何時もの漫研部
『姉さんは落ちる時』という原作(R18作品)もよろしくね!。
「私たちの町にはこんな噂がありました...」
先輩が私を怖がらすように言葉を続けます。
遮光カーテンを敷き、今部室内を照らす光は目の前の小さなロウソクしかありません。
「『雌食い列車』と呼ばれる不可解な噂...、夜10時に女の子だけで6番街のとある駅にある赤い列車に乗り込むと、その列車に食われてどこかへ連れ去られてしまうという噂...」
先輩の声のトーンが妙にリアルで少し怖くなってきました...。
「仮に夜10時にその場に立ち寄って赤い列車を見かけても絶対に乗ってはいけません...、もし乗ってしまったら...」
先輩の迫力に私は心臓のドキドキ音が鳴り止みません。
この部室の雰囲気のせいか変な汗をかいてしまいます。
「貴女は列車に食われてこの世から退場することでしょう!!」
「ぎゃぁぁぁぁぁ〜!!!」
私は取り乱し、勢いよく近くにあったノートを先輩に向かって投げつけました。
「僕の力作が!!」
私の横にいた友達の斬夜君が何か言っていますが関係ありません。
彼の力作イラストが載っているノートが先輩に向かって飛んでいくと...。
「ルシェ!!」
勢いよく先輩の名前を呼びながら、先輩の友人でるリラさんがノートを受け止めました。
「あはは!!、ユマの反応おもしろ〜い!!」
ルシェ先輩が満面の笑みを浮かべながら私の名前を呼んでいます。
私は少しむすっとしながら先輩の方を見てこう言いました。
「ちょっ...、ちょっとだけ怖かったかな!」
「嘘乙!、ユマがぎゃぁぁって叫ぶ所しっかりと見ちゃったもんね〜!!」
「うう〜...」
目の前でオレンジ色の髪を束ねてポニテを作っている人が私の先輩『ルシェ=イシュタール』です。
先輩の大きなお胸と鍛えられた体はとっても素敵で毎日私の目の保養となっています。
「さてと...」
遮光カーテンを開きながら先輩はこう言いました。
「っと言うわけで、今度皆で6番街にあると噂されている雌食い列車を探しに行かない?、ちょっと危ないけど」
いい笑顔を浮かべながらとんでもない事を言ってくれますねこの人...。
「夜10時でしょ?、僕はパス!」
先輩の弟である斬夜君は白い髪を掻きながらリラ先輩から力作ノートを受け取って言いました。
「むっ!、弟よ!、たまにはお姉ちゃんの言うことも聞いた方がいいぞ!」
「はいはい、そうですね」
全く聞く耳を持たない斬夜君とルシェ先輩の会話は面白い。
引っ込み思案な斬夜と明るく誰とでも話せる先輩。
この二人を見ていると、姉弟でもここまで差ができるんだな〜って思ってしまいます。
「ルシェ...、私達はまだ高校生だ...、夜の10時と言う遅い時間にそんな場所に向かうなんて馬鹿げている...、それにルシェはこの前のテスト赤点ギリギリだっただろう?、勉強しなくて大丈夫なのか?」
リラ先輩が綺麗な紫色の髪を揺らしながら、紅い瞳でルシェ先輩の方を静かに見下ろしました。
「うっ...それは...」
明らかに同様の色を隠せていない先輩...、(ご馳走様です)!!。
私がよだれを垂らしながら先輩の慌てふためく可愛い姿を堪能していると、リラ先輩にこう言われました。
「ユマ、少しよだれが垂れてるけど大丈夫?」
そう言われてようやくはっとした私はすぐによだれを吹きました。
「あっ...、すみません」
「いやいい...、誰にでもぼ〜っとしたくなる時はあるものだからな...」
「そうそう!、誰にでもぼ〜っとしたくなる時はあるとね!」
「ルシェの場合ぼ〜っとなりすぎてるから少し自重した方がいいよ」
「これは手厳しい!」
ポンっと自分の頭を叩く仕草をするルシェ先輩!、(凄くいい!)
(ああ〜!!、ルシェ先輩眺めてるだけで心が安らぐんじゃ〜!!)
私が漫研部に入ったのも9割方ルシェ先輩に会うためですし、斬夜君とクラスが一緒になって仲良くしているのも彼女に気に入られる為でした。
なぜルシェ先輩に気に入られようとしているのかと言うと...。
正直言って一目惚れしてしまったからです♡。
入学式の日、彼女の姿を一目見たその時から彼女の事を気に入り、その日から計画を練って今も実行に移している最中です。
(いずれ貴女の心を掴んで見ますから...)
私はリラさんと絡んでいる先輩を眺めながらそう心に思いを秘めるのでした。