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引き籠もりの私にイケメン義兄が出来ました

作者: 蹴神ミコト



外に出るのが恥ずかしい。



切っ掛けは些細な事だった。学校で先生を「お母さん」と呼んでしまって周囲から笑われただけ。

でも、それからちょっとしたことでも…恥ずかしくなってしまった…


笑われたりしないかな?笑われるような失敗しないかな?

人間だもの失敗したっていいじゃないか。私はミスには寛容です。

でも失敗の後って恥ずかしいから…



私は中学2年生にして引きこもりになってしまった。

ごめんお母さん、明日からは、来週からは、3年生からはきっと学校に行くから。


中学2年生の1月半ばから始まった引きこもり生活はそろそろ一カ月を迎えようとしていた──






コンコン




部屋の扉が叩かれる。

お母さんと2人暮らしなので間違いなくお母さんである。


『恥ずかしいから引きこもります』なんて情けない私を愛してくれるお母さん。

いつもありがとう、そしてごめんなさい。

来年度からは必ず学校へ行きます。


どうすれば行けるようになるか具体来な計画は一切無いのですが…

うう、そう思うと顔を合わせづらい……



ガチャッ


「お、お母さ………!?!?」





へやのまえに、金髪長身イケメンがいた


知らない男の人がなぜか家の中にいる。

母しかいないはずの家に知らない人がいる。

知らない男の人がええええええああああああああ




「あれ、ずいぶん驚いているけどもしかして俺の事聞いてない?君のお母さんの再婚相手の連れ子…義理のお兄ちゃんの明彦だよ。これからよろしくね。」


「再…婚…?」

あの、私それ、一切聞いていないのですが




「再婚って、本当…ですか?」


「ほんとほんと。これ君のお母さんから預かっている手紙ね。」




『詩織へ』

うん、お母さんの字だ。



『お母さんはあなたの助けになりたいとずっと思っています、ですが最近ではお母さんへの態度もだんだんとぎこちなくなっていくあなたを見ているとこのままだと恥ずかし引き籠りが悪化していく未来しか見えませんでした』

お母さん…ごめん、私もそう思う…



『なので再婚ついでに相手の連れ子、あなたの義兄になる明彦くんがとても内面イケメンだったのである計画を実行します』



『イケメン義兄とイチャイチャ2人暮らしで恥ずかしさに慣れよう大作戦です。一カ月帰らないので安心してイチャイチャしまくってください。私も新しいお父さんとイチャイチャしてきます。 母より』



「お母さああああああああんんん!?!?!?」


「はい、これルール」



イケメン義兄明彦さんから紙を渡される



ーーーーーーーーーーーーーーー

★詩織と明彦くんのルール


・詩織が心から嫌がることはしない

・「はずかしい」って理由での拒絶は無視をしてよい

・成人指定にならない範囲でイチャイチャすること


【備考】

明彦くんは高校1年生、詩織とは2歳差なので将来ゴールインしてもOKです。


ーーーーーーーーーーーーーーーー




「えええぇ……」

私って文学少女なんですよ、恋愛小説も結構読むんですよ。

なんで引きこもりの私が小説の主人公みたいになっているんですかね…



「明彦さんでも、お兄ちゃんでも好きな方で呼んでね。」

笑顔の義兄が私の顔を除くように声をかけてくる。




「え、ええと…男の人を下の名前で呼ぶのは……アレですし。かといっていきなりお、お兄ちゃんは…苗字を教えてください」


「苗字は君と一緒だよ?ちなみに大場ね。」


「あっ…」



あああやらかした再婚したならそりゃそうでしょ!

うっわ恥ずかしいことした恥ずかしい恥ずかしい消えたい…


俯きそうになる私の前髪を、義兄はそっと手をかざし持ち上げ

「かわいい顔もっと見せて?」



金髪イケメンが目を合わせてくる

私の視界がイケメンに固定される

目を逸らせばいいのに私の視線は義兄の目に吸い込まれるように――



「はい、今回はここまで。じゃあご飯用意するからまたね♪」




バタン




イケメンは扉の向こうへ去っていった。。。

ああああああああああああああうううううううううううううあああああああああああああああああああああああ


私は恥ずかしくてもう会いたくないと思うどこかで、義兄が去ってしまったことを寂しいと思ってしまい、それに気づいて心の中で声にならない叫びをあげ続けた。





この家には私と義兄の2人しかいないらしい。


なのに晩御飯の食卓にはにくじゃがにほうれん草のお浸しにと明らかに料理のできる人間の作品が置かれている。


そんな疑問が顔に出たのかイケメン義兄は微笑むように話し出した



「ウチも小さい頃に母が亡くなって親父と2人暮らしだったんだ。だから俺は料理がちょっと出来るんだよ。」


「…いつぐらいから料理を?」


「小4からだったかな。」



私、料理もやってなかったなぁ…

そういえば母の手紙に義兄は『内面イケメン』と書かれていた。

中身が顔ににじみ出たイケメンだこの人。



「よかったら両親が帰ってくるまでの一カ月で家事教えようか?」



このイケメン、私が欲しい言葉しか言えないの??

「よろしくおねがいします。」


「報酬は俺の事を『明彦お兄様』って呼ぶことね」


「他ので!!」


「じゃあ『明彦さん』でいいよ」


「よろしくおねがいします。明彦さん。」



明彦さんの料理はとてもおいしかったのでこれを学んでお母さんに喜んでもらえるといいなあ。

美味しい美味しいと声が漏れながらいつも以上に食べてしまった。

洗い物は私がやろう。さすがに。



「ごちそうさまでした」


「あ、ちょっと待ってて」



食卓の椅子から立ち上がろうとする私を止めるイケメン義兄。

義兄は立ち上がって座る私の後ろに立つ。


「美味しいってたくさん言ってくれてありがとね。嬉しかったよ。」

後ろから抱き着いて耳元で返礼はやめ、やめな、やめて!!!!



