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学校に入ると、人の気配が一切無かった。

「…」

警戒しながらも、学校内を歩いた。ふと、明楽の匂いがした。

「ここか…」

目の前には校長室と書かれた扉があった。ノックをしても返事がない。扉を開けようとすると、鍵が空いてた。

「…」

そっと扉を開けると、誰もいなかった。部屋に入り、辺りを見渡した。

「…この近くだな」

ふと、本棚に目をやった。近くで見ると、何かが不自然。

「なんだ?何か引っ掛かるな…」

綺麗に並べられてある本。しかし、所々揃っている色の本に違う色の本がある。

「おまけに分野も違う…」

何気に違う色の本を取ろうとしたが、なぜか取れない。ふと奥へ押すと、本は引っ込んでいった。

「…ここなんだな」

違う色の本を、奥へ押した。すると、鈍い音が響いた。

「…」

手甲鉤をはめ、警戒した。すると、本棚が一瞬動いた。本棚をずらそうとすると、扉のように本棚は動いた。そして、本棚の後ろにあったのは大きな扉だった。ドアノブに手をかけると、鍵が空いていた。

「…」

扉を開くと、辺りは真っ暗。だが、匂いで分かった。

「明楽…いるのか?」

その声に、弱々しく帰って来た。

「クロ…?」

すると、月明かりが小さな窓から差した。明楽はボロボロで鎖に繋がれていた。

「明楽!」

クロは急いで駆け寄り、鎖を手甲鉤で切った。

「明楽。遅くなってごめんな」

「クロ…助けに来てくれたのね…」

明楽はクロにしがみついた。羽織っていたローブを明楽に羽織らせた。

「大丈夫か?」

明楽は小さく頷いた。明楽を抱き抱え、校長室を出ようとした。

「君が…クロ・ルーマスだね?」

クロは声のする方を睨んだ。さっきまでいなかった校長席に谷川が座っていた。

「谷川…」

「ほう。私を知っているんだね」

クロは谷川の方を向いた。

「叔父さんから聞いていましたので」

「やはり、君はライトの甥っ子だったんですね。まぁ、それはさておき。君は、三日月さんのライダーかね?」

「…」

クロは無言だった。

「いやいや。三日月さんは本当に勝手でね。私に許可なく勝手にライダー契約して。私が三日月さんと契約してこの世界を平和にしたかった。まぁ、三日月さんは人間の姿になってるから、私の思う世界になったら、愛人としても使えるし」

