球技大会~前日~
やっぱり来た。
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「とりあえず、僕の顔見た途端逃げ出すのは辞めてほしいかな。」
「条件反射デスヨ。」
下駄箱で靴を履き、いざ帰ろうと思うと玄関にて待ち伏せをしている男がいた。
その顔を認識し慌てて逃げようとしてしまったのは、この時間の習性だ。
「どうしたの篠原?」
眼鏡を掛けた生徒会副会長は困ったように笑う。
因みに、この間の騒動の時コイツは何も言わずその場を去った。
だから会話をするのはかなり久しぶりである。
「ちょっとね、時間は大丈夫?」
「ん、この間の事?」
そう言うと篠原の顔から表情が消える。
正解らしい。
「歩きながら離すよ。」
無表情のまま歩き出す篠原に着いて行く。
「この間の女の子達だけどね。」
「ん。」
「一番後ろに黒髪の女子が居たでしょ?」
えーと・・・あぁ。
派手な子達にに隠れて地味な子が居たな。
「居た。それが?」
他の派手な子に比べ害は無さそうに見えるが。
しかし、篠原はそうは思っていないみたいだ。
とても険しい表情をしている。
「あの子は僕の中学の時の後輩なんだ。」
「知り合い?」
「いや、向こうは僕が顔を覚えているとも思ってないだろうね。」
ふむ、では・・・。
「間接的に何かされた?」
「ふふっ。」
笑顔が恐い。
ある程度の予想はつくが。
「玲ちゃんが考えてる通りなんだけどね。僕に近付いてこようと考えていた女の子をその子が裏から潰してたみたい。
かなり遣り手だよ。」
「面倒だな。」
と、言うか王道だな。
「何処にでも居るなそんな女。」
「女の子は恐いよ。」
それお前が言うな。
と、心の中で唱えておく事にする。
「まぁ、球技大会多分何か仕掛けてくるよ。」
「だろうね。しかも、こっちがビックリするような手を使ってね。」
困ったことに、諦めが悪いのだろうね。
「てか、あの女子の名前は?」
「えーと・・・確か・・・。」
さて、明日は戦闘だ。