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目を覚ますと、部屋の天井が入った。

「夢か…でも…誰だったんだろ」

ゆっくりと体を起こし、髪を縛り部屋を出た。廊下を歩くとウルフの部屋からイビキが聞こえてきた。

「ウルフさん…昨日たくさん飲んでたから…」

クロが寝ている部屋のドアをノックした。

 …明楽か?入っていいぞ。

明楽はドアを開けた。

「おはよう。どうした?」

「おはようございます。変な夢見てしまって。目が覚めてしまいました。男の人と、三日月龍がいたんですよね」

クロは驚いた。

「どんな人だった?」

「うーん。あんまり覚えてない。ボヤけてて…」

「そうか」

明楽は椅子に座った。

「傷はどう?」

「昨日よか大丈夫だ。今日は自分の部屋に戻るよ。ごめんな」

「昨日、ウルフさんと女子会してました。すごく楽しかったです」

「それはいいことだ」

「あと…やっぱり一人で寝るのが寂しいです。恥ずかしいけど…」

明楽は顔を赤くした。

「別にいいんじゃないか?明楽はナイトと一緒に寝てたんだ。一人で寝ることに慣れてないし。俺と寝ることで明楽が落ち着いて寝てるんだと思うと、嬉しいよ」

「クロは嫌なことしないってわかってるし。今日からまた一緒に寝られるの、嬉しいな」

すると、ウルフが入ってきた。

「おはよ〜」

大きなあくびをしていた。

「おはよう」

「おはようございます。ウルフさん」

「傷どう?」

「痛みが治ってる。そこまで長くないナイフだったからよかった」

クロはベットから降り、フードを羽織った。

「どこ行くの?」

「部屋だ。あと、ちょっと出かける」

「え…」

明楽は心配そうに言った。

「大丈夫。心配するな。今日の稽古はウルフに任せるぞ」

「了解〜」

「明楽。夕方までに戻る。絶対に」

クロは明楽の肩に手を置いた。

「わかった」

クロは部屋へ行った。

「さてと、明楽ちゃんは私と稽古しようか!その前に、朝ごはん食べよう!」

「うん!」

ウルフと明楽は朝ごはんを食べ、稽古場へ行った。

「今日は銃を使ってみようと思うの」

ウルフはいろんな形の銃を出してきた。

「使い方も教えるから。初めてだよね?」

「はい」

「私はたまに銃使うんだけど、クロは命中率ゼロだから、無理なの。明楽ちゃんはどうかな?」

ウルフは明楽に銃の操作を教え、的を用意した。

「なるべく真ん中命中で」

明楽は数発打った。すると、どれも真ん中に命中した。

「うそ!」

「え…まじ…」

二人で唖然としていた。

「明楽ちゃん。センスありすぎ〜」

「ま…まぐれですよ!」

ウルフは別の銃を明楽に渡し、明楽は的に銃を放った。

「まぐれじゃないでしょ!」

全部真ん中に命中。

「あ…はは…」

とうとう城にある銃を全て使いこなしていた。

「明楽ちゃん…すごい…」

ウルフはびっくりを通り越していた。

「でも、私は刀が使いやすいです。銃だと、弾切れの心配があるし」

「なるほど。でも、二刀流もできるわよ。レパートリーが増えるのはいいことよ。でも、明楽ちゃんが刀でやるなら、それでも全然いいと思う。極めるはいいこと!」

「刀で強くなりたいです」

「わかった。でも、もうお昼だから切り上げよう」

銃を片付け、ウルフは明楽と一緒に昼食を作った。



「ふぅ。ここか」

クロはこの世の世界に来ていた。肩にはカラスが止まっていた。

「まずは一人目…」

とある廃墟の目の前にいた。カラスはクロの耳元でクチバシを動かした。

「ただの逸れ者…全部で四人か…クソが…」

カラスは飛んで行った。気配を隠しながら、廃墟へ入っていった。ジメジメしており、カビの匂いが広がっていた。

「ん…」

人の気配を感じた。クロは身を隠した。

…でさ。

報酬は…

