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目を覚ますと、もう暗くなっていた。

「寝過ぎた…」

メガネをかけ、窓を見るとちょうど月が出始めた頃だった。明楽を優しく揺さぶった。

「うん…?」

「おはよう」

「おはよう…」

「夕飯食べよう。ケーキも完成させないと」

明楽は一瞬頭が真っ白になったが、ハッと我に帰った。

「あ…そうだった」

「その前に、着替えようか」

サッと着替え、リビングに移動した。

「クロ…」

「なんだ?」

明楽は顔が赤くなった。

「いや…こんなに優しくされるの…初めてで…」

クロは蝋燭を炊き、テーブルに置いた。

「ありがとう。明楽」

「こっちも、ありがとう」

二人はお互いに笑った。

「さて、夕飯はっと」

「クロと一緒に丸鳥食べたい!」

「結構大きいぞ?まぁ、いっか」

丸鳥を出し、下処理をしてオーブンに入れた。

「その間に、ケーキをデコレーションしよう」

「楽しみ」

冷蔵庫から取り出し、クロは丁寧にケーキ生地に生クリームを塗った。

「綺麗…」

「コレに関しては…練習した」

フルーツで飾り、余ったクリームも無駄なく使い切った。すると、オーブンが焼き上がった。

「いい匂い」

取り出すと、こんがりと仕上がっていた。

「さて、食べますか」

「うん!」

明楽は丸鳥を食べた。

「美味しい…」

「こう言う時じゃないと食べない物だからな」

クロも美味しそうに食べた。

「クロって、苦手な食べ物あるんですか?」

「苦手な食べ物か…特にはないが、お酒はダメなだけだな。酔って吐くんだよ」

「そうなんだ」

「逆に明楽は何が苦手だ?」

「うーん。辛い物は苦手ですね」

「そうか。まぁ、辛いと痛いしきついよな」

「うん」

二人は食べ進め、あっという間に丸鳥は骨だけになった。

「意外と食べれたな」

「ケーキ…入らないかも」

「ケーキは明日食べよう」

「うん」

「片付けしておくから、先にシャワー浴びてきて」

「ありがとう」

明楽は着替えを持ち、シャワーを浴びた。クロは食器を片付け、テーブルを拭いた。

「クロ。シャワー終わったよ」

明楽が着替えて出てきた。

「わかった。ちょうど片付けが終わったところだ」

クロも着替えを持ち、シャワーを浴びた。

 明楽…可愛かったな…

そんなことを思いながら、シャワーを終え着替えた。

寝室に行くと、明楽は横になっていた。

「具合悪いか?」

「ううん。ちょっと疲れただけ」

クロはベットに座り、明楽の背中を撫でた。

「明楽。今日はありがとう」

「私も嬉しかった。ありがとう」

「今日はもう休もう」

「うん。クロ、おやすみ」

「おやすみ」

ベットに入り、寝ようとしたが明楽が手を握ってきた。

「いい?」

「もちろんだ」

手を繋いだまま二人は眠った。


朝日がクロを照らした。

「もう朝か」

メガネをかけ、明楽を見た。

「よく寝ているな」

明楽の頭を撫でた。起こさない様にそっとベットからでて、着替えた。すると、ルナの鳴き声が聞こえた。

「どうしたんだろ」

外に出ると、ルナが待っていた。

「乗って欲しいのか?」

ルナの額撫でると、鼻を鳴らした。

「わかった。でも、今日は明楽を乗せてみたいと思うんだ。頼んだよ」

クロは馬装を整えて、ルナに跨りウォーミングアップした。すると、明楽が起きてきた。

「明楽。おはよう」

「おはよう…」

「ちょうどよかった。乗ってみるか?」

クロはルナから降りた。

「いいの?大丈夫?」

「大丈夫」

明楽はルナに跨った。

「一人で乗るのって、雰囲気変わりますね」

クロはルナを引いた。

「どうだ?」

「すごくいい」

「じゃぁ、一人で動かしてみるか?」

明楽は手綱を握った。

「踵でルナのお腹を軽く蹴ってごらん?」

するとルナは前進した。

「なるほど…」

「乗馬はここからスタートなんだ。馬術までは相当時間かかるがな」

クロの指示の元、明楽はルナを動かした。

「楽しい」

