15/65
少女の決意(sideコッペリア・ガードメール)
コッペリア(例の黒髪の少女)からの視線です。
私の名前はコッペリア・ガードメール。
このガードメール王国の王女。
私には兄がいる。
クロア・ガードメール。
この王国の第一王子。
兄様は素晴らしい人だ。
剣術の才能も、魔法の才能も素晴らしい。
それに比べて、私には何もない。
黒髪だから魔法は使えない。
体が弱くて剣術は出来ない。
父上と母上はそれでいいと言うけど、私も何か誇れるものが欲しい。
そう思った私は何が出来るのか考えた。
そして、図書室に籠るようになった。
とにかく知識を増やしたい。
その一心で、王国語を覚えて、帝国語を覚えて、共和国語を覚えて。
第一階層の本は読み終わった。
第二階層も読み終わった。
第三階層の本を読もうとして、出来なかった。
第三階層、王国史の最初、建国から第一次人魔戦争まで、その資料は古語で書かれていた。
私は古語を読めない。なら、読めるようになればいい。
私は紙とペンを用意して、第一階層の古語辞典を取りに行くために後ろを向くと、白髪の天使がいた。




