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机の上

作者: 真田火澄

なす術無く

崩れ落ちる


○机の上○


私は、

今日何が出来ただろう

私は、

今何をしているんだろう


全てが無力に見え、

全てが無慈悲に見える。


君がいて 私がいる


だからと言って、

それが永遠になる訳じゃなく、

自分のやりたい事をやらなければ、自分が死ぬ。

そう思うんだ。

きっと、

今の私を未来の私が見たならば、

軽く鼻で笑われるだろう。


何をしているんだ と。


勇気を持て と。


今、自分のやりたい事と自分がやらなければならない事は、

面白いくらいに相反している。


この机に置かれた、

黒になりかけの白い紙。

自分なりに必死だった時間を振り返り、

他人に見られないように苦笑する。


もうすぐだ。


明日、終わる。


この苦しくて、静かで、それが美しい時間だったねと言える日。

過去を振り返るのは嫌い。

だからと言って、この時間を振り返る事は嫌いじゃない。


自分の成果がわかる日まで、

己が自負している己の未熟さを改めて突き付けられるその日まで、

私はそっと伏せていよう。

暖かい布団に包まれていよう。

それが、

私が、私にとって美しい時間だったと振り返られるための準備なのだから。



ふと、横を見た。

自分で勝手にライバルだと思っているヤツが座ってる。

まだ一心不乱に紙を見ている。


「お前にだけは負けねぇ…」


ポツリと呟いた。

ヤツに聞こえないくらい、小さな声で。


今、

自分を、

今日と言う地獄から解き放ってくれる

軽快な音楽が耳を通りぬけた。



−end−



学生にとって、テストは死活問題です。

自分で勝手にライバルとして見ている人がいる事もシバシバ。

そんなライバルに、

『今回は絶対負けねぇ』と言ってあえなく玉砕した覚えがある作者です(笑)

あまり過去は振り返りたくないですが、

あの時は恥ずかしかったなぁ……。

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― 新着の感想 ―
[一言] とっても読みやすく、共感のもてるお話でした。 私も学生の頃、よく「明日、終わる。」って、 勉強もしないくせに思ってました(笑)
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