迷子のB(1)
「ってことで、今日からこの子、宜しくね。A」
「……へ?」
***
「ちょ、ちょっと待ってお母さん。この子、誰!?」
「ヨロシクネ」
棒読みのように言われても……。
A。14歳。可憐で可愛い女の子。……言い過ぎた、すみません。
そんな私は現在、パニックに陥っている。
学校から帰ってくると、玄関にいたのは母と……見知らぬ、小さな、男の子。
~数分前~
「ただいまぁ」
いつも通り、玄関のドアを元気よく開けて、元気よく帰ってきたことを宣言する。……と、目に飛び込んできたのは良く分からない光景だった。
学校から帰ってきてドアを開けたらお美しいお母様と、知らない黒髪の男の子がいたのはとんでもない光景だよね!?
「あ、A。おかえり」
「あのおかえりは良いんだけどその子は誰!?」
まさかお母さんの隠し子……!?
「この子はB。ちょっと友達の所に迷い込んだらしくて、親が見つかるまで預かることにしたの」
なんだ……。隠し子じゃないんだ。
「……親なんて見つかる訳ないよ……」
……?
お母さんの隠し子じゃないことがわかって良かったけど。小さく安心した時になにか言ったB君の事が気になって。
「B君? ……どうしたの? なんか言ってたけど」
そう、私が言うと、B君はハッとしたように顔をあげて笑顔になった。
無理矢理貼り付けたような、どこかぎこちない笑顔。
「ううん。なんでもないです」
やっぱり、不自然な笑顔。もしかしたら……。
「B君、迷い込んだだけじゃないよね。なにかあったんだったら、話してくれると嬉しいな」
悩みがあるなら、消してあげたい。昔から、そういう子なんだ。私は。
「本当に、なんでもないですよ」
簡単に、心を開いて貰える訳じゃないみたいだった。
B君は可愛い感じの男の子です。
キャラ設定を入れて欲しい方は言って下さい。