12話
そんなこんなで数日
王都方面に歩いてくると何やら近づいてくるものが索敵に引っかかった。
街道方面ではなく横の森の中から突っ込んでくる。
またもやテンプレの襲われる女子に性欲の野盗か?
単調な旅なのでイベントとして歓迎しましょう。
進行方向から少しずれて森から出てくるあたりで待ってあげた。
ほどなくして森から出てきたのは、女の子らしい。
こちらに向かって駆けてきた
「助けてください追われているんです」
一瞬あっけにとられる。服装に目が行く。腕には皮の小手、足はショートブーツ。それはいい。基本的なこの世界の森に入る装備だ。だがそのほかがなんというか服は白地の夏用セーラー服、スカートはほぼミニ。黒髪にツインテールである。
その少女(と思う少なくとも恰好からそれ以外に見てはいけない)の姿から思考が止まる。
どうやらイリスフィアも何も言えないのか反応がない。
固まっている間に森から追跡者が姿を現す。
身長は3メートルほど上半身は人型だが下半身は4足。ケンタウロスの下半身をオオカミにしたような形である。全身は木でできており質感はデッサン人形をほうふつとさせる。
『ウッドゴーレムです!見た目以上にパワータイプなので気を付けてください』
跳ね飛ばしに来たので少女を抱え紙一重でかわす。
ナイフを変形させ槍にする。今回は戦闘用ではなく槍投げにつかうように細い流線形だ。
こちらに向かって一直線に走ってくるゴーレムに向かい投げる作戦だ
『ゴーレムコアは身体の正中線上のどこかに存在しています。そこを狙ってください』
槍投げって命中が難しいんだよ?魔力を充填し授業でやったフォームを思い出しながら投げる。
槍投げって本格的な戦闘用途であったらしくスキル補正が働いたのか見事に命中
人型の獣型の接合部にあたると同時ゴーレムは爆散した。
『ゴーレムコア欲しかったんですが・・・』
先に言えよ。まあもしかしたら壊れてないかもしれないから探すか。
とまあその前に追いかけられていた少女にひとこと言わねばならない。
向き直ると爆発したことにあっけにとられている。
近づいていくとこちらを向く。まあそこそこの美少女である。
「チュートハンパなコスプレすんな!」
ツッコミチョップを入れて開口一番そういった。
なんでセーラーム〇ーンコスプレで森から出てくるんだよ。
てかそういうのは小学生だからほほえましいのであって。黒髪ツインテなんて誰得なんだ?
とまあ思いのたけをぶっちゃけてみた。
気づくと涙をぼろぼろこぼしこちらを見てる。ヤバイ?なんか言いすぎてた?
急に飛びついてくる。とっさのことで受け止めるしかできず後ろに倒れる。
「やっと同郷人にあえた~~~!」
馬乗りになって抱き着きながら泣きじゃくっている
引きはがしたいんだけど力いっぱい抱き着かれてるしミニスカートで馬乗りになられてるしどうしようもない。泣き止むまでしばしその恰好を余儀なくされた。
『・・・・・』
役得なんて思ってないよ?健康な男子だからしょうがないんだよ?
魔物データ
ゴーレム
無生物の人形に起動魔道具「ゴーレムコア」を入れることにより動き出す。
ゴーレムコアには正4面体、正6面体、正8面体、正12面体、正20面体が存在し
多面体になるほど高機能な命令をこなすことができるレアアイテムとなる。