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異世界転生の砦姫  作者: 姫都幽希
幼少期編
2/65

プロローグ、そして、転生。

初めての投稿です。

拙い作品ですが、どうぞ宜しくお願いします。

 白い。

 目が覚めた瞬間に思った。

 壁も無く、天井も床も無く、ただ白い所にいた。

 嗚呼、何故こうなったんだろう。

 少しぼやける頭を回しながら記憶の海を漂う。

 これは、修学旅行の時。

 (以下回想。)


「いやっほう!」


 高校生活も二年目。俺は修学旅行に来ていた。

 場所は日光。

 華厳の滝の上で、俺は滝壺を見下ろしていた。

 高い所にいると全ての事が小さく思える。

 要するに、俺は最ッ高にハイになっていた。

 あのときの俺に言ってやりたい。

『馬鹿と煙は高い所に登る』

 と。

 そのときの俺は、何を血迷ったのだろう、滝壺がとても近くに見えた。

 そして、俺は何も考えずに飛び降りた。滝壺に向かって。顔から。

 産まれた時から俺は体が頑丈だった。それで、調子に乗ったんだろう。今になって思う。何故あんなことをしたんだろう?

 結果を言おう。

 無傷でした★。

 でも、先生にめっちゃ怒られた。

 体はかすり傷1つおわなかった。

 しかし、心に深い傷を負った。

 俺は旅館で夕食を食べた。

 先生にめっちゃ起こられたせいで、料理は全て冷めていた。

 イライラしてたから殆ど噛まずに食べた。

・夕食はお餅。

・良く噛まずに食べた。

 さあ、なにが起こったのか分かってくれただろうか?

 喉・に・詰・ま・っ・た★


 (以上、回想終わり。)

 俺は何がしたかったのだろうか?

 きっと太宰先生が見てたらこんなことを言っただろう。

『恥の多い生涯を送っている奴だ』

 と。

 

 そんなことを考えていると、


『あ、起きたんだ?』


 目の前の壁から白い球体が出てきた。


「誰だ?」


 とりあえず目の前の球体を睨む。


『いや~、そんなに見つめないでよ。照れるでしょ?』


 見つめてねーよ!と言うか凄いウザイ。


『ウザイとかつれないこと言わないでよー』


「心を読むな!そして、思ったけど言ってねーよ」


 この白玉(俺命名)喧しい。

 と言うか此処何処だよ‼

 天国だろうか?地獄だろうか?それとも黄泉?

 そんなことを考えていると、


『と言う訳で、良いかい?』


「ん?ああ、聞いてなかった」


『はぁ~‼聞いてなかったぁ!?じゃあ、もう一度言うけど』


 どうやら、最近話題の異世界転生らしい。


『じゃあ、詳しい説明をしよう』


1つ、転生先は剣と魔法の異世界。

2つ、転生特典のチートはなし。

3つ、転生先は貴族。


 と言うことらしい。


 うぇー貴族かあーやったーって!


「転生特典のチート無しって!俺は只の高校生よ!?殺す気か!」


『ちっとは説明聞かんのかい!しかも只の高校生!?嘘つけ‼只の高校生が華厳の滝から飛び降りて無事なわけないだろう‼』


 た…確かに…。


『もう良いよ!君のピーナッツ並みの頭でも理解できるまで説明するよ‼』


 以下説明文。


『先ず、この空間はね、起点の混沌と言って、全ての生命の形造られる所なんだよ。だから、本来は人間は此処に来ただけで空間と溶け合って消える筈なんだ』


「ならば、何故?」


『うん、君の存在が濃すぎるんだよ。まあ、元々君は僕らの実験道具だったんだ。人の魂の器の限界を測る…ね』


 白玉は話を続ける。


『当時の僕らは君という器に出来るだけ沢山の偉人たち、大罪人達の魂を入れた。その結果はご覧の通り。あり得ないほどの、それこそ完全記憶のような記憶能力。人の限界を超えるような身体能力、回復力、更に才能を持った人間が出来た』


「分かった分かった。でも、それと転生チートの関係は?」


『分かってないでしょ。だから、あり得ない身体能力と才能、回復力。全て今君は持っている。他に何が欲しいのかい?』


「あー、えっと、ま…魔力?」


『残念、この世界で使えないだけで人はもう魔力を持っている。そして、君の魔力は偉人達、大罪人達の分全て加算されている。もう、一生魔法を打ち続けても余るくらいのが』


 マジですか…


『まあ、何がつけないと五月蝿そうだから偉人達、大罪人達と話せるようにしてあげるよ』


 此処で白玉は一息つき、

『他に何かある?ないね?じゃあ、いい来世を』


 そして俺の意識は途絶え…









『はあ~。今回のは五月蝿かったね~。あ‼転生先は女の子だって言って無かった‼』


 白い空間で、白いソレはそうぼやくと、まあ良いか、と言って消えた。

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