褒める心の魔法
子供の頃から、私は人を笑顔にすることが大好きでした。
友達や家族から「うわー、イーちゃん凄いねー」、「イーちゃん、ありがとう!」、「イーちゃんの笑顔が好きだよ」と言われるたびに、心から嬉しくなります。これらの言葉は、私が愛され、認められている証だと感じるからです。
しかし、年を重ねるにつれ、「これは出来て当たり前」、「どうして出来ないの!」、「早くしなさい」といった言葉を、多く言われるようになったのです。これらの言葉はまるで、私の価値そのものを否定されているかのように感じました。
そんな中、私は気付きました。
周りの大人に「褒めて欲しい、認めて欲しい」と頼むのは難しいけれど、自分自身が人の長所を認めて褒めることのできる人になればいいのだと。そうすれば、私の目標である「人を笑顔にすること」が実現できると思ったのです。
そこで、実行に移しました。「凄いね」、「えらいね」と褒めるのは、馬鹿にされていると感じる人もいると知り、「ありがとう」を伝えることから始めました。どんなに些細なことでも、ありがとうの気持ちを忘れずに伝えるよう心がけたのです。すると、私も周りも笑顔になっていくのが分かりました。
少しずつ、「あなたのこんなところが好きです」「これをしているあなたの姿を見ると、私も嬉しくなります」と具体的な長所を褒められるようになりました。そして、私を褒めてくれる数少ない大人たちは、私にとってかけがえのない存在となりました。
もし、このエッセイを読んでくれているあなたが「褒めて欲しい、認められたい」と感じているのなら、そんなあなたに伝えたいことがあります。
あなたの価値そのものが素晴らしいのです。生まれてきてくれてありがとう。そして、このエッセイを見つけ、読んでくれてありがとう。あなたも、誰かを笑顔にする力を持っています。