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目を覚ますと、ベットの上だった。見渡すと、クロの部屋だった。奥の方で声が聞こえたが、聞き取れなかった。すると、扉が開いた。

「目を覚ましたか」

心配そうにクロが近づいてきた。

「私…いつの間に…」

「明楽。ごめんな。辛い思いさせて」

明楽の手を握った。

「お父さん…ずっと私を監視してたんだな…」

明楽は寂しい表情になった。

「だが、明楽を操れるって相当力がいるぞ?」

「それくらい余裕だと思うよ。でも、今回は私も記憶がある。なんとか止めないとって。クロが傷つくと思った」

「ありがとう」

「それと、気になってたんだ。クロが歌った歌…聞いたことある。だけど、どこで聞いたか覚えていない」

「あぁ。あの歌は、叔父さんが明楽とナイトの子守唄として歌ってた歌だ。この歌には、不思議な力が込められてるそうだ。ナイトを卵にした時にも歌ったんじゃないかな?」

「その歌。すごく好き。でも、お父さんはその歌苦手なのかな?徐々に抜けて行った感じがあって、全部抜けると、体が軽くなったんだよ。不思議な歌だよね」

「明楽に傷をつけたくない。でも、乗っ取られてる。そう思って、ちょっと歌ってもた。恥ずかしかったけど…」

クロの顔が少し赤くなった。

「でも、普通歌を歌ったら何とかなるって思わないでしょ」

「いやー。一理あるかと思って…」

明楽とクロは笑った。

「でも、クロ。ありがとう。止めてくれて」

「それが、俺に与えられた使命だし、明楽を守りたい。それだけだ」

クロは部屋の明かりを消し、ベットに入った。

「クロ」

「どうした?」

「近々、二人っきりになれる所に行きたい」

クロは少し驚いた。

「どうした?」

「いや。また行きたいなって思っただけ」

「明日、調整してみるよ」

「ありがとう。おやすみなさい」

「おやすみ」

二人は眠った。



夜中。谷川の家の庭でレイは暴れていた。

「クソッ!」

怒声を上げながら土を掻きむしったり、木を焼き払っていた。

「レイ!いい加減にしろ!今何時だと思ってる!」

谷川はたまらず大声をだした。レイは谷川を睨んだ。

「それに、多少の収穫はあったじゃないか」

「アン?」

「三日月さんはこの世にいないって事だ」

「…だから?」

「灰色の世界の行き方を、徹底的に調べるぞ。うまくいけば、来年には三日月さんを奪還できる事だ」

「どうやって行くんだ?」

「今、調べてる。だから、大人しくしてろ。だが、今日のお前の働きで少し前進した思えばいいんじゃないか?」

谷川はレイを撫でたが、レイは威嚇した。

「あの野郎…」

「誰なんですかね…」

谷川はため息をついた。

「庭…どうしましょう。まぁ、もうすぐ雪が降るから春までにどうするか、考えるとしましょう」

すると、護衛が走ってきた。

「工藤くんに、今回の火事についての処分は、三ヶ月給料減給に留めると伝えといてくれ」

「わかりました」

護衛は走って去って行った。

「レイ。もう寝るぞ」

レイは翼を叩み、谷川がレイを小さくして肩に乗せた。



「おはよう。明楽」

目を覚ますと、クロが顔を覗かせていた。

「お…おはようございます」

「調整が付いた。今日の昼に行けれるようになった」

明楽は体を起こした。

「それと、もう年末だ。この城を支えてる兵士達に冬休みに入ってもらおうと思う。カラス達も怪我だらけだし。今は皆を休ませようと判断した」

「そうなんだ」

「期限は年明けまでだ。だから、一週間くらいは二人っきりになれるぞ」

「いいの?」

「もちろん。ただし、午前中はきつめの稽古をするが…いいか?」

「もちろん!」

明楽は嬉しそうに答えた。

朝食を終え、明楽は準備をした。

「明楽ちゃーん。おはよー」

ウルフが入ってきた。

「おはようございます」

「カラス達の状況なんだけど」

ウルフは椅子に座った。

「ウルフ。どうだ?」

クロが気になっていた。

「みんな大丈夫。みんな生きているよ」

「よかった」

「時間はかかるけど、羽も生えてくるからまた飛べるよ」

クロはホッとしていた。

「二人とも。もう稽古でしょ?頑張ってね」

ウルフは出て行った。

「明楽。そろそろ行くぞ」

「うん」

稽古場へと向かった。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

引き続き、よろしくお願いします。

作者、仕事が忙しく、なかなか投稿ができなくてごめんなさい。

さて、物語にもあるクロとクロの叔父ライトが歌を歌うところがありますが、

作者、THE ALFEEのファンでして、『明日に架ける橋』『希望の鐘がなる朝に』などをイメージしていましたw

作品は大体半分に入ったかな?なところです。

誤字脱字の指摘、評価もしてくれたら嬉しいです。

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