表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/8

変更されていた運命

天国ではファンタジーは無い

光る雲の中に入ると視界が真っ白になり、今自分が上に向かっているのか、下に向かっているのか分からなくなる。

しばらく真っ白な空間にいると死神の足元が見えてくる。下の雲が開けて淡い光が満ちた場所で地面の代わりに柔らかそうな雲が見渡す限り広がっている。

死神は乱れた短めの髪を手櫛でととのえている(可愛い)


なんだここかなーと周りを見回しながら死神が髪の毛をけしけしと整えたり。

さっきまで朝日が昇りかけの時間だったのに、今では

夕焼けの柔らかい赤色になっている死神のほっぺたのように。


「きみさっきからぼくのことみつめすぎだよ。もうすこし天国にきょうみもとうよ」


むすっとしたようなも良いなーと思いながら死神を見ていると死神の後ろの方に建物があるのに気づく。


「やっときづいたー!あそこで閻魔さんとおはなしするんだよ」


ましでか?!あのデカくて怖そうなヤツじゃないの?

偉い人に会いに行くとか緊張で気持ち悪くなって吐き気が・・・


「魂だけだからそもそもきもちわるくならないよ。それに死神であるぼくのほうが神としてえらいんだよ?」


まじでか?


「ん?うんほんとだよ」


何が「ん?」だよ。可愛いじゃねえか。

まあ、こんな可愛い子の部下?だったら怖いことないかな。


「それじゃーいくよ。かかないといけないしょるいがあるからね」


なんだ役所みたいだなそれ



ーーーー


建物の中では窓口に行き書類をもらい、名前、年齢、生年月日、住所、緊急時の連絡人などの記入欄がある用紙をもらいカリカリと我ながらどうやってペンを持っているんだと、心でツッコミをいれながら記入する。


「ご記入に不備はありませんでした!用紙とこちらのカードをもって待合室でお待ちください。時間になりましたらカードに書かれた順に呼ばれますので、順番が来たらあの目立つ別館の方に移動をお願いいたします。」




ありがとうございます!!

鬼娘ありだなツリ目気味で顔もキリッとしているけど細く締まった身体は美しく花がある。あの角触らせてほしいなー


はっ!!違うそうじゃない!完全に役所だよこれ!前世でよく来たよここに似た場所!もっとファンタジーな感じにしろよまったく。

てか、なんで鬼がスーツ?和服だろがそこわ!


「もんくいうわりには、しつかりおちゃまでのんでるじゃないか?」


いっ?いつの間に待合室に!これがキンクリ!おそろしいry


「じゃあぼくはここでさよならだよ。また、やらないといけないこともでてくるし。あとはじぶんでできるよね?」


え?ましでか!短い間ながら寂しいのですが。なんなら心細いのですが!


「ほかの魂たちはもうひとりできているし。あとは、はんこおしてもらうだけだから。」


それだけ言うと「ばいばい」と手をヒラヒラ振りながら待合室を出て行く。


未だ話したいことも聞きたいことも全部放置プレイ。投げっぱなしかよ!いくら可愛いからって許さねーよ!

魂だけで身動きがしにくい追いかけられない!


全力で追いかけようとしても死神の軽やかな動きとスピードに絶望を覚える。


もういいやお茶飲んどこう。


魂だけになったから感情の起伏が激しいが、欲求が全然湧いてこない。

執着心がないからか、すぐ追いかける気がしなくなった。


お茶うまー


だが目の前の欲求には忠実らしい。

我ながらどうやってお茶飲んでんだろこれ?




ーーー




「十三番のカードをお持ちの方ご案内いたします。

さあ手にお乗りください」


お願いします。

ヤベェよ次はイケメンの鬼が来たよぅ

ここの役所顔面偏差値高過ぎだろがよ

なんかコレジャナイ感がある雄鬼はもっとゴツいイメージがあるんだが、手足がスラッとしていて細身である。つかこんな美しいのじゃなくてコミカルな見た目の奴にして欲しい。無い心臓がバクバクして緊張で死んでしまいそうです。


あっもう死んでるか


死神ちゃんが言っていた閻魔大王とはどんな神いや仏なのか気になる。やっぱり赤いのだろうか?


