心に残る言葉③
人それぞれ、心に残る言葉があると思います。
心が温かくなる『いい言葉』もあれば、忘れたくても忘れられない『イヤな言葉』もあります。誰かから貰った言葉だけでなく、誰かに贈った言葉もあるでしょう。
私にもいくつかありますが、10年以上前に母から貰った言葉を、どうか聞いて欲しいです。
『
──お天道様が見てる
善い行いを見てくれている人がいる
悪い行いは必ず誰かに見られている
誠実に生きなさい
』
この言葉を、私は母から貰いました。
帰省して農作業の手伝いをするとき、母が運転する軽トラックで農道を通り作業場へ向かうときは何度か停車します。
車の前には握りこぶしほどの石がタイヤの通る辺りに落ちている。山肌から転がり落ちたんでしょうね。踏めば間違いなくハンドルを取られるレベルの大きさです。
農道は細いものの少し避ければ走り抜けられる。時間帯的に他の人たちは避けて通っているはず。
何故車を停めたか理解する私は助手席から降りて、その石を横に退けてまた助手席に戻ります。
母も私も何も言いません。きっと同じことを思っているはずだから。
面倒臭いではなく、誰かが事故を起こしそうな事を除けれて良かった、と。
私がこの言葉を実感したのは今から数年前です。
自分の部屋は汚いのですが、『みんなで使う場所はキレイにしたい』と思う性格なので、職場で少し手間の掛かる片付けを一人でやっていました。
誰の目にも留まらない場所で誰もいない時間にです。
数日後、かなり上の立場の人に晩御飯に誘われ、その席で片付けのお礼を言われました。
真っ先に浮かんだのは母の言葉。
まるで母を褒めてもらった気がして泣いてしまいました。
泣いた理由を話したら本当に母を褒めてくれて、
更に泣きました。
──お天道様が見てる
私がこれからもずっと、常に心に留めて生きていく、
大切な言葉です。
生きていれば『心に残る言葉』がどんどん増えるはず。
皆さんの心が、良い言葉でいっぱいになりますように。
読んでいただきまして、ありがとうございました。




