レイカ
「突然ですが臨時のニュースが入ったのでお伝えいたします...、昨夜第6番街にて焼失した電車型のナイトメアの残骸がハンターにより発見されたの情報が...」
〜病院〜
私は生きていた。
それも、全身に胃酸の様なものを浴びたであろう私の体は奇跡的に完全回復し、今では普通に生活できるレベルにまで回復していたのだかた驚きだ。
あの状況からどうやって生き残れたのか自分でも正直分からない。
ただ分かるのはあの日、私はこいつに助けられたという事だけだ。
(こいつとは失礼な奴だな!、私にはレイカっていう名前があるんだよ!!)
「はいはい、何度も聞きました、だから覚えてますよ!」
(ムカッ!!、その態度はないだろう!!、一応命の恩人だぞ!!)
この五月蝿い思念体の名前がレイカ。
あの時から私の中に生まれた思念体の様な物だと思ってる。
結局リュミアちゃんは行方不明になったまま処理され、今では元からいなかった者として学校では扱われているらしい。
最初こそ違和感がありまくりだったのだが、人間という者は不思議な物で、いなくなった事にだんだんと慣れて行くのだった。
私でさえ今ではもういない事に慣れてしまった事が悲しく思えてならない。
「ねぇレイカ....」
(んっ?」
「人の命って軽いの?」
私の出した質問に彼女は静かに答えてくれた。
(別に...、軽いわけはないな...、だけどそうだね...、死んじまったら意味がないのは確かだ...、死んだ後にそいつの信念が残るとか言っている奴もいるがありゃ嘘だ、本当に残るのは今を生きる生者がその人の死を見て学んでいるだけさ...)
真っ当な答えに私は少し怖くなった。
いつか私が死んでしまっっとして、誰一人として自分の事を思い出せなくなってしまった時こそが人の死に思えてならなかったからである。
少し震える私に彼女は優しく接してくれる。
(まああんたには私がいるんだし、ちょっとは安心してくれてもいいぜ、何たって私はそこそこ強いからな!)
「...うん!、頼りにしてる」
私はいい笑顔で霊体にそう呟くのでした。
〜完〜