公営ギャンブルで村おこし
初の短編です。たくさん方に読んでいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
ワタシの名前はミウ。
この物語は、ワタシが一人称で語る、とある田舎町のお話だ。舞台は、過疎化が進む山間の村。名前は特にない。強いて言うなら、どこにでもあるような、そんな村だ。
都会に出ることも考えたけど、結局、この村から離れられなかった。理由は簡単。他にやりたいことがなかったから。
そんなワタシの日常に、ある日、とんでもないニュースが飛び込んできた。
「この村に、公営ギャンブルの許可が下りる!」
役場の放送が、まるで雷のようにワタシの耳に突き刺さった。
公共ギャンブルって、あの、競馬とか競輪とか、そういうやつだろ?なんでこんな山奥の村に?ニュースでは地方大都市にインバウンド目的でカジノの利権が行くような話じゃなかった?
すぐにワタシは村長に役場の集まりに呼び出された。
役場の説明によると、過疎化が進むこの村を活性化させるために、国が実験的に許可したらしい。
でも資源は、村のじいさん、ばあさんたちと、役場のパソコンだけ。
「ミウがネット配信?するんだ」
公営ギャンブル? 一体何のことだ? ワタシは首をかしげた。村長は続けた。
「つまり、この村でギャンブルができるようになるんだ! そしてやるのはスポーツギャンブルだ!」
スポーツギャンブル? ますます意味が分からない。村長はさらに説明を続けた。
「演者は、オーバー65歳! つまり、じいさん、ばあさんたちだ!」
なんだそれ?オーバー65歳? ワタシの頭の中に、疑問符が乱立する。村長はニヤリと笑った。
「その名も、『オーバー65さいピック』! 相撲大会から始まり、1on1サッカートーナメント、100メートル走などなど、様々な競技を開催する! そして、それらに全世界の人々が熱狂し賭けるんだ!」
なるほど、そういうことか。しかし、なぜオーバー65歳なのか? 村長は答えた。
「この村には、じいさん、ばあさんしかいないからだ! 資源は、老人とパソコン一つ! ワシらの体力と、ミウの知恵を活かすんだ!」
胸を張る村長、そしてじいさん、ばあさんたちが、目をキラキラさせている。中には、すでにトレーニングを始めている人もいるらしい。
ワタシは、正直、呆れていた。こんな田舎で、そんなうまくいくわけがない。でも、村長の熱意に押され、なんとなく手伝うことになった。
ワタシは、この村の未来を担う、サポートキャラクターとして、村長を支えることになった。最初は半信半疑だった。本当にこんなことがうまくいくのか? しかし、村長の熱意と、村人たちの期待に応えるため、ワタシは動き出した。
最初は、会場設営。草刈りから始まり、テントを立てたり、備品を運んだり。重労働だったけど、じいさん、ばあさんたちの笑顔を見ると、不思議と頑張れた。
そして、いよいよ「オーバー65さいピック」開幕!
ネット配信当日。土俵には、世界中から熱い視線が注がれている?誰だかわからないが同接3人。土俵には、初めに死んじゃうじいさんでちゃったりしたら企画台無しなので村唯一の医者、そして応援のじいさんばあさんが数名いるだけ。実況アナウンスは、ワタシの親友チトちゃんが担当。それでも、誰が勝つか、何秒で決着がつくか、など。会場は、それなりに熱気に包まれた。
相撲大会では、予想外の展開が続出した。普段は穏やかなじいさんが、土俵の上では鬼のような形相で相手を投げ飛ばす。観客席からは、大歓声が上がる。そのじいさんは、まるで子供のように喜び、賞品を手にしていた。
相撲大会は大成功を収め、村は活気を取り戻した。
ワタシのパソコン画面に映るじいさんばあさんは紛れもなくスターで、そのライブ配信は、様子見がおおかただったせいかギャンブル収入や投げ銭はなかったものの、大いにバズった。
その後、毎週開催されるたびに1on1サッカートーナメント、100メートル走と、競技はどんどん広がっていった。
1on1サッカーでは、元サッカー部のじいさんが、華麗なテクニックを披露したが、予想外のテクニックを持つばあさんが現れライバル関係ができた。ばあさんは華麗なドリブルで相手を翻弄し、ゴールを決め観客を魅了した。
100m走では、驚異的なスピードを持つじいさんが、世界記録を更新するんじゃないかという勢いで駆け抜ける。
ライブ観覧者は増え、初めは少なかったギャンブルの売上も投げ銭も右肩上がり。
ついに村民の中から、スター選手が生まれた。相撲で無敗のじいさん、サッカーで華麗なテクニックを披露するじいさん。村外からも大会参加希望の老人が集まるようにもなった。
ワタシは、最初は半信半疑だったけど、このイベントを通して、村のじいさん、ばあさんたちの底知れぬパワーと、可能性を目の当たりにした。
そして、ワタシ自身も変わった。イベントの運営に携わるうちに、この村を盛り上げたいという気持ちが芽生えた。
「オーバー65さいピック」は、単なるギャンブルイベントではなく、村の希望の光になった。世界中から人が集まり、活気が生まれ、村は生まれ変わった。
その後の発展スピードは目覚ましいものがあった。
今では、ギャンプルマネーにオリンピック競技から世界のメジャー興行スポーツのオーバー65選手たちが集まりしのぎを削り、それに伴い村には、競技施設や宿泊施設が建設され、活気に満ち溢れていた。
そうそう、この前80歳のメッシの年俸が全盛期を超えたなんてニュースもあったな。まだ村民のじいさんたちも現役だし、最近、膝を痛めて引退した昨季王者デュプランティスがワタシの部下になったり、村に話題は尽きない。
あと村の唯一の名産品だった「過疎化村のマムシ酒」は、世界ブランドとして、高値で取引されるようになった。
村は、スポーツギャンブルエンターテイメントの街として、世界的に有名になった。世界中から、65歳以上の運動自慢が集まり、村は賑わいを見せた。
ワタシは、村長と共に、この奇跡のような出来事を支え続けた。最初は、ただの田舎町だったこの村が、今では、世界中の人々が憧れる場所になったのだ。
ワタシは、一人称でこの物語を語っている。それは、この物語が、ワタシ自身の物語でもあるからだ。ワタシは、この村の未来を、そして、じいさん、ばあさんたちの笑顔を守るために、これからも走り続けるだろう。
書きなおしてもなおしてもなおし足りない。皆さんも同じですかね。
少しずつ納得いくものにしていきたいです。