「それはよかった。そろそろ終えるか」

明楽はルナに愛撫し、降りた。

「馬具の外し方も教えるよ」

クロは馬具を外した。外し終えると、ルナはまたどこかへ去って行った。

「いつも通りだな」

「馬具の鞍の部分、ナイトの鞍とあまり変わらない気がする」

「そうか。それなら大丈夫だな。さて、朝食にするとしよう」

「クロ。ありがとう」

部屋に入り、朝食の準備をした。クロはフライパンで卵を焼いた。

「そういえば明楽」

「なに?」

明楽は皿とコップを出した。

「今日クリスマスなんだ。プレゼントを大切な人に贈る日でもある。何か欲しい物はあるか?」

「いいですよ。いつも良くしてくれてるし。それに、この生活が何よりのプレゼントですよ」

明楽は椅子に座った。クロは皿に焼いた卵を入れた。

「いや…この前、明楽から力の一部もらったから、お礼がしたい。なんなら俺の…」

「クロの力の一部は、今の現状を終えてからがいい」

クロも椅子に座った。

「お父さんがいつどう言う行動をするかわからないのに、私が暴走したらクロもどうなるかわからない。今は、私の力の一部しか受け取ってないから、私が暴走してもクロには影響がないと思う。私のライダーとしての契約が半契約だから。クロにはこの状況が落ち着いたら、絶対に力の一部をもらうから…」

明楽は少し俯いた。

「明楽。俺の事を考えてくれてありがとう。俺は別に焦ってもない。俺は無理矢理やるのが好きじゃない。だから、明楽がここって言うタイミングでいい。俺はいつでも待ってる」

「ありがとう」

「で、冷めてしまうから食べよう。あ、ケーキもあるんだったな」

クロは冷蔵庫からケーキを取り出した。

「暗い話でごめんね」

「全然。むしろ大事な話だ」

クロはケーキを丁寧にカットした。

「よし、食べよう」

「いただきます」

明楽はケーキを一口食べた。

「美味しい…」

「よかったな」

クロはお茶を飲んだ。

「で、明楽。プレゼント欲しいか?俺が考えてもいいが」

「なんですか?」

「明楽に振袖を贈ろうと思う」

明楽はわからなかった。

「振袖って…なんですか?」

「あぁ、知らないのか。イベントの時に着る綺麗な着物だ」

「でも、どうやって作るんですか?」

クロは人差し指を立てた。

「そこは魔法の力だ。俺らは魔法使えるじゃん」

朝食を終え、クロはデザインを描いた。

「明楽って、こんなの似合いそうだな」

そこには赤黒い背景に桜が舞っているデザインだった。

「クロって、絵も得意なんですね…」

「明楽って、桜似合うと思うんだよな。で、帯は金にして…」

どんどんデザインができてきた。

「可愛い…」

「明楽はいつも髪を高く縛ってるから、そこはあまり変えずにだな」

髪飾りのデザインも書いて行った。

「よし。これでどうだ?」

「素敵…」

クロはデザインに呪文を書いて行った。明楽は不思議そうに眺めていた。

「これでっと」

そう言うと、デザインを床に置き何かを唱えた。すると、デザインが光だしゆっくりと物が浮かんできた。

「え…」

全部出てしまうと、光は止んだ。

「これでどうだ」

そこには振袖と帯、髪飾りがあった。

「着てみるか?」

「うん…」

明楽はまだ現実を受け入れてない様だった。クロに着付けを手伝ってもらい、振袖を纏った。

「綺麗だ。似合うぞ」

明楽は鏡を見て感動した。

「私…」

「明楽。俺からのクリスマスプレゼントだ」

「ありがとう。私、こんなの着るの初めて…」

「喜んでくれて嬉しいよ。明楽に贈ってよかった」

明楽はクロを抱きしめた。

「ありがとう」

「どういたしまして」

クロも明楽を抱きしめた。

「最高のクリスマスだよ。クロ」

明楽とクロはお互いに笑った。

「明楽。これからも頼むな」

「うん!」

明楽は汚さない様に、振袖を大事に片付けた。


仕事や引越しで忙しくなるので

投稿が遅れるかもしれません

申し訳ないです


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