球技大会~当日・その一~
ちょっと長くなりそうなので区切りました。
・・・ただいま、戦闘中。
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「気を付けてはいたのだが・・・。」
現在、ワタクシ加賀見玲は閉じ込められました。
・・・。
笑えない、うん、笑えない。
今日は、球技大会だった。
去年色々有り学んだ先生達により、午前中に女子の試合を全て終わらせ午後から男子の試合にした。
でないと、女子達が牙城達の応援をして試合に来ないのだ。
去年はそれにより試合をしてない人も沢山居るのだ。
とても停滞した球技大会だった。
先生達ももう経験したくない球技大会だろう。
そのおかげか試合はとてもスムーズに終わり、結果私のクラスは優勝した。
・・・牙城達が何故か私の応援に来て女子の殺意がとんできたが・・・敵意か?
私が悪い訳じゃないのに一体何なんだ?
それから、昼休みに入り飛鳥と昼食を食べて・・・ジュースを買いに行ったところこの間の後輩グループに遭遇して・・・何故か強気に黒髪の子が私の手を引っ張って体育倉庫に向かい、私を突飛ばし鍵を書けて逃亡。
・・・いい迷惑な話だ。
体育倉庫の扉は襖式なのだがご丁寧に棒か何かをつっかえさせて開かないようにしてある。
・・・あの女、覚えておけよ。
と、まぁその状態から早十分程たった。
流石に誰かは来てくれるとは思いたい。
・・・?
外から何かゴソゴソする音が聞こえる。
男子の声が何人か聞こえてくる。
気配を殺して、そっと扉に近づく。
「ここに牙城が狙ってる女が居るんだろ?」
「あぁ、好きにして良いんだとよ。」
「クック、俺等が彼女をモノにしたって知ったら牙城はどう思うかね。」
人数は三人・・・多分空手部の先輩だろ。
牙城は一年時から空手部のエースだったから、逆恨みを抱いていた先輩たちをあの黒髪がそそのかしたのかな?
まぁ、どうでもいいや。
扉を最大まで開く所に身体を寄せて小さくなる。
その時、近くにおいてある棒を手に持っておく。
「さぁ、潰してやるぜ!!」
思いっきり扉を開ける先輩達の視線は前しか見えておらずそのまま中に入ってくる。
扉を離れたその隙に扉の外に出る。
「あの女居ないじゃないか?」
キョロキョロと姿を探す先輩達を急いで扉を閉める。
「あぁっ!?」
叫び声が聞こえるが、その声を無視して同じ様に先輩を閉じ込める。
普通、そんなことできないと言われるかもしれませんが私のスキルが高いと思ってくださいね。
うん、今は切実に。
さて、尋問に入りますか。
と、意気込んだがこちらに向かってくる足音が二つ。
コイツら以外にも居たのか?
「確か、ここに居るんだろ?」
「佐々木の妹の話じゃな。」
物凄くチャラそうな男が二人。
その二人が体育倉庫じゃなくて外に私が居ることに物凄く驚いている。
面倒だな。
「おい、何で外に居るんだよ!?」
「知るかよ、取り敢えずやっちまおうぜ!!」
片方のチャラ男が私を取り抑えようと襲ってくる。
私はそれをかわして後ろに回る。
すると、もう一人が殴りかかろうと向かってくる。
殴ろうとする右腕を掴み、そのまま背中に担ぎ上げ前方に落とす。
所謂、一本背負いだ。
「いたたたぁ・・・。」
これで一人は戦闘不能。
下は地面だから骨には異常ないでしょう。
「うおぉぉぉー!!」
もう一人は私が置いておいた棒を拾い、こちらに振り上げながら向かってくる。
一応、私が女だってことわかってるのかな?
別段恐くもないのでそのまま迎撃の準備に入る。
来る、そう思った瞬間。
「ひゃぁ!?」
男が尻餅を着き、後ろに下がっていく。
一体何事?
後ろを振り向く前にその正体がわかった。
「何をしてるんだ、玲。」
かなり低い声、聞いただけでわかるかなり怒っている。
恐くて振り返れない。
「が、が、が、牙城・・・。」
目の前の先輩は顔面蒼白になっている。
前にもあったなこんな光景・・・。
そんなことを気にしては時間が無くなるので、取り敢えず蒼白な先輩に話し掛ける。
「私を襲えって言ったのは、佐々木 結って子?」
「・・・あぁ、アイツの兄貴と俺等はダチだから。」
ふむ、成る程。
あの体育倉庫に閉じ込めた奴等とはただ別行動したのは何?
「空手部の先輩達は?」
後ろの温度が絶対零度になった気がするが気にしてはいられない。
「そんな奴等は知らない、知らない!!」
震えながらそう言う先輩。
ちょっと可哀想な気がして解放してやる事にした。
そうすると、もう一人の先輩を引き摺りながら急いでその場を離れていった。
御愁傷様。
「何があった?」
「後輩にそそのかれ私を襲おうとしていたけど、私が撃退した。」
私の答えに牙城は怪訝そうな顔をした。
一応、ホントのことなんだけど・・・。
「もう戻りなよ、試合でしょ?」
時間としてはかなり経っているはずだ。
男子の試合が始まるはず。
「・・・先輩の顔を見てからな。」
「・・・。」
マジか、人がちょっとダメかなと思ったから声をかけたのにこの男は。
もうどうなっても知らないからな。