お迎え
未だ始まらんです。
「やあ。こんばんわ。私のこえきこえるかい?」
手をヒラヒラしながら声をかけてくる可愛い子がいる。何この子可愛すぎて心臓バクバクしすぎて、口からハートが出てきそう。比喩的にも物理的にも!
「わーお。かなりグロテスクなごあいさつだね」
とても優しそう。とても柔らかな物言いで癒される。
「そーだよ。たましいがまよわないようにみちびいている私はじひぶかくてやさしーんだよ」
ほわほわした気分で聞いていたが魂を導くとか痛い事を言い始めいている。中学生にかかる病気かな?
顔しか見てなかったけど、よく見たら服装が全部真っ黒だ。カッターシャツとズボン、しかもマントを羽織っている。
黒一色
このまま邪気眼だな邪悪なるものの末裔など話し始めたら、優しく諭さねばならないだろう家でみっちりとな(使命感)
「いえまでかえるほどうごけないよ。もしかしてだけどにくたいから解放されたのきづいてないの?」
おっとさらに使命感が強くなって来た。敵意がないことを示しながら、保護せねばと優しく手を伸ばそうとして動かないことに気づく。
何これ移動できるけど足が動いてる感覚も手の感覚もない?
あれ?声出てないぞ!
「ほら、したをみてごらん」
すごい嫌な予感がする周りの風景はさっきの工事現場。だがすこし目線が高い。そして、聞こえにくいが下で多くの人の声がする。
下に目線を向けるとそこには血まみれで倒れているの自分と号泣しながら抱きとめている東条の姿が見える。
え?え?え?え!!?
なんなのこれ・・・
頭が真っ白になってこれ以上の表現が出ずにいると。
「これでだいたいさっしがついたよね。さあおいで私が天国まであんないしてあげるよ♪」
えーー!!!マジなご臨終なの!!!復活の呪文は?!!スポーン地点の家に戻らないの?!!
「ないよ。にくたいから解放されたものは、神のもとにいちぶをのぞいて帰っていくらだよ。復活はしないんだ」
来世ワンチャン無いの!!?転生チーレム無双無いの?!!
「ないよ。死神である私が迎えにきたんだからそんなまちがいは、おきないよ☆」
え?死神なの?怖えぇぇ。よく見たら宙に浮いてるし小さめの鎌を持っているよこの子!ガチな方の子だよこの子、可愛い子とか男の子でも女の子でもどちらでもいけそうな子とか!
子を思い浮かべ過ぎたせいで大いにこんらんしている
「わからないことは、天国でいくらでもおはなししてあげるからね。じゃあじゅんびするよ」
鎌をこちらに向ける
ヤバイよそれ!ヤバイよヤバイよ!!
全力で抗いはじめる。
「だいじょうぶだよ、きみがいめーじしているのとはちがうよ。魂だけになっているきみの形をきれいにととのえるのに使うだけだから」
そして、まるでリンゴの皮を剥くように魂だけの丸いこの身体(混乱)回しながら鎌で削り始める。
2秒ほどでやめて「おわったよ」と死神が話しかけてくる。
なんかアッサリと終わってよかったような、コレジャナイ感があるような複雑な感じである。
「さあ穢れもとれてきれいですっきりしたところて天国へごーー!!♪」
死神が(可愛い仕草)腕を上に突き上げながら、らんらんるーと楽しそうに声を出す。そのままマントをはためかしながら雲に向かって飛んぶ飛ぶ。すごいスピードで飛ぶ。
うわあああぁぁぁぁあーーー!!!!
無理やあああぁぁぁぁあーーーー!!!
絶叫マシンが嫌いな自分は、泣き叫びながら黄金色に輝く雲につれていかれるのだった。
涙が出ない身体だが涙が出たような気がした。
いや絶対出た。
少し長いプロローグ