10話
残酷描写あり〼。不快と思われる方はご遠慮もしくは苦情をお願いします。
町の反対に4人くらいまとまって入ってきたようだ。
おそらくあいつらだな。ボス(仮)のほうに向かって真っすぐ移動。そのまま間をおかずにまとまって町のこっちに移動してきた。
移動は11人。アレ?増えてるよ?。
人質でも取られたら面倒だな。犠牲者が増えてしまう
『助けてあげるという選択はないんですね』
あきれて言われてしまった
うまいこと行けば助けられるだろうけどね、犠牲覚悟のほうがいい結果になるだろうしな
森に入ってゲリラ戦も選択に入れてたけどやむを得ない待ってみるか。
あれ?5くらいがやたら先行してきた。
獣?どうやら犬っぽい。狩りでもしてるのか?
『ハウンディハウンドのようですね。軍用大型犬として結構よく見かけられますよ』
犬かぁ、犬は殺したくないんだよなぁ。昔から動物になつかれたことなかったし唯一なついてくれたのが
学生時代のダチの飼ってた犬だけだったからなぁ。
五頭の犬が扇型に取り囲む。この距離だと五分ほどで後続の人間も追いついてくるだろう。それまでに片付けなきゃいけない。
訓練されているようで見事な連携で襲ってくる左右から同時ずらして正面。
腕を狙ってくるのを後ろに倒れるようにかわすそのまま手を突き体をひねるように蹴りを出す。
ちょうどバックステップでブレイクダンスしているような動きだ。しかし実際には【闘士の王】のスキルにより格闘技能として昇華してあるので実際はトリッキーなカポエイラという感じかな
およそこの世界の人間の動きではないので一寸動きに戸惑いが出ている
きれいに二頭のマズルにクリーンヒット。そのまま脳震盪でも起こしてくれたようで残り3頭。
「変形」
両手のグローブを上腕まで覆う形「ガントレット」に変形させる
二頭が突っ込んできた。それぞれに向かい腕で回避
防具であろうと噛み砕く自信があるのだろう
その腕を噛み千切ろうとしてくる
かまれる直前ガントレットに刃をはやす。
自らの力により脳天を突きさされた犬二匹はその勢いのまま転がっていく。
「力入れてるとこのくらいの勢いって防げるんだ」
多分大きさと勢いから片腕車に引かれたくらいの衝撃と思うんだけど意外と頑丈だねぇ。
『気を抜けばもちろん弱いですよ、スキルと地力、気力の相乗効果です』
流石ドラゴン製の体耐久力はけた違い
残りの犬はどうやら気圧されてくれたようだが、戦意喪失とまではいかない。
ナイフを構えるが襲ってくる様子がない
野良と訓練犬のちがいだね。きちんと自分の本分をわきまえている
「なんだこりゃ?4匹も倒したってのか?ナイフだけで!」
追いついてきたヤツラの一人が言った。来たのは7人どうやら斥候の一人も合流してるっぽい
「何の用だい?犬までけしかけてきて」
「魔狼種を犬扱いだと?!」
なんか後ろの魔法使いっぽい人がつぶやいて睨んでくる
え、犬って説明受けたから犬じゃないの?そもそも現代日本じゃオオカミって言ってもみないし、見れてもハスキーくらいじゃないかね?見分けなんてつくわけない。
バカな考えを余裕ととられたのか最初の男が問いかけてくる。
「兄ちゃん、うちのチームに入らねぇえか?そしたらハウンドの損害分くらいは大目に見てやる」
頭に虫沸いてるんじゃないか?そもそも被害者はこっちだろ?殺しかけて、犬けしかけて、挙句の果てに言いがかり。ここまで頭悪い人間には会話の必要がないな。
それとも何か?断れないとでも思っているのか?
てなことを淡々と言ってあげました。
鼻で笑って余裕のヤツラ。どこに余裕があるのかね?
「この人数に勝てると思ってるのか?俺たちゃ勇者様の部下なんだ。逆らえばどんな目に合うかわかってるんだろうなぁ?」
「わかった。交渉決裂で」
言うと同時に一歩踏み込む手にはあらかじめ握っていた石ころを踏み込むと同時に
長槍に変形。石突の部分でこめかみを打つ。不意の長物で対応できないのかクリーンヒットで倒れる。それを合図に残りも襲い掛かってくるがそもそも得物の間合いが違う。
剣と槍では基本同技量であっても槍の間合いの優位性は変わらない。
この世界って槍はあまりメジャーじゃないのか銛のよう突くしか使用方法
がないんだろうか?
