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異世界転生の砦姫  作者: 姫都幽希
学園偏~そして砦姫に~
36/65

黄昏の歌姫

 寮に入るとそこは大広間になっている。

 派手すぎず、しかしちゃんとした風格のある調度品。

 カーペットの端につつしまやかにされた金色の花の刺繍。

 天井のシャンデリアのゆらゆらと静かに揺れるロウソク。


 入った瞬間に視線がこちらに集中する。

 一瞬静まり、その後少しづつ広がるざわめき。


 あちこちにいる先輩でさえ話しかけられずにいる。


 そのまま部屋まで歩いていく。

 後ろに妖精とアリーシャを連れながら。


ーーーーーー


 とある寮生視点。


 扉を開けて入ってきたのは、パルーシャ公爵令嬢。

 私たちはその圧倒的な存在感に飲まれてしまった。


 服装は黒いズボンに膝まである黒い上着。

 上着とズボンの裾にはさりげない金の刺繍。

 上着の袖は何故かとても大きく、下の方に垂れてしまっている。

 それもまるで着こなした少女の美しいこと!


 白い髪に赤い目。

 肌は白く、でも冷たさは感じない。


 歩き方ひとつから何もかもがひとつの芸術品のよう。

 こんな視線を浴びながら、物怖じすることもなく堂々と歩く。


 階段を上り部屋の扉の閉まる音がするまで、私たちはまともに喋ることもできなかった。


「ねえ、あなたは見まして?」


 いきなり先輩が話しかけてくる。


「よ、妖精のことですか?」


「ええ、そうよ!

 有り得ないわ!

 全属性のしかも上位妖精レベル」


「あれが上位妖精なのですか!」


 噂に聞いたことはあるが、本物を見たのははじめてだ。

 とても魔力の純粋で、心が優しく、姿の美しい人間の前にしか現れないと言われているのに!


 すごい、流石は公爵令嬢。


ーーーーーー


 部屋の中には砲皇の隊員の少女が二人いた。


「おかえりなさいませ、お嬢」


「上着をお預かり致します」


 上着を渡しながら言う。


「あ、今日は十人程小さなお客さんが居るよ」


「そうでしたか。

 ようこそいらっしゃいました。

 お茶とお菓子をご用意致します。

 こちらへ」


 ベランダへの窓を開けて窓枠に座る。


「どんな歌が聞きたいのかい?」


「え~っとねえ、綺麗な歌がいい!」


「え~っとねえ、きゅんきゅんする歌がいい!」


 綺麗なラブソングが聞きたいと。


 じゃあ、前前○世でいいか。


ーーーーーー


 一曲歌い終わった。


「神の愛し子、神の愛し子。

 ありがとう」


「神の愛し子、神の愛し子。

 また明日来るね」


 絶賛して頂けたようで何よりです。

 妖精って綺麗なんだけど、子供みたいでうるさいんだよな。


 さて、明日に備えて寝よう。

 明日は1日書庫に籠るんだ!


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