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暗闇の中にクロはいた。

「…ここは明楽の中」

ゆっくりと暗闇の中を歩いた。とても冷たく、悲しみに包まれそうな感覚になった。しばらく歩くと、明楽が見えた。

「明楽…」

しかし、明楽には黒い鎖が巻き付かれていた。明楽の背後にレイがいた。すると、明楽の感情が伝わってきた。冷たく、今にも凍え死ぬ感情だった。クロは明楽に話しかけた。

「明楽。苦しいよな。痛いよな」

明楽は泣いていた。

「私は、お父さんから抜け出せれない。言葉を犠牲に抵抗しても、お父さんに敵わなかった。私はもう死ぬ…」

黒い鎖がかすかに明楽を締めた。クロは明楽に触ろうとしたが、明楽に包まれているバリアーでクロは弾かれた。

「!?」

冷静に着地し、レイを睨んだ。

「お前は、いつまで明楽を縛る気だ。明楽は明楽だろう」

しかしレイは唸るだけ。

「お前に明楽は敵わない」

その言葉にレイは吠えた。また黒い鎖が明楽を締め付けた。

「明楽は俺のものだ。明楽を自由に操り、制覇できる。こんないい物を手放すわけがないだろ!」

その時、明楽は泣き叫んだ。

「もう嫌!私は物じゃない…自由に生きたい!」

しかし、明楽は動けなかった。

「また俺に抵抗か…ふざけるな!」

黒い鎖が明楽をさらに締め付けた。明楽は痛みで叫んだ。

「お前は何もできない。ただ見てるだけだ」

レイはクロに言い放った。

「あぁ…そうだな。明楽に近づくこともできないなら、そうなるよな」

クロは冷静だった。

「明楽。俺と一緒に自由に生きよう」

クロは歌った。

「やめろ…その歌を歌うな!」

レイは吠えた。しかしクロは歌い続けた。すると、黒い鎖が徐々に明楽を解放して行った。

「テメェ…」

レイはクロに手を出そうとしたが、レイの身体が少しづつ消えて行った。

「な…クソ…」

すると、明楽が解放されその場に倒れた。

「チッ…」

レイが完全に消える瞬間、レイは明楽を見た。

「…」

何も言わず、レイは完全に消えた。

「明楽!」

クロが駆け寄り、明楽を抱き抱えた。

「クロ…ごめんね」

明楽はすごく弱っていた。

「謝ることはないよ。明楽…一つお願いがある」

二人はお互いに見つめあった。

「俺の力の一部を、明楽に譲りたい。俺は、明楽のライダーとなって、明楽を守りたい」

拒否されるとクロは思っていた。すると、明楽は笑顔になった。

「クロ。あなたを選んでよかった…」

明楽を抱きしめた。

「明楽。俺を選んでくれて、ありがとう」

クロは明楽の口にキスをした。すると、熱い何かがクロの身体から湧き上がたが、一瞬で引いて行った。

「クロ。これからもよろしくね」

そう明楽が話すと、白い光に包まれ目を閉じてしまった。


「…!」

気がつくと、ライトの所に戻っていた。明楽はいなくなっていた。

「クロ。よくやった」

ライトはクロの肩に手を置いた。ふと右手を見ると、三日月が入っていた。

「叔父さん…これは…明楽は?」

「明楽は大丈夫だ。それと、その証は明楽の完全なライダーになった証だ。クロ。明楽をこれからも大事にするんだぞ」

ライトはクロに熱い視線を送った。

「はい。明楽が幸せになれるように努めます」

クロも決意を持った目でライトに誓った。

「うむ。それと、これだけは話したかった。なぜ、君をここへ連れてきたか」

「…」

「君が知らない間に、私が死んで君が危ない目に遭った時に、一度だけ時を止めて連れてくるように、君に魔法をかけてたんだ」

ライトは舌を出した。

「え…いつのまに…」

「もう忘れたわ!なんせ、君が一人孤独になっていた時だったからな…でも、君が明楽のライダーになれた姿を見て、私はもう満足じゃ」

すると、クロの身体が輝きだした。

「…!」

「もう時間切れかな」

ライトはどこか切ない顔をした。

「叔父さん!」

クロは最後にライトと抱き合った。

「クロ。もう君は立派になった。私の出番はもう無さそうだ。だけど、もう君には会えないが、君をここでずっと見守っている。自慢の息子、クロ。明楽と幸せに生きて」

クロは頷いた。

「それと、城の兵士とウルフもよろしくな」

