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闘いの後
その後およそ15分に及ぶ格闘の末、2匹のGは床の上で動かなくなった。
彼が額にかいた汗を拭っていると、隣では急に冷静さを取り戻した園田が、
「まあ、本当は叩いてほしくはなかったんだけどねえ。」と言った。
彼が「は?」と言うと、園田は物知り顔で
「いや、叩くと中の卵が出てくるって言うじゃん?」と答えた。
さっきまで泣き叫んでいたのと同じ人間とは思えないほどの憎たらしさである。
彼は腹が立ってGを投げつけてやろうかと思ったが、不穏な空気を察したのか園田は、「すいません何でもないです。」
と言うと、そそくさと約束のアイスを買いに行った。
彼はふーっと息を吐くと、床の上の2匹のGをみつめた。
こっから先も嫌なんだよなあ、と彼は思った。