最高だったよ…

クロは声のする方へ慎重に歩いた。見ると、男が三人いた。手甲鉤に手を掛け、深い呼吸をした。クロは影の如く、男たちの襲いかかった。

「なんだ!」

男たちは武器を手に取ったが遅かった。

「遅すぎる!」

クロは男たちの四肢を切り刻んだ。

「ついでにだ…」

二人の男の股間を手甲鉤で刺した。あたりに断末魔が響いた。

「あぁ…」

四肢を切られたもう一人の男が逃げようにも逃げられない。声を上げるしかなかった。

「お前と話がしたい。出血もあるから手短にだ」

クロは手甲鉤を男に向けた。

「あいつらはもう死ぬ。その前に、お前ら何をやったかわかってるよな。悪いことしすぎて、何のことかわからないだろう」

男は震えながら答えた。

「すみません…何のことで…」

「お前ら…少女を襲ったな」

クロはそういうと、男は笑顔になった。

「はい…覚えてます…」

「ほう…」

「最高でした!」

クロは思いっきり殴った。男の顔が壊れた。

「この手甲鉤便利でさ。メリケンサックに刃がついてるんだ。殴れるし切れるし。で、居るだろ。ほかに仲間が」

「仲間ではありません…あそこの二人と依頼者と四人で襲いました…」

「依頼者の名前は?」

男は言いにくそうだったが、クロは男に手甲鉤を押し当てた。

「吐け!」

「工藤です!」

クロは男の股間を切り刻んだ。男は声もあげず、泡を吹いた。

「お前ら、まだ息あるだろ。教えておくよ。死んでも苦しむ運命だから。覚悟しておくんだな」

クロは去っていった。


明楽とウルフはクロの部屋でくつろいでいた。すると、雷が鳴った。

「あら?誰か来たのかしら…」

すると、部屋にクロが現れた。

「おかえりなさい」

「あぁ。ただいま」

クロは椅子にドッカリと座った。

「ウルフ。三だ」

「…オッケー」

そういうとウルフは部屋を出た。

「クロ。三?て」

「明楽。その話はしないでほしい。君が辛くなる」

明楽は少し考えた。

「まさか…」

「それ以上は話さない。すまない」

クロは立ち上がり、明楽に近づいた。

「俺が絶対守る。もう、辛い思いはさせないからな」

そう言うと、明楽の頭を撫でた

「クロ…ありがとう…」

「気にするな。さてと、俺はシャワー浴びてくるよ」

クロはシャワー室に入っていった。綺麗に拭いたと思っていたが、服には飛び血が少しついていた。シャワーを浴びながら、クロは思った。

「あいつ…絶対に許さない」

悔しさと憎しみが湧き上がってきた。



何度電話をかけても出なかった。

「おかしいな…」

工藤は首を傾げていた。

「仕方がないか…」

そう言うと、工藤は外に出て車に乗った。

「お金を出せば動いてくれるやつだし、ましてやいい思いもさせたのに、バックれは考えられない」

夜道を走り、廃墟についた。車から出て、廃墟の中へ歩いた。

「いるか?」

大声で呼んだが、応答がない。

「チッ…」

奴らがいたであろう部屋に行くと、もぬけの空だった。

「どう言うこと…ん?」

ライトを照らすと、床や壁に血がついていたが、遺体がない。

「喧嘩か?それとも争い?」

ふと、カラスの羽が落ちていることに気づいた。

「まぁ、古いから入ってくるのか」

何も気にせずに、廃墟を出て車に乗った。工藤は電話をかけた。

「校長。お疲れ様です。工藤です」

“どうしました?”

「すみません。雇った連中がバックれました。奴らのアジトに血痕がありましたが…」

“ほう”

「仲間割れしたんだと思います」

“本当にそうですか?”

「わかりません。ただ…」

“ただ?”

「カラスの羽が落ちていました」

“ふむ…とりあえずわかりました”

電話が切れると、工藤は車を走らせた。


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