乱戦用にグレイブを出したのは遠心力による斬撃が優位に働くためなんだが。その円の動きすら
あっけにとられているかのように不用意に突っ込んでくる。
ソード持ちは剣で受けようとしてそのまま叩き切られ、ナイフ使い二人(おそらく斥候の人もこちらか)は突いた後の隙にもぐりこんで来ようとするんだけど。武器は洋式でも使い方は薙刀なので斬る、突くの間合いが違うのでそうそううまくいかない。一人突きのタイミングに合わせて潜り込もうとしたが後ろ引きの鎌で一斬、もう一人は潜り込みこそうまかったけれど扱いが突きしかないと思っていたのか短く持った斬撃で終わり。
3人倒した段階で魔法使いの人が何やら召喚を完了してた。召喚士のようだな
出てきたのはクマの真っ黒な奴。ヒグマのようなパワー系って感じかね。できればパンダみたいななごみ系をお願いしたい
でもちょっと下っ端にはオーバースペック。一匹召喚で顔が青白くフラフラになっている。クマも制御が甘く突っ込んでくるだけ?
「変形」
グレイブを地面に立て穂先をクマに向ける。タイミングを合わせ先を十字槍。太さを丸太、長さを二倍、地面には固定具に変形。
折れないようにと思って作ったんだが。串刺しにどころか刺さったところから二つにちぎれてしまった。
ある意味質量兵器だなクマ。
手持ちの武器がクマに使われなくなったとみたメイス使いはタイミングを合わせ殴りかかってくる。
武器だけじゃないんだよ?入り身で振り下ろす内側に潜り込み右腕を左手刀で打ち、右手で胸の上に寸勁を発する。打ち込んできた勢いそのまま跳ね返しているのでかなりすっ飛んでいった。
召喚士はその下敷きで気を失っている。
犬は制御が離れたのか知らない間に逃げてしまった。
クマ瞬殺見たら逃げるよな。
最初に倒した男に向かって歩いていく。こいつだけは脳震盪程度にしておいたからな
メイス男の武器を変形させ拘束具付き鎖を作る右腕と左足、左腕と右足で絡まるように拘束しておく
「手が放せないのが不便だよなぁ」
『今の戦闘で経験値が入りましたのでLVは2になりましたよ?このレベルアップで矢も使用可能になりますのである程度手を放しても大丈夫なものができるかもしません』
本当だ、手を放しても鎖のままだ。
じゃあ木に吊り下げとかもできそうだ
滑車を作りぶら下げていく。ついでに召喚士も生きているだろうから別の木にぶら下げる。
さあ質問タイムだ
目を覚ました奴から順に(といっても召喚士のほうしか目覚めなかった)いろいろ質問
曰く、奴らは王都この国の王都にいる勇者【七剣聖】の配下に当たる「短剣の勇者」の部下らしい。
七剣聖は聖剣、魔剣、龍殺剣、雷神剣、炎神剣、氷帝剣、天羽剣がいて勇者勢力最大にして最強の七人ということらしい。残る剣槍系勇者もほとんどがこの配下となっている。残る勢力は魔術系勇者の勢力【四元王】ドラゴン変化使役を得意とする【龍王の志】が三大勢力として君臨している。最も魔術系勇者の中にも肉弾戦派は居るらしい。魔法戦士とか夢だなぁ。
『魔法を込めるのはおそらくあと2LVほど必要かと思いますが』
できるんだ、でも闇魔法しか持っていないこういう時はイタイ
まあ気を取り直して。その短剣の勇者からやっつけに行くか。最大勢力から落とすのはお約束。
場所は丁寧に(刃物をちらつかせながら)聞いたら快く教えてくれたのでそのまま放置で行くことにしよう
どこまでの距離、時間で変形が解けるのかの実験も兼ねてなのでまあ放置でいいな。
モンスターデータ
アースベア (クマ型魔獣)
一見すると大型のクマ。低レベルの現在は特殊技能を持たないが
成長進化すると、クラスターベア、バーストベア、ポイズンベアになる
ただし使役獣であっても進化をすると使役魔力紋を受け付けず暴走することが多いため
連続使役には向かない