白髪の魔導姫と、王城
王妃様に呼び出されてしまった。
渡り廊下を歩き、その向こうにある離れに向かう。
ドアをノックする。
「はーい、シャルロットちゃんね。
プリム、開けてあげて」
「はい、奥様」
離れの扉が開き、藤色の髪をしたメイドさんが開けてくれる。
挨拶をしようとすると手で制して、
「わざわざ来てもらって悪いわね。
所で、シャルロットって呼びにくいから、シャルちゃんって呼んで良い?」
確かにシャルロットは呼びにくいだろう。
でも、シャルは可愛すぎる気がする。
中身は男だし。
「いえ、出来ればシャルルとお呼びください」
シャルルは、男性の名前だ。シャルルマーニュとか。
『我を呼んだか?』
呼んでません。
ISーインフィニット・ストラトスー のシャルロットが最初にシャルルと名乗ったのもこれが理由だ。
因みにシャルルマーニュはカール大帝の事だ。
シャルルをドイツ語で読むとカールになる。
「ホントにシャルルちゃんで良いの?」
まあ、聞き返してくるよね。
首を縦に振る。
「そう、分かったわ、シャルル」
「それで、ご用件とは何でしょうか?」
後ろでトポトポと紅茶を淹れる音がする。
「実はね、私には二人の子供が居るの。その内の娘の方が図書館に引きこもったまま出てこなくなっちゃって。
シャルルちゃんはどうにか出来るかなーって」
引きこもりを社会復帰させろと。
8歳の少女になんてめんどくさいことを。
まあ、王妃様に頼まれたら断れないだろう。
いっちょ一肌脱ぎますか。
ついにヒロイン?が出てくる予定です。




