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ホラー嫌いが書くホラー(怖くないはず)

私の体験談です。

怖かったらごめんなさい。

私はホラー作品が大っ嫌いです。

どのくらいかというと、

ホラー映画は心霊系もビックリ系も全部ダメ、

ホラーゲームはバイオハザードが出来ないレベル、

怖い話は映像を想像してしまうので聞けないし読めない。

お化け屋敷は入る意味が分かりません。


そんな私は幼少期から社会人なりたての頃まで、眠るときに頻繁に金縛りに遭っていました。

体調のせいか心霊現象かは分かりませんが、頻度は1週間に1〜2回。


大人になってから、金縛りに遭わなくなりました。

いま思うとそれは『祖母が鬼籍に入った頃』からのような気がします。


私が生まれるときに祖母絡みのエピソードがあるため、家族からは『祖母が守ってくれている』と言われます。

そして私は『祖母が怖いものから遠ざけてくれている』と思うようになりました。

ちなみに私も含めて家族全員が霊感ゼロです。


成人して実家を離れたことで私の部屋はなくなり、たまに帰省したときには『仏壇がある座敷』で眠ることになりました。

ご先祖様であっても幽霊は怖いと思っていた私は、口には出しませんでしたがすごく怖かったです。


それがいつしか、『座敷で寝たい』と思うようになりました。

幽霊嫌いは今も変わりませんが、『祖母に会えるかも』という気持ちが強くなり、帰省したときはウキウキしながら座敷にお布団を敷きます。


霊感のない私はそういった存在を見ることも声を聞くことも出来ませんが、年に1〜2回、『お線香の匂いを感じる』ことがあります。

ずっと匂うなら誰かがお線香を焚いていると考えますが、

息を吸い込んだほんの一瞬だけ漂うのです。

しかもその香りは、怖さや不安よりも、なぜか心地良さを運んできます。

何かで読んだのですが、『怖さを感じる匂いは良くないもの』とのこと。

なら、私が感じるそれは間違いなく『良いもの』だと信じています。



今から数年前。

姉から『祖母はサイダーが好きだった』と聞きました。


その数日後、仕事帰りに見た自販機でサイダーを発見。

姉の話を思い出した私は「祖母と一緒に飲もう!」と、財布を取り出しました。


お金を入れ、ボタンを押し、出てきたサイダーを取ろうとしゃがんだ、その瞬間——


ふわり、と。

あの優しさを含んだお線香の匂いが、一瞬だけ私を包みました。


「……おばあちゃん、喜んでくれてるのかな」


胸がじんわり温かくなりながら、私はサイダーを持って家に帰りました。


自宅に着き、サイダーは一旦冷蔵庫へ。

入浴を済ませてからサイダーをコップに注ぎ、ご先祖様の供養を願って毎日拝んでいるところへお供えしました。


コップに入りきらなかった分を自分で飲んだのですが……なんだか炭酸が弱いような?

いや、美味しいんですよ。美味しいんですが、ちょっとだけ物足りないような。


「久しぶりに飲むからこんな感じなのかな」と思いつつ飲み干しました。


それから1か月後。

また同じ自販機でサイダーを購入

――でもあの匂いはなし。


おばあちゃんもイマイチと思ったかな……?

まさか製造レシピが変わってるなんて知らなかったんだもん!

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― 新着の感想 ―
でも、苦手ジャンルに挑戦してみるのも創作の幅を広げることに繋がると思いますよ。 自分も、とある企画で書いてみるまで、まさか自分が『童話』を書くことがあるなんて思ってもみなかったですからね(^^; 意…
}妄想の沼~ あああ、同じです! 何というか自分が、作品の中にのめり込むんですよね。そういう感覚はあります。
いい話ですね(^^) ちなみに私もああいう小説とかを作って公開しておきながら、お化け屋敷とか、ホラー映画なんかはまるっきりダメです。自分が書くのは平気(笑)
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