七行詩 821.~830.
『七行詩』
821.
真冬に現れるあの星座
隣り合う星でさえ それ以上近づくことはなく
この空に光が届くまでの距離も
同じものは 一つだってないのでしょう
ならばその距離で 並ぶことができただけで
奇跡のようなことでしょう
奇跡は 光が絶えない限り 目に見える形で在り続ける
822.
あの日 誰かに言われたことを ずっと気にしている
それは悩みや問題を抱え
変われずにいた 私に向けられた言葉であり
今の私に向けてではない
その言葉を何度も噛み締め
奮い立たせてこれたでしょう
立ち向かっても 受け入れても お守りとなった言葉達
823.
もしも 氷の中で 眠る貴方を見つけたら
時を止めたままの 美しい姿を
見つめ続けることができるでしょう
しかし 私はこの手の熱により
貴方を救い出し 逃がしましょう
一瞬でも 貴方の豊かな表情が見たい
自由に生きる 強さを見つめ続けたい
824.
美しさは 儚いものばかりではなく
美を留めようとする 強さでもある
ならば 人の強さに見惚れるのは
当然のことだと言えるでしょう
ただ生きることに 何を取り入れてゆくのか
何を守るために生きるのか
それが分かれば人は輝き 強くなれるものです
825.
グラスの中 溶け残る氷を 再び凍らせようとしても
元の形には戻らない
けれど 然るべき場所に 水を注げば
新しく作り直すことはできる
すぐ取り戻すことに 執着するのではなく
再び一から 築き上げることができたなら
その結晶を 大事に見つめられるでしょう
826.
誰かにも言った言葉かもしれない
誰にだって言う言葉かもしれない
貴方には たったそれだけのことでも
それが私には嬉しくて
私を押し上げる力となってきたのだから
貴方が残したもの達と
栄光の道を行く 貴方の背中に 導かれている
827.
もしも貴方が 闇の中に居るなら
貴方を引き上げようとする その手を信じてください
迷わず行けば良いのだと
押し上げる力を 私は持ちたい
そして掴み取ったことは
貴方の強さだと 信じてください
誰にも持ち得ない 強さだと信じてください
828.
もう何一つ 言葉も要らないほどに
決まった道の交差点で 今日も雑談を交わしている
貴方は誰にも負けていない
私だって負けているつもりはない
飾られた冬の 美しい道を歩いている
進み出した貴方を 誰が留めておけるのでしょう
進み出した私を 誰が留めておけるのでしょう
829.
運命は この交差点を歩いている
誰かにぶつかり 触発すると
人の歩く道を 大きく変えることがある
この町には 人を集める光があり
集まる人は 奇跡やトラブルに巻き込まれる
迷ったら 声を荒げて笑えばいい
喜びでさえ 失敗でさえ 自分の今を 笑えばいい
830.
素晴らしい一日がありました
その祝福は この日だけでなく
辿り着くまでの 長い道のりや 出会いまで
全てを寄せ集めた 花束として贈られるでしょう
貴方の周りに 音楽が途絶えないように
貴方の願いが 形となって 傍に在ることを
いつの日も望む人達が居る