っていないぞ?』
《子供》『はい?』
《義姉》『そうじゃ。私らは”武道会”へ。シンデレラは”舞踏会”へ行くんじゃ』
《子供》『……へ?』
《義姉》『なんじゃ、行きたかったのか? しかしチケットは完売してしまったからのぅ……』
《子供》『いやいや別に行きたいだなんて一言も言って無いですよね!? というか武道会なんて本当にあるんですか!!?』
《義姉》『だからそう言っとるじゃろう? だから私らはさっきまでリビングで殴り合いをしておったんじゃ。今は玄関口じゃがな』
《子供》『そ、そうですか……』
《継母》『ジジと共に世界と闘ってくる! 目指すは王者だ!!』
《義姉》『王者を王座から引き摺り落としてやるわい!!』
――そう高らかに笑い合う継母と義姉にシンデレラは呆然と立ち尽くすしか無かった。