結局、私が食卓で固まっている間に洗い物は義兄が終わらすのであった。





ベッドの中で今日1日を思い出す。

どうして私は初対面の男性とこんなに喋れた(当社比)のかと考えてみると、初手でさんざんやられて会話ぐらいは余裕になったのだろうと思う。


この生活は色々アレだけど母の計画は正しかったのかもしれない。

うん。明日からも学校復帰のためにイチャイチャされよう。仕方ないね。




コンコン


「寝る前に少し話したいんだけどいいかな?」



ベッドから置き、扉を開けイケメン義兄と対面する。



義兄はスマホを取り出しSNSを見せる

「これを見てほしいんだけど」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

義兄 詩織と添い寝はOKですか?

母  毎晩いいよ!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


・・・・・・えっ



正面から義兄に抱きしめられる、えっ



「じゃあ、寝よっか」



寝れるか!!!







どうしよう、義兄の腕の中めちゃくちゃ寝やすくて熟睡できたんですが私はもうダメかもしれない

あの人ベッドの中だと全然イチャイチャ攻撃してこないどころかものすごく優しく抱きしめてくれて安心感やばい。たぶん私が幼稚園の時に亡くなった父親を無意識に思い出すとかそんなんだと思う。





~半年後~


結局、中2で引き籠った私は中3から学校へ行くぞと決意していたもののイチャイチャ以外にも背中を押してくれた義兄のおかげで3学期中に学校に復帰できた。


ミスして恥ずかしいと思う気持ちはほぼ消えてしまった。ミスのたびに義兄が「誰だって失敗はする、成功率が上がればいい。」とか前向きな言葉をかけてくれつつ撫でたり抱きしめたりしてくれたのでなんかもう色々吹っ切れましたはい。


中3に上がった私は学校見学にイケメン義兄高校の文化祭へ来ていた。

義兄のクラスの出し物は…喫茶店?




「すみません、大場明彦さんはいますか?」


ざわっ



なぜかクラス内がざわつく

「大場ーなんか可愛い子がお前呼んでるぞー」

「えっ、ファンクラブの不可侵条約…まさかあの娘が例の義妹さん?」

「「「「大場の義妹!?」」」」


教室内にいた人全員集まってきたのかなってくらい人が集まってしまった。

どうしてこんな大事に…あ、すごい。驚いているけど恥ずかしさとか無いや。

さすが義兄に調教された私。


送れて義兄が人の壁をこじ開けるように現れる。


「あの、明彦さん。私はなぜこんなに注目を浴びているのでしょうか?」

「知らなくていい、マジで知らなくていい話だから気にしないで。」


この半年で初めて見る義兄の焦り顔。


「それは『恥ずかしいから』触れてほしくないのですか」

「ま、まあ、そうだな」



「私と明彦さんの間には「恥ずかしい」が理由での拒絶は無効なんですよね」


キャァァァァァア!!



「そうよね!じゃあ色々話すね!」

「いやあネタ晴らしの機会がくるなんて!」

なぜか盛り上がる教室、特に女子。

なぜか語りだす教室、特に女子。




「イチャイチャ1カ月生活は明彦君が君を外に出すために計画してご両親に話を通したんだよ、ルール作成は相談されていたクラスの女子が頑張りました!」



「明彦くんはあなたに会うまで『ヘタレイケメン』って呼ばれてたんだけど、義妹を外に出すためにヘタレを抑えてイケメンテクニック学びまくったんだよ!」


「女子は『女の子を落とすイケメン技』を提案するたびにお礼として明彦くんからそれをやってもらえてたんだよ!でも明彦君ヘタレだからやってる側がすごく恥ずかしがっててすごく可愛かったの!ファンも増えたし同人誌も書いたよ!」


「せっかく教えたのに『目を合わせられて恥ずかしくて逃げた』とか『添い寝したらイケメンテクニック』何も使えませんでしたとか失敗談いっぱい聞かされててね、もうみんなでめっちゃ応援してたの!」




……え、このイケメン義兄。ヘタレだったのに私を外に出したい一心であんなことを?

自分もメンタル弱いのにもっとメンタル弱い私のために頑張ってたんですか??



「あの。明彦さんは私を外に出したい一心で、私のためにイチャイチャしてくれたんですか?」


「さ、最初は…そう、だね…」



ものすごく挙動不審で返答するイケメン。言いづらこと?

いや言いづらいとしても今までの義兄ならこんな反応はしない。これが素?

えっ、この素で私のために頑張ってくれていたの??

あっやばい、すごくキュンときちゃう。



「最初はってどういう意味ですか?」


「・・・・・・」



目をそらし完全に沈黙する兄。

代わりに女生徒たちの方から聞こえる声




「最近はもう『義妹がかわいい、結婚したい』ばかり言ってたんだよ明彦君。イケメン技も義妹以外にやりたくないって募集終了したし。」



「・・・・・・」

「・・・・・・」


「明彦さん」

「・・・はい」


「あと1年待ってくれたら18と16なので結婚できますよ?」



キャアアアアアアアアアアアア!!!!!



「恥ずかし引き籠りしてぇ・・・」

「わかりました、明彦さんが外に出れるように・・・明日からは私からイチャイチャしますね。」



キャアアアアアアアアアアアアアア!!!!

クラス中からの黄色い祝福を浴びながら、文化祭デートと後夜祭告白まで楽しんで最高の1日でした。


告白でめちゃくちゃヘタレたけど自分から言うって頑張ってくれたところとかマジ最高でした。

あなたの勇気は私を幸せにしてくれました。これからもよろしくね明彦さん。

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