クロは光に包まれ消えて行った。

「ライト…大丈夫?」

三日月龍はライトの身体に擦り寄った。

「あぁ。大丈夫。ありがとう。シルビア」

シルビアの顔を撫でた。

「シルビア。ナイト。ここで、彼らの事を見守っていこう」

「そうね」

「うん」

ライトは草原の遠くを見つめていた。



目を見開くと、レイが吠えていた。

「二人揃って死ね!」

レイが黒いモヤを放った。

「…!」

クロはバリアーを貼ろうとしたその時、誰かがクロを強く引っ張り黒いモヤを回避した。

「うっ…」

クロは恐怖のあまり、目を閉じたが少し目を開いた。すると、空を飛んでいる。

「?」

クロの体を硬い何かで抱えていた。

「…明楽」

上を見ると、三日月龍の姿になっている明楽の顔が目に入った。

「気づいた?」

クロは明楽に抱き抱えられていたのだ。

「お前…生きていたのか…」

「そうよ?さぁ、私のライダー。私の背中に乗って」

見ると、クロが作った鞍が装備されていた。クロは鞍に跨った。

「明楽。レイを倒そう」

クロは右手を挙げると、明楽は吠えた。すると、黒雲が引き三日月が出てきた。


「なになに…」

兵士とウルフが上空を見上げると、黒雲がない夜空。三日月の近くに青い光が一点輝いていた。

「明楽ちゃん…クロ」

明楽がもう一度吠えた。その鳴き声はとても美しく、心が穏やかになっていった。

「すごい…」

すると、レイが出した黒い何かがもがき苦しみながら消えて行った。

「…私たちの勝利が目前よ。明楽ちゃんとクロを応援しよう!」

ウルフの呼びかけに兵士たちは声を上げた。


「明楽…テメェ…」

レイが牙を剥き出し威嚇した。

「クロ…いくわよ」

明楽の目がサファイア色に輝いた。クロの目もサファイア色に輝いた。レイが勢いよく飛び出した。

「殺す!」

明楽は瞬時にかわした。

「明楽。気をつけろ」

レイの動きがさっきよりも早くなっていた。

「クロ。しっかり捕まってて!」

明楽は体を回転しながらレイの攻撃を避けた。

「動くな!」

レイは黒いモヤを放った。明楽はなんとか避けていった。

「明楽。次接近した時に、俺はレイに攻撃する」

「どうやって?」

「ワイヤーを使う。だが、一旦鞍から離れる」

クロはワイヤーの先端を口に含んだ。

「わかったわ」

明楽は上手くレイとの距離を縮めた。

「接近戦をしたいのか…いいだろう!」

レイが明楽の下にくるように飛行した。

「下から突き上げてやる!」

レイが明楽の下になった時、クロは鞍から飛び降りた。

「ちょっと翼をいじるぜ」

それはレイには見えてなかった。降下中にクロはたくみにワイヤーを広げ、レイの左翼にワイヤーを絡めた。

「な…」

「痛いだろうな!」

降下の勢いでワイヤーをキツく締めた。

「くっ…」

レイは上手く翼を制御できない。明楽はクロが落ちてくるところをキャッチし、クロは鞍に跨った。

「これであいつは上手く飛べない」

しかし、レイは飛び続けた。

「もういい…死ね!」

黒いモヤを広範囲に放った。明楽は速度を上げ、攻撃を避けた。

「明楽。ぶつかるしかないな」

「そうね」

明楽の額の三日月が光った。

「いくわよ」

明楽の口に青白い光が見えた。大きく息を吸い、明楽はそれを解き放った。それは光線となってレイにめがけて一直線だった。

「お前の攻撃は弱いんだよ!」

レイも黒いモヤを解き放った。互いの攻撃がぶつかった。

「死ね!」

レイの黒いモヤが勢いを増した。

「くっ…」

明楽は苦しそうだった。すると、クロは右手を明楽の首に置いた。

「明楽。俺の力を使え!」

そう言うと、クロの右手にある三日月も光った。

「ありがとう」

明楽は青白い光線の勢いを上げた。黒いモヤは一気に押された。

「…」

レイは明楽の青白い光線をモロに受けた。爆発したかのように煙が上がった。

「明楽…」

「…」

すると、煙の中からレイが地面へと落下した。

「俺は…終わった…」

レイの目には、青く光る明楽とクロの姿があった。

「成長…したな…」

地面に着く前に、レイは黒い霧となって消えた。


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