プロローグ、そして、転生。
初めての投稿です。
拙い作品ですが、どうぞ宜しくお願いします。
白い。
目が覚めた瞬間に思った。
壁も無く、天井も床も無く、ただ白い所にいた。
嗚呼、何故こうなったんだろう。
少しぼやける頭を回しながら記憶の海を漂う。
これは、修学旅行の時。
(以下回想。)
「いやっほう!」
高校生活も二年目。俺は修学旅行に来ていた。
場所は日光。
華厳の滝の上で、俺は滝壺を見下ろしていた。
高い所にいると全ての事が小さく思える。
要するに、俺は最ッ高にハイになっていた。
あのときの俺に言ってやりたい。
『馬鹿と煙は高い所に登る』
と。
そのときの俺は、何を血迷ったのだろう、滝壺がとても近くに見えた。
そして、俺は何も考えずに飛び降りた。滝壺に向かって。顔から。
産まれた時から俺は体が頑丈だった。それで、調子に乗ったんだろう。今になって思う。何故あんなことをしたんだろう?
結果を言おう。
無傷でした★。
でも、先生にめっちゃ怒られた。
体はかすり傷1つおわなかった。
しかし、心に深い傷を負った。
俺は旅館で夕食を食べた。
先生にめっちゃ起こられたせいで、料理は全て冷めていた。
イライラしてたから殆ど噛まずに食べた。
・夕食はお餅。
・良く噛まずに食べた。
さあ、なにが起こったのか分かってくれただろうか?
喉・に・詰・ま・っ・た★
(以上、回想終わり。)
俺は何がしたかったのだろうか?
きっと太宰先生が見てたらこんなことを言っただろう。
『恥の多い生涯を送っている奴だ』
と。
そんなことを考えていると、
『あ、起きたんだ?』
目の前の壁から白い球体が出てきた。
「誰だ?」
とりあえず目の前の球体を睨む。
『いや~、そんなに見つめないでよ。照れるでしょ?』
見つめてねーよ!と言うか凄いウザイ。
『ウザイとかつれないこと言わないでよー』
「心を読むな!そして、思ったけど言ってねーよ」
この白玉(俺命名)喧しい。
と言うか此処何処だよ‼
天国だろうか?地獄だろうか?それとも黄泉?
そんなことを考えていると、
『と言う訳で、良いかい?』
「ん?ああ、聞いてなかった」
『はぁ~‼聞いてなかったぁ!?じゃあ、もう一度言うけど』
どうやら、最近話題の異世界転生らしい。
『じゃあ、詳しい説明をしよう』
1つ、転生先は剣と魔法の異世界。
2つ、転生特典のチートはなし。
3つ、転生先は貴族。
と言うことらしい。
うぇー貴族かあーやったーって!
「転生特典のチート無しって!俺は只の高校生よ!?殺す気か!」
『ちっとは説明聞かんのかい!しかも只の高校生!?嘘つけ‼只の高校生が華厳の滝から飛び降りて無事なわけないだろう‼』
た…確かに…。
『もう良いよ!君のピーナッツ並みの頭でも理解できるまで説明するよ‼』
以下説明文。
『先ず、この空間はね、起点の混沌と言って、全ての生命の形造られる所なんだよ。だから、本来は人間は此処に来ただけで空間と溶け合って消える筈なんだ』
「ならば、何故?」
『うん、君の存在が濃すぎるんだよ。まあ、元々君は僕らの実験道具だったんだ。人の魂の器の限界を測る…ね』
白玉は話を続ける。
『当時の僕らは君という器に出来るだけ沢山の偉人たち、大罪人達の魂を入れた。その結果はご覧の通り。あり得ないほどの、それこそ完全記憶のような記憶能力。人の限界を超えるような身体能力、回復力、更に才能を持った人間が出来た』
「分かった分かった。でも、それと転生チートの関係は?」
『分かってないでしょ。だから、あり得ない身体能力と才能、回復力。全て今君は持っている。他に何が欲しいのかい?』
「あー、えっと、ま…魔力?」
『残念、この世界で使えないだけで人はもう魔力を持っている。そして、君の魔力は偉人達、大罪人達の分全て加算されている。もう、一生魔法を打ち続けても余るくらいのが』
マジですか…
『まあ、何がつけないと五月蝿そうだから偉人達、大罪人達と話せるようにしてあげるよ』
此処で白玉は一息つき、
『他に何かある?ないね?じゃあ、いい来世を』
そして俺の意識は途絶え…
『はあ~。今回のは五月蝿かったね~。あ‼転生先は女の子だって言って無かった‼』
白い空間で、白いソレはそうぼやくと、まあ良いか、と言って消えた。




