主人公とヒロインの出会い
第1幕 雷闘と星羅の出会い
住み馴染んだ山里を出発した雷闘は、氷のオブジェが展示されている博物館を目指して、ただひたすら突き進んでいた。
この博物館は、妹の美雷と一緒に来ていた思い入れのある場所だった。
雷闘は、生前の美雷との思い入れの場所から、“美雷に関する情報の手掛かり”を探ることにしたのだ。
もしかしたら、“自殺したとされるあの日”にも、美雷がこの場所を訪れていた可能性が否定出来ないのだ。
ましてや、この博物館は美雷の指紋が着いた毒薬が入っていたとされる小ビンが見付かった場所からそう遠くは無かった。
“無駄足になって仕舞う可能性”も有ったのだが、久し振りにその博物館を訪れてみるのも良いだろう。
雷闘はそんなことを考えながら、博物館の中へと足を踏み入れた。
『こんにちは、雷闘さん。お久し振りですね。』
『はい。お久し振りですね。約2年振りくらいですかね。』
博物館の管理人の男性は、雷闘に笑顔で声を掛けた。
雷闘もまた、管理人の男性に穏やかな口調で返した。
雷闘がこの博物館を訪れたのは、美雷が亡くなる1週間前のことであり、それ以来は博物館の改装工事や美雷を失ったことに対するショックから、ずっとここに来ることを避けていたのだ。
管理人の男性もそのことを察してのことか、“美雷が自殺したこと”に関しては、なにひとつ触れて来なかった。
雷闘は、そんな管理人の男性の優しさは素直に嬉しいと感じていたのだが、今回はあくまでも“美雷に関する情報を集めること”を目的としているため、感傷に浸ってばかりはいられなかった。




