表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/15

少女との出会い

「うわ、眩し」

「あ、すいません。人影が見えたのでつい」

「まあ、こんな時間にこんな場所に人がいたらびっくりしますよね」

「はい。驚きました…。にしてもこんな時間に女の子一人で危ないですよ…。と本来なら言うべきなのでしょうが一人でいたい時ってありますよね」

「ふふ。お兄さん面白いね。でも一人でいたいのはお兄さんの気持ちでしょ?」

「そうですね。でもあなたも同じように見えたので。違っていたらすいません」

「いや、まあ合ってますよ。もう一人ではなくなってしまいましたけどね」

「確かにそうですね。すいません」

「いえ別に大丈夫ですよ。しかしお兄さんは何故ここに?」

「死ににですかね。貴方は?」

「私も死にに来ました。まあこんな時間にスーサイドの森にいる時点で死にに来ましたって言っているようなものですよね」

「そうですね。でも俺まだ死ねないんですよ。もしよかったら少しお話しませんか?」

「ナンパですか?」

「そうですね。死ぬ前最後のナンパですかね」

「いいですよ。お話ししましょう。お兄さん面白そうなんで」

「ありがとうございます。では早速。何故あなたは死にたいのですか?ああ、答えたくなかったら言わなくていいですよ」

「凄い直球で聴いてくるんですね。まあ簡単に言うといじめですかね」

「そうですか…。でも何故それであなたが死ぬ必要があるのですか?」

そう言うと彼女は一瞬固まった後、怒り口調でこう答えた。

「は?何言ってるの?そんなの私が聞きたいよ。ていうか急に何?まさか私の自殺を止める気でいるの?」

「いえ、申し訳ないですが全くそんな気はありませんよ。ただ、むかつきませんか?」

「何それ。なんでそんな知ったような口きくのよ…。むかつくよ!悔しいよ!当たり前じゃん。でももうどうにもならないんだよ。苦しい思いするくらいなら死んだほうがまし。生きていたくないの」

「では逃げたらいいんじゃないですか?」

「そんな簡単に逃げられたらこうはなってないでしょ!?」

「そうですね。でも学校休むのって意外と簡単ですよ…。制服はばれるので大人っぽい服装をして外に出て行くんです。そしてパソコンもってカフェに入った日なんかそこら辺の大学生になった気分になれますよ。これ俺のサボりの術です」

「ふざけてるんですか?」

「いいえ。では引きこもるっていうのはどうですか?」

「そんなの親が許すわけないでしょ」

「そうですか。では俺のコテージ使いますか?」

「え?は?何言ってるの?意味わからないんだけど」

「そうですね。俺も何言ってるかよくわかりません。でもあなたがそれで逃げられて楽になれるというならばコテージくらいあげますよ。俺はどうせ使わないので勿体ないですしね」

「何それ…。お兄さんほんと意味わかんない。ああ、もう何か怒ってるのばかばかしくなってきたじゃん。考えぶっ飛びすぎ」

そう言って彼女はくすくすと笑った。

「そうですか?真剣に言ったんですけどね」

「お兄さんおかしいね。でも本当にもういいの。逃げたって逃げられないから。もう死にたいって気持ちは変わらない」

「そうですか。別にそれでもいいと思います。ただ俺は貴方に後悔しない道を選択してほしいと思っているだけです。大人になればいじめのない場所を選択できるようになるし、もしかしたら恋をして幸せな家庭を気づいたりできるかもしれない。でも必ずしもそんな幸せな未来が待ってる訳でもありません。だから生きるにしても死ぬにしても後悔しないならどっちでもいいと俺は思います」

「お兄さんは優しんだね」

「いえ、優しいわけではありませんよ」

「さっきは怒ってすいませんでした。ついカッとなって」

「大丈夫ですよ。怒って当たり前なので気にしないでください。にしてもいじめってこの世で一番意味わからないですよね」

「何ですかまた急に」

「いや疑問に感じたので言ってみただけです。だって大人数で仲間を作って痛めつけたりすることが何故優越感になるのかが意味不明ですし、スクールカーストってやつも誰が決めたんだよって話です。そもそも社会人でもないのになんでクラスで上下関係ができるのかも意味が分かりません。折角対等な位置にいて仲良くなれる存在が傍にあるのにそれを崩す必要がどこにあるですかね?」

「舐められたくないとか、自分が上の立場にいたいとかそう言うこと思っちゃう人が世の中にはいるんですよ」

「そうですね。まあ俺もそう言う考えだとは分かってはいますよ。でもなぜそう思ってしまうのかは理解できないんですよね。そもそも他人なんてどうでもよくないですか?自分が大切だと思う人だけ仲よくすればいい。嫌いな人に構う理由がよくわかりません。いじめている意味って何なんですかね。たいていの場合はいじめられている人は何もしていないことが多いでしょ?人と違うからって理由でいじめられたり。というかそもそも皆同じじゃないじゃないですか。勝手に自分の普通を人に押し付けて、枠から外れた人をいじめることで悪を成敗した気にでもなってるんですかね。いやお前何様だよって感じですよね。自分が偉いと勘違いしているとかただの痛い奴って気づかないのかなって思います」

「そうですね。でも私がいじめられている理由は違います。嫉妬からです。ある男の子と付き合った日からいじめられるようになりました。その男の子はそれを知って止めてくれたんです。しかしいじめは悪化するばかりで、彼は私に謝りました。助けられなくてごめんと。もう見ていられないと。それから彼とは別れました。でも別れてもいじめは止みませんでした。彼はその後も助けてくれましたが自分のせいで私を傷つけることになったと強く自分を責めました。そして彼は一年前、ここから飛び降りて死にました。俺がいなくなれば解決するからと遺書には書いてありました。でも解決なんてしませんでした。彼が死んだのを私のせいだと言われさらにいじめられるようになりました。私が罰を受け続けることが彼を死に追いやった罰かもしれないと思いました。でも、もうそれもしんどくなりました。いじめよりも彼を死なせてしまったことや彼がいない世界を自分だけ生きていることにもう正直耐えられないんです」

そう言って彼女の目からは静かに涙がこぼれていた。

「そうだったんですね…。すいません。思い出させてしまって。でも勘違いしないでください。貴方が彼を殺したのではありませんよ。それだけは断言できます。貴方は彼を選んで、彼も貴方を選んだ。そのことに誰一人文句を言う筋合いはないでしょ。だってただ恋をして両想いになっただけじゃないですか。それが罪だというなら世界中罪人で溢れかえりますよ。だから貴方が罰なんか受ける必要もありません。彼が死ぬ必要も本来ありません。いじめた人が彼とあなたを殺したんです。貴方と彼は何一つとして悪くありません。そして最後に一言、偉そうですが言わせてください。よく今まで頑張ってきましたね」

そう言うと彼女はその場にしゃがみ声をあげて泣いていた。そんな彼女の姿を見て、俺は死んだ彼のことを羨ましく思っていた。

まずは皆さん、ここまで続けて読んでいただきありがとうございます。

まだまだ序盤なのでつまらない所もあるかもしれませんが、頑張って盛り上げていこうと思いますので引き続き読んでいただけたら嬉しいです。

いじめダメ絶対!!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