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小桃が思うこと  作者: 小桃 綾


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13/19

甘えるということ

 先々週、父の手術が終わりました。


 タイトルと全然違う書き出しですがちゃんと着地します。少しだけお付き合いください。



 お盆に帰省したとき、父の病気を知らされました。

 診断は進行性の直腸がん。かなり前から自覚症状があったそうです。


 父はプライドが高く、弱みを見せない人。身体が丈夫で風邪も引いたことがありません。

 お通じの異変も「たまたまだ」と思っていたのでしょう。


 最初に異変に気づいたのは母でした。

『トイレの汚れ方がいつもと違う』

 それがきっかけでした。

 父以外の家族に異常はなく、父を問い詰めてようやく話してくれたそうです。これが7月下旬のこと。


 翌日すぐに病院へ行き、さらに大きな病院で検査。

 ちょうど私の帰省と重なり、家族全員で医師の説明を聞けました。


 それからの2か月、長かったです。

 何度も通院して転移の有無を調べ、ようやく手術へ。

 トラブルもありましたが、手術は終了。今は術後のリハビリをしながら家族とメッセージのやり取りをしています。

 ……正直、メッセージが多すぎてちょっとウザいです。退院日も決まりました。



 ここから本題、『甘えること』について。


 今回の件、もっと早く検査していれば内視鏡で処置できたかもしれません。

 けれど父は、弱みを見せることを「恥」と思っていた。その強さが、裏目に出てしまいました。

 内視鏡では処置出来ず、腹腔手術中にトラブルがあり開腹手術に。

 強さに比例して、出た裏目も大きかったんです。


 口は悪いけれど働き者で、近所の人が困っていればすぐに駆けつける。

 そんな父だから、今年の収穫作業には集落の人が大勢手伝いに来てくれました。

 ──誰も頼まれていないのに。


 頼ることは、弱みを見せることばかりじゃない。

 むしろ、日頃の行いがあってこそ「頼られる側」にも喜びが生まれるはず。

 父にはそのことをいつか分かってほしい。母とよくそんな話をします。



 そんな父の子である私は──

 「甘えることが苦手で、弱音は吐きまくり」です。


 困っている人がいれば、出来る限り助けたい。

 でも自分が助けてもらうことには罪悪感を感じてしまう。

「私なんて助けてもらう価値がない」、「助けてもらってもお返しができない」と思ってしまう。


 甘えるためには、まず“自分が成長すること”が必要。

 ずっと、そう思って生きています。



 はぁ……思いっきり甘えたい。

 猫に。

 甘えさせて!

 尻尾の付け根、ポンポンしてあげるからっ!

 このお話で『小桃が思うこと』が一万文字を超えました。

 読んでいただいてありがとうございます。

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