鬼イケメン兄さんにそのまま運ばれながら大きな建物に連れて来られる。

見た目は中華風の建物で赤い。大きな入り口には扉はなくそのまま建物の中まで見える。

中には巨人の様にデカイ人影がおり、それに見合う机が用意されている。

そのまま近づいて行くと青黒い肌に赤い大きな布をこしまきしたように身につけ。上半身は裸で黄金の首飾りをしている。その首飾りは多くの装飾品がついており、ミゾオチ辺りまで届いていた。


なんか閻魔大王って赤くて着物のようなのを身につけてると思ってたんだけど。


「名前を間違えているぞ楽園(地球)より来た魂よ。私の名前は秦広王(しんこうおう)だ。亡者を裁く十王の一仏(ひとり)よ」


おぉ?話し方に反して、顔つきも含めてコミカルなポップな見た目をしてらっしゃる。

さっきまで乙女漫画に出てくる美男女ばかりだったが、閻魔王もとい秦広王は少年誌から出て来てもおかしくないな。野菜宇宙人のバトル漫画に出て来そうである。


「いつも怖がられてばかりでな。そう言ってくれると嬉しいぞ。」


シカメ面をを緩めてニカッと愛嬌のある笑みを見せる。

この仏さっき裁くと言わなかった?話が違うんだけど!ハンコ押すだけじゃないの?!


「落ち着くが良い楽園の魂よ。裁くのは悪業を重ねた物のみよ。」


マジかよかったー。ゲームでよくPKしてたからダメかと思ったーー


「どの様な小さな悪業でも裁くぞ」


マジですか?


「本気だぞ。」


本気と書いてマジと読むとか気合い入りすぎですよ。


「精密電子機器を相互接続した、世界的な情報通信網を使用した他者への嫌がらせ行為は。凄まじく苦い青汁地獄の刑だ。今までの不摂生な行いも刑に含まれているぞ。」


そんなーー!!いやだーー!!

地味に本当に嫌だな。まあ軽い地獄?なのかな?

死神は判子貰ったら終わりだと言っていたんだけどな・・・


「ああ。私の方を閻魔王と呼んでいた死神か?奴は馬鹿だから我ら十王の名前を全員閻魔王と呼んでいるのだぞ!そもそも閻魔王の奴。何故あんなマヌケ面が知名度が高いのだ?」


死神ちゃんにアホ補正がかかった。

つうか、閻魔大王以外に9仏いるんだ。初めて知ったな。そして、秦広王がションボリしている。


描写があるアニメとかマンガがないし、一般人が知らんのも仕方ないよね。

おっと秦広王が睨んでいる。なんかすごく怒ってらっしゃる!?そんなに気に食わなかったの?!仕方がないじゃんかホントのことなんだから!!あ、やべ


「そうだな仕方がない事だ、気にして無い。そうだ、お前の人生(りれきしょ)を詳しく見て無かった!よくよく目を通してやろう!」


秦広王が目を皿のようにしてよく見ている。

なんだ感情的だけど、真面目なんだなーと適当に観ていると


「むむ!これは商いの妨げをしているな!しかも三つの商いをだ!!これは厳しい罰を与えんとな。はあっはっはっはっはあぁーー!!」


なんか笑い始めた?てっ!おい!いきなり真面目にし始めたと思ったら罪状調べてた!?なんだよ八つ当たりじゃねぇえーーかぁーー!!


「ふんっ。お前が私を嘲るような真似をしたからだ。それに実際に罪状があるのだ言い訳はできんぞ?」


なん、だと!?神様なんでしょ!寛大なる心でお願いします!!間違えた仏だった。


「私には三つ嫌いなものがある。それは、物を必要以上に欲しい貪欲。我可愛さゆえに背く者に憤怒する自己中心性。そして、愚痴ばかりを言うやる気のない無明者、即ち馬鹿が嫌いだ。もう一度言う馬鹿が嫌いだ。」


馬鹿ですと?!・・・ぐぬぬぬ。思い当たる事が多いから言い訳できん。


「そもそも何だこの怠惰たる生活は!?お前には目標ややる気が無いのか?趣味や遊びでも良いから、何かしなかった?」


説教が始まってしまったよぐぬぬぬ。

何かやりたいと気持ちでは思っているんだけど、何故かやる気が出ない。そんな経験皆んなにも、あると思います!アルト思イマス!!


「なんだこの中途半端さは?もう少し没頭しても・・・・・」


ん?なんだか難しい顔をし始めたぞ?説教が早くも終わりかな?


「・・・何だこれは!!運命が壊変されているぞ!!どうなっている!!」


立ち上がり手元にあった人生(りれきしょ)を食い入るように見ている。


「お前の”運命の力”はこんな所で終わるものでは無いぞ。何故お前は魂から解放された?」


秦広王が自分に問いかけるように声を上げていた。


え?それって、あそこで死ぬはずじゃなかったの?


魂だけの声の出ない身体では何の音も響くことは無かった。



あの世の裁判官。十王の一人、秦広王様です。閻魔王様と同じ職場ですね。みんな覚えてあげてね!


詳細

十王じゅうおうとは、道教や仏教で、地獄において亡者の審判を行う10尊の、いわゆる裁判官的な尊格である。数種の『十王経』類や、恵心僧都源信の『往生要集』に、その詳細が記されている。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