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「ここは、こう言う公式を使うといいぞ」
明楽に勉強を教えていた。
「解けた!」
「すごいな」
明楽の頭を撫でた。
「明楽は本当は頭がいい。自信持っていいぞ」
「クロには敵わないよ」
「もう暗いな」
クロは窓を見た。
「夕飯にしよう」
「早いわね。勉強道具片付けてくるね」
明楽は勉強道具を片付けた。
「今日は何食べたい?」
クロは食材の本を開いた。明楽は覗き見をした。
「このパスタ?食べたいな」
「ほう…じゃ、野菜スープパスタにしようか」
「うん!」
クロと明楽は一緒に作った。
新月の夜。レイは目を覚ました。
「あいつは居ないのか…」
敷地内に谷川の気配がなかった。水を飲み、空を見上げた。
「あぁ。懐かしいな。あいつはいつも一人で飛んでたな…」
レイは過去を思い出した。
明楽が生まれるずっと前。まだ三日月龍が絶滅前の話。
「全く…」
レイは毎晩この庭で三日月龍の群を眺めていた。時折美しい鳴き声に苛立ちを覚えた。
「目障りめ…」
レイはこの鳴き声が苦手だった。毎日観察していて、ふと気づいた。
「一匹だけ遅れてるな。毎日毎日」
よく見ると、群の最後尾に離れて飛んでいる三日月龍がいた。飛び方的に怪我をしているわけでも無く、わざと距離を空けて飛んでいたのだった。レイは様子を見ていたが、同じ三日月龍が飛んでいたのだった。
「ほう…差別か。何やらかしたんやら。だが、あいつは…メスか?」
次第に興味を持ち、毎晩その三日月龍を見ていた。
「美しい…」
そう思いながら、近づけれる日を狙っていた。ある日、谷川が出張でいない日があった。三日月龍の群が山の方へ向かっていた。レイは三日月龍の後を追った。人気のない山の方に来た途端。レイはその最後尾の三日月龍を捕まえた。三日月龍は激しく暴れた。
「大人しくしろ!」
そうレイは叫び、三日月龍を持ったまま地面へ落下した。三日月龍はただ叫んいた。地面へ不時着した後、レイは三日月龍に話しかけた。
「お前はなぜいつも最後に飛んでるんだ?差別か?」
しかし混乱してるのか、叫んでいるだけだった。
「答えろ!」
そう低い声で吠えた。
「私は!一族の生贄的存在なの!いらない存在よ!」
そう高い声で三日月龍は叫んだ。
「ほう。いらない存在なんだな」
「何するのよ!」
そう言うと、レイは三日月龍の翼を傷つけた。あまりの痛みに三日月龍は吠えた。
「前からお前のことが気になって仕方がなかったんだ。好きにしていいんなら、俺の子を作れ」
そう言うと、レイは三日月龍を襲った。叫ぶ気力もなくされるがままだった。コトを終え、レイは飛び去った。
「まぁ、あれだけ負ったんだ。死を選ぶだろう」
当時はそう思っていた。
「まさか、産むとはな。思いもしなかった。それに、強い力を持つ子。だから、その力を感じて行動を把握できていたのに」
明楽の把握ができない今、レイは何もできない。
「明楽。この前は把握できたのに、また消えた。それに、あの男の存在。あの男に似ていたな」
レイは丸くなった。
「明楽は誰のものにもしない。俺だけのものにする」
そう呟くと眠った。
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