救国の砦姫
翌日の昼。
俺は王城に招かれていた。
理由は、魔法の階位の計り直し。
災龍を二種類(しかも片方は両手の指くらいの数)倒した奴が20階位な訳がない、と言うことで。
あと、学園側からも要請があったらしい。
俺が授業をサボってることに対してかなりの不満があるらしいから、ここでバーンとばらすべきだと言うことで。
そう言えば俺が20階位だってこと忘れてた。
と言うわけで計り直し。
『魔力量 error
魔法出力 SSS+
第31階位魔導士』
いい加減もう誰も驚かない。
まあ仕方ないよな、パルーシャ公爵家だし、みたいな雰囲気がする。
皆さんもう慣れてしまったらしい。
「いやー。
やはりすごいな、シャルルは。
トレイズ達の目標にもなってるみたいだし」
「全くね。
さすが私達の娘だわ」
「さすがです、姉上。
所で先程もらったランスなのですが……」
「天使姉様凄いです!
あと、先程の刀なのですが……」
「さすがですね、シャルルさんは。
我が魔王軍を二週間程で鍛え上げ、更にはあの後オークの一族の一つが貴女に忠誠を誓いに来たとか」
台詞は順に、父、母、トレイズ、リア、マモン。
「所で姉上。
先程もらったランスなのですが、どういう風に使えば良いのでしょうか?」
あー、あれね。
コンゲラートの素材で作った魔砲槍。
「あれは持ち手に瓶を装填して、柄を引っ張ると先から魔法が出るんだよ。
何の魔法かはラベルを見てくれ」
「天使姉様!
私の刀ですが……」
「あれは火燼刀と一緒に使うんだよ。
まずあれで冷やしてから火燼刀で暖めると相手の剣が折れる」
そんな雑談をしていると王さまが、
「あー、シャルル。
二つ名の話だが……」
ああ、そんなのもあったね。
二つ名。
二つ名か……。
中2臭く無いといいな。
「砦姫に決まった」
おー、以外とマトモ。
この世界の人間皆重度の中2病患者だと思ってたけど。
「ありがたく拝命いたします」
恭しく礼をすると、王さまがふっと笑う。
「よし!
今夜は宴だ!
国中に知らせろ!」
辺りの貴族のおじさんたちもにやにやしている。
全く。
どれだけお祭り騒ぎがしたいんだ。
お祭り男多すぎだろ。
「さぁ!
今夜は飲み明かすぞ!」
『ウォーーー!』
明日の業務に支障が無いようにしてください。




