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目を覚ますと、ぼやけて何も見えなかった。メガネをかけると、横で明楽が寝息を立てていた。
「可愛いな」
明楽の頭を優しく撫でた。
「明楽さん…」
体を起こし、ベットから出た。着替えをし、机の上に置いてある本を手にした。
「明楽が起きるまで、読むとするか」
しばらくすると、明楽が体を起こした。
「クロ…?」
「お、起きたか。おはよう」
「おはよう…」
「ご飯食べるか?」
本を閉じ、明楽の方へ向かった。
「うん。ねむい…」
目を擦り、大きなあくびをした。
「明楽。今日は稽古しような」
明楽の横に座った。
「うん。あ、ナイフの斬り合いしたいな」
「あぁ、いいよ。相手するよ。その前に、ご飯食べるぞ」
フライパンに卵とベーコンを乗せ、カリカリになるまで焼き、トーストの上に乗せた。
「美味しそう。いただきます」
明楽はトーストにかぶりついた。
「美味しい」
「手抜きもしないとな」
クロはお茶を一口飲んだ。朝食を終え、食器を片付けた。
「クロ」
「どうした?」
明楽はクロを覗き込んだ。
「なんか、表情がいいなって」
「えぇ…いつもと同じだろ?」
「うーん。まぁいっか」
明楽は稽古の準備をした。
「絶対に守ってみせる…」
明楽を見つめながらそう思った。
稽古場に行き、クロは明楽にナイフを渡した。
「同じナイフでやろう。もちろん斬れるぞ。ルールはナイフ一本だけ使用可能。それ以外の武器の使用は禁止だが、打撃はやってもいいぞ」
稽古場の中央に立ち、明楽は構えた。一瞬静寂が走ったが、音もせずクロが飛び出した。明楽はナイフで受けた。
「チィッ!」
火花が飛び散り、ナイフと逆の手でクロの顔面を殴ろうとしたが、クロは横へ避けた。
「なかなかいい」
明楽も飛び出し、ナイフを向けるフリをしつつ、蹴りを回したがクロが手で止め、その足を掴んだ。
「やばい!」
抜け出そうにもクロの握力が強かった。
「吹き飛べ!」
クロは思いっきり明楽を投げた。明楽はとっさの判断で空中で回転し、激突の威力を弱めた。
「斬り合いと行こうか!」
クロが飛び出し、ナイフを向けてきた。明楽も応えるように、お互い一歩も譲れないナイフの斬り合いをした。
「明楽。強くなったな」
「クロの方が強すぎるわよ!」
斬り合いの隙に蹴りを入れても、クロは華麗にかわした。クロも殴り込みを入れたが明楽もかわした。
「避けれるようになったな」
何度も攻撃を仕掛けてきては、明楽は避けていった。譲らない戦いは数時間かかった。
「やってるねーって…」
ウルフが稽古場に行くと、クロと明楽は大の字に倒れていた。
「あんたたち。大丈夫?」
明楽に駆け寄ると、汗と湯気で体が熱かった。
「勝負が…決まらなくて…」
なんとかクロが体を起こした。
「ひさしぶりだ。こんなに夢中になったの」
上の服を脱ぎ、上半身裸になった。
「明楽。体が冷えるから、一緒に風呂入るぞ」
「はーい」
明楽もゆっくりと立ち上がった。
「もー。真剣になりすぎ!」
「夢中になってたんですよ…あはは…」
「で、ウルフはなぜここへ?」
「見にきただけ。だって部屋行ってもいなかったし」
三人はクロの部屋へ向かった。
「明楽ちゃん。強くなってた?」
「あぁ…強い。こんな短期間でここまで強くなった。すごいよ」
部屋に入ると、明楽は椅子に座った。ウルフはお茶を入れて、明楽に渡した。
「まだ息が上がってるから、ゆっくり飲んでね」
「ありがとうございます」
クロは浴槽にお湯を入れていた。
「私、そろそろ部屋戻るねー」
ウルフは部屋を出た。
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