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異世界転生の砦姫  作者: 姫都幽希
学園偏~そして砦姫に~
37/65

本の国

 学園の建物の約1割を占めるもの、それは書庫だ。


 一列に約200冊収納出来る本棚が二百個。

 それが確か五百列位。

 床には入りきらなかった本が山積みにされている。


 総蔵書数二十五万冊以上。

 この学園が誇る世界一の書庫である。


 その一角。

 既に数十冊程の本で囲まれた机。

 俺はそこに座っていた。


「お、お嬢様……ぜぇ、はぁ、本をお持ち……ぜぇ、はぁ、しました……」


 アリーシャは既に回りの本を運んだせいでへとへとになっている。


「そこに積んどいてくれないか。

 後、ニーベル連れてこい」


 ニーベルは俺の部屋にいる砲皇の隊員の一人。

 本名はニーベルンゲン。

 もう一人はクリム。

 本名はクリームヒルト。


ーーーーーー


「お呼びでしょうか、お嬢!」


「ああ、そこにある山が既に読み終わった本なんだが、後ろの識別番号見て返してくれないか」


 既に山は100冊を越えた。

 何か最近本を読む速度まで人外レベルな気がする。

 捲って一目見たら内容が全てわかるんだもの。

 更に忘れないと言う。

 これ単体でチートに分類されても良いと思う。


 更に本を読み進めていると、外から足音が聞こえる。

 書庫の扉が大きな音をたてて開かれる。


「パルーシャ公爵令嬢!

 今日の授業には是非出ていただきたい!」


 小太りのおばさんと、髭がヤバイおじさんが入ってくる。


「確か授業は免除されていたはずだが?」


 そう、書かれていた。


「そうなのですが、貴女が受験を免除され、更に首席として入学された事が生徒の中に広まりました。

 そうなると、我が学園の公平性が疑われてしまいます。

 なので、今日の授業、模擬戦に出ていただきたいのです」


「なるほど。

 行くよ、アリーシャ、ニーベル」


「「はい!」」


 書庫の窓を開ける。


「先生方も一緒に行きます?」


「「是非とも」」


 タンと足を鳴らす。

 そして、それに合わせて俺と二人と先生二人の足元に魔法陣を展開する。

 

「『飛行魔法フライ!』


ーーーーーー


 校庭に着いた。


 後ろにはフラフラとした二人と、ゲッソリしてorzしてる先生二人。


 さて。

 これは簡単に言えば決闘だ。

 自分のポイントを掛けて相手に戦いを挑む。

 最終的にポイントを一番持っているのが勝ち。

 晴れてクラスで一番戦う技術がある『クラス委員』になる、と。


「パルーシャ公爵令嬢!

 私と戦いなさい!」


 目の前に現れたのは金髪ドリルの如何にもお嬢様と言う少女。

 その子が手袋を投げつけてくる。

 ちなみに、手袋を投げつけてくることは決闘を挑む方法。

 手袋を拾うと決闘を受けた証。


 ただし、


「え?ま、待って!

 何で畳んで返すの!

 ちょっと!

 正々堂々決闘を受けなさい!」


 手袋を畳んで返すと決闘を拒否した証になる。


「厳正なる選考の結果、誠に残念ではございますが、

今回は採用を見合わせていただくことになりました。


 ご希望に添えず恐縮ですが、なにとぞご了承くださいますよう

お願い申し上げます。


 また、あなた様の更なるご健勝とご活躍をお祈りしております」


「なによ!

 受けなさいよ!

 正々堂々!」


「正々堂々と言うくらいならせめて校庭の魔法陣位解除したらどうかな?」


「な、なぜそれを……!」


「まず、魔法陣に魔力を使いすぎ。

 この隠蔽魔術の効力で消える程度の魔力にすべき。

 それからここら一帯の妖精が魔法陣の上だけ飛んでない。

 更に魔法陣も見えてる」


 つまり、


「要するに、バレバレ」



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