女神の選択
転生と言えば女神が出てくる!
そしてその女神はポンコツであった・・・
「おめでとうございます!アナタはワタシが作り出した世界。[ヴェルト]に転生することになりました!あぁ!なんて嬉しいことでしょう!これだけの“運命の力”がある魂は、ホントに珍しいのです。さあ!セカイを変革するのです!」
おお!いきなりテンションの高い女の人が居た!?かなり可愛い!タレ目の癒し系金髪さん足長くて綺麗。
だがしかし、デカイ!!
2メートルはある巨体である。ほぇーー
「あなたはダンジョンを守護した経験がありますね!ああっ!素晴らしい!あなたにはダンジョンキーパーになるために来たのです!転生する生物は決まりました。鼓動が高鳴るほどの期待をあなたにしているわ!多くの生物をダンジョンにて守り、育てるのです!」
オイオイ待って下さいよお姉さんや!よくわからんことを一気に言われても解からないですよ!
「おネエさんでわありません!ワタシは”ヴェール“このセカイのカンリシャです!このセカイは地球をモデルに作られており、酸素や水があります!陸地と海の比率は7:3になっていまおり大陸はほとんど繋がっています!ただ、地下に海が広がっていますので、八割が海なのですが!!ですから最寄りの洞窟に行っていただければ、サカナがわんさか取れますよ!内陸の中心でも魚が食べれる素晴らしいセカイですよ!」
ちょっと待って!そんなに一気に言われても解らないといってるじないですか!
つうか、早口すぎて全然聞き取れん!
「そんなにアセる必要はありません!今すぐにでも転生させてあげます!洞窟は海の浸食により崩れていきますので、長くは持ちません!ですが、洞窟をダンジョンとして”セイブツ”として作り出せば侵食しない!むしろ植物が根をはるように広がってります!ダンジョンと海が繋がる場所が増えれば、多くの生物に海の恵みを与えることができます!その為、ダンジョンは超寿命であり、強力な生命力もあります!ちょちとやそっとダンジョンが崩れても平気です!」
転生は聞き取れたけど、何に転生するんですかー!?
「転生で心配な外敵ですが、悪魔とドラゴンですね!とても強力な個体も存在していますので防衛できない場合は、素直に従ったほうが良いですよ!まあ、私たち神々が味方なので余程の悪意のある者しか攻撃して来ないでしょう!基本的に気をつけるのは、人間です!奴らは数が多く強欲です!神の声に耳を傾けてくれません!多すぎると他の生命体に影響が出ます!間引きが必要ですね!本当に助けなければならない人間以外は、減らすべきですね!」
ちょ!?今のは聞こえたぞ!!
人間間引くってどういうことだよ!
そんな事させるんなら転生しねえよ!!
「それではあなたは”アングランノム”の子供として転生します!ダンジョンも生命体なので親がいるのは当たり前ですね!この世界で一番大きなダンジョンなので、いい能力を受け継げたら良いな程度ですが、強力な能力付きのダンジョンとして産まれますよ!さあ!準備がそろそろ整います!この世界に恵みを!幸せを!」
説明が速い!ゆっくりもう一回言ってくださいよ!
うわ!また周りが光始めた転生もうするのかよ!しっかりとした説明プリーズ!このまま転生しても、転生しきれんわ!!女神さんやそもそも声聞こえて……
女神はさっきまでハイテンションが嘘のように落ち着き、微笑み掛けてくる。
「どうか世界の皆々を幸せにしてください」
優しい声色はさっきの早口の時とは違い、心に残るようであった。
自分が転生ために産まれる場所に行くのだと分かる。
目の前が完全に見えなくなるまで、女神から身を晒すことができなかった。
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「宮本…宮本…どうしてこうなったんだよ…なあ…返事してくれよ…」
東条が動かなくなった宮本を抱きしめながら涙を流していた。一緒に遊んだ思い出が走馬灯の様に頭の中を流れてる。
「俺はここの現場監督だ。ちょうど巡回している警察がいたから部下が現状を説明している。あまり触らない方がいいと思うんだが」
現場監督なのに汚れた作業着を着ている男が話しかけるが、東条はそれどころではなかった。
「おい。お前こっち来い」
金髪トラックのにいちゃんが現場監督を呼び止める。
東条から少し離れたところまで連れて行く。
「あのガキのツレがああなっちまったんだから仕方がねえだろ。後は呼び止めている警察に任せればいい」
「でもこのままでは仕事が終わらん・・・」
「はぁ?!テメー何言ってんだ!人が死んでんだぞ、ふざけた事言ってんじゃねえよ・・・」
トラックの兄ちゃんは現場監督を睨みつける。
近くにサイレンを鳴らしながらパトカーを止まめ、車からおりる。ドアを閉める音がバンっと響く。
急いでこちらに警察が向かってくる。
「おい!君たちやめなさい!検察が来るから離れて!
それと事情聴取するからパトカーに集まってくれ。ここの工事の責任者は誰ですか?」
「それは俺です。」
「作業を止めるように、指示を出して下さい。勝手に帰ったりとか何処かに行かないように」
「ああ、あの作業者達には強く言っておきます」
(くそっ!なんでこんな事に。これじゃあ仕事が終わらないじゃないか!くそが!!)
作業監督は社畜だった。
そもそも作業員が少ない中、無理に作業させられていたのだ。
その上連絡も無く仕事に来ない作業者もいるので、指示を出すはずの監督者が走り回るはめになっていたのだ。
ドオォォォォォォン!!
また大きな音が響いた瞬間また地震が起きる。
「何だこの音は!」
「さっきもこの爆音が響いてましたよ!!」
「私はきこえていなかったぞ!」
警察官が初めて聞いたという顔をしている。
さっきも花火が打ち上げられたような音がしたのに
全く聞こえなかったらしい。
(どういう事だ?この揺れと地震がさっきもあったんだ!情報をある程度聞いていないのか?)
ふわっと淡い光が地面から溢れ出す。
地面をみると幾何学的な模様が10メートルほどの範囲に広がっていて、その上に自分達が立っていた。
「おい!これどーなってぇぇー・・・・・・
声が聞こえなくなると光も消えて、そこに立っていた人達もいなくなっていた。
巻き込まれなかった人たちは目の前の人が消えて混乱し、工事どころではなくなり
ここの計画自体が白紙になったのはもう関係のない話だった。
自分が知らぬ間に偉業を達する(家から出ない)
無間地獄の管理者(自宅警備員)
異世界のダンジョンとして転生(お前が自宅になるんだよ!)
数人転移して異世界に行くぞ
未だ名前を考えたいないキャラがいる!