谷川は笑った。

「平和とは?龍を絶滅させる事ですか?それのどこが平和と言えるのでしょうか。やっている事は、殺人と一緒じゃないですか?」

クロはさらに谷川を睨んだ。

「それに、明楽は奴隷じゃない!」

谷川は無表情になった。

「君は…いや。君たちは本当に私の邪魔をしますね。龍がいなくなれば、人々が豊かになると言うのに…」

谷川は立ち上がった。

「レイ…三日月さんを暴走させろ」

低い声で話した。すると、何かの唸り声が響いた。

「…!明楽。一旦外に出るぞ」

「うん…」

クロは明楽を抱えながら外へでた。

「明楽。大丈夫か?」

明楽を見ると、何かが違った。

「クロ…私から…離れて」

「明楽?」

「早く!…うっ…」

明楽を下ろし、その場を離れた。

「やめて…やめて!」

明楽は泣き叫んだ。明楽の中で何かが囁いた。

 明楽…俺から逃げられない。

その声がクロにも聞き取れた。

「…まさか」

すると、上空からレイが現れた。背には谷川が乗っていた。

「さぁ、明楽。暴れろ!その男を殺せ!」

谷川は剣を突き立てた。血のように真っ赤な瞳に染まり、血の涙を明楽は流した。

「嫌…」

すると、レイが遠吠えをした。悲しみに包まれる恐怖がクロと明楽を襲った。

「まずい…」

明楽を見ると、何かが抜けたようにただ立っていた。

「明楽…」

すると、クロにも異変が起きた。心が冷たい。だが、自分自身の感情ではない。

「これは…明楽の感情…」

次の瞬間。明楽がクロの懐に来ていた。

「チッ…」

明楽は拳でクロの顔面を殴ろうとしたが、クロは間一髪腕でガードした。

「グゥッ!」

弾き飛ばされ、学校の壁に叩きつけられた。

「あいつが、明楽を閉ざしたんだな。だが、俺が明楽の一部を持ってるから、それが俺にも伝わるってのか…」

明楽はゆっくりとクロの方へ近づいて来た。

「明楽…目を覚ませ…」

なんとか立ち上がり、手甲鉤をはめようとしたが、また明楽が急接近した。

「…!」

間一髪避けた。しかし、明楽も容赦はしない。


「ハハ!どうだ!三日月さんの力を」

谷川は笑っていた。しかしレイは明楽を見つめた。

「…」


「明楽!目を覚ませ!」

クロは必死に明楽の攻撃を避けたが、明楽の攻撃一つ一つの威力が大きい。

「当たったら、まずい」

ふと、冷たい感情がなくなった気がした。

「…!」

明楽を見ると、表情は変わっていないが血の涙を流していた。

「…明楽」

明楽は拳で殴ろうとしたが、クロは全力で明楽の拳を止めた。

「…」

「明楽。辛いだろ。苦しいだろ。そこから抜け出せれなくて…」

明楽は横蹴りをクロの脇腹に攻撃した。

「ウッ…」

弾き飛ばされ、地面に倒れた。なんとか起き上がり、血を吐いた。

「久しぶりだな。血を吐いたの」

手で血を拭った。明楽はクロに近づいた。

「やりたくなかったが…」

手甲鉤をはめ、構えた。すると、どこかから声が聞こえた。

 クロ…私に任せて。

「明楽…?」

すると、明楽は立ち止まった。

「何してる!さっさとこの男を殺せ!」

谷川の怒声が聞こえた。明楽は鉢巻を外し、瞳を閉じた。すると、地響きがなった。

「これは…あの時の…」

クロは明楽から距離をとった。明楽を闇が包んだ。そして、雄叫びと共に闇の帝王になった。

「ほう…初めて見たぞ。三日月さん。さぁ、あいつを殺せ!」

明楽はクロを見つめた。

「…」

そして、勢いよく上空を飛んだ。狙いはレイだった。

「…!」

レイはこれに予想していなかった。

「レイ!避けろ!」

しかし、明楽に捕えられた。明楽はそのまま地面にレイと谷川を叩きつけた。

「チッ…」

谷川は衝撃でレイから落ちてしまった。明楽はクロの横に戻った。

「明楽…」

しかし明楽は喋れなかった。ただ威嚇でレイ達に向かって鳴いていた。すると、レイが体勢を整えた。

「レイ…あいつをやれ!」

谷川が怒鳴ったが、レイは動かなかった。

「何をやっておる!」

すると、レイは谷川を睨んだ。

「俺は、お前と行動することがもう嫌だ」

低い声でそう唸った。

「は?何を言っておる」

レイは谷川に向き直った。

「お前…うるさい」

真っ赤な瞳で谷川を睨んだ。

「俺はお前と契約している。俺の言うことを聞け!」

「は?契約?なんのこと?」

クロと明楽はその光景を見ていた。

「俺は、お前と契約したつもりもない。はじめっからお前の事、そこまで興味はなかった。むしろ、ムカついてた。俺に汚れ仕事させるし。もう飽きた」

すると、レイの口の中から黒いモヤが見えた。

「じゃぁ、なんで今まで俺のところにいた!」

谷川は吠えた。

「暇だったから…かな?だが、もうお前はいらない。俺の前から消えろ…」

「待て…レイ!」

レイの口から黒いモヤが放たれた。それは谷川に当たった。

「やめろ!」

断末魔と共に谷川は地面に影を残して居なくなった。

「…!」

クロはその光景に驚いた。

「さて…次はお前らだ」

レイはクロと明楽を睨んだ。

「お前らごと、闇に落としてやろう…」

そう言うと、黒いモヤがレイを包み翼を大きく伸ばし雄叫びを上げた。

「何が…」

クロは警戒した。すると、夜空を黒雲が包み、地面から黒い何かが無数に出てきた。それは人形だが、人間ではない。

「明楽!お前を殺す!」

レイが吠えると同時に、黒い何かは武器を手にクロに向かってきた。

「みんな。手を貸してくれ」

クロは指を鳴らした。すると、兵士たちが一斉に出てきた。

「クロ。標的はあれね」

ウルフも現れた。

「あぁ。相当やばいやつだ。みんな気をつけろ」

兵士たちは一斉に返事し、黒い何かに立ち向かった。それと同時に、レイと明楽は同時に上空を飛んだ。

「明楽…」

クロは心配しつつも、目の前にいる敵に集中した。


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