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救急車を呼ぶのは3回目だけど心臓バクバクしちゃった話  作者: 夏目 碧央


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3/4

病院へピーポーピーポー

 ここで、搬送先を探すのに時間がかかる事があるが、以前かかった病院だし近いし、日中という事もあってすんなり受け入れてもらえたようだ。

「10分で行きます。」

と隊員さんが電話で言っていた。もう一度次男の財布の中を見たら、診察券があったので渡した。

 トートバッグ2つにリュック1つ、おまけに重たいコートを手に持ち、シートベルトを締める。救急車が出発し、本当にちょうど10分で病院に着いた。救急車を降り、廊下の椅子で待つ。その間、何度も書類を渡されては書く。意外と暇ではない。  喉が渇いたので目の前にあった自販機で何か買おうか、と物色していたらまた何か書類を持ってきた人がいたので戻る。

「あ、どうぞ。」

と言われたのだが、ペイペイで払おうとしたのに払い方が分からなくて困っていたので先に書類を受け取った。

「これを持って7番窓口へ行き、入院の手続きをしてきてください。」

と言われた。はいはい、もうここの病院も2回目だから分かっているぞよ。自販機に戻り、なっちゃんのリンゴかマルチビタミンかで迷ったが、お昼の時間なのでマルチビタミンにした。もう12時だ。

 マルチビタミンは薬っぽい味がした。1日分のビタミンというのはいいが、美味しさを求めるならリンゴジュースとかオレンジジュースの方が良かった。

 手続きをしてきて、また廊下にいると処置室の中に入るようにと言われた。入ると、移動式ベッドの上に寝ている次男がいた。点滴はしているが鼻から管は入れていない。ここで先生を待った。しばらく待たされたので新聞を読んでいた。やっと先生が来て、処置の話をされた。それが、

「胃管をするか、イレウス管をするか。」

という話だった。どのみち鼻から管を入れる、次男が嫌がるやつだ。そうだ、ここで意外な話をされた。

「前回と同じ、癒着が見られますね。癒着型なので……」

聞いてない。前回が癒着型だなんて。

「閉塞を繰り返すようなら、手術を検討してもいいかもしれませんね。」

え、手術すれば繰り返さなくなるの?それは朗報だ。絶対手術をした方がいい。

 さて、胃管かイレウス管かだが、次男はけっこうはっきりとした声で嫌だと言う。しかも、

「入れる時はいいんですけど、入れっぱなしにされるのが嫌なんです。」

と、きっぱり言う。具合が悪い上、あまり言いたい事が言えないタイプの次男。前回胃管をして、もう管を入れておく必要がなさそうなのに日曜日に先生が来てくれなくて、3日間管を入れっぱなしにされたのだ。

 今回も金曜日。嫌な予感がする。イレウス管の方が太いが、早く治るという。でも、日曜日が入ってしまうから3日間になってしまうかも、と言われる。今、苦しくて大変という程でもないので、胃管の方で充分だと思うが、長くかかるかもしれない、と先生。

 少し考えてください、と言って先生は去った。次男と2人、話し合った。早く管を外して欲しい次男。太い方が入れるのが辛いだろうと言ったら、入れるのはいいんだ、一晩入れっぱなしなのが嫌なんだと言う。とはいえ、イレウス管にしても日曜日に抜いてもらえないなら早く済まないのではないか。それなら少しでも細い胃管の方がいいのでは。抜くという判断をするには、検査をしなければならないとか。

 この病気は、若い人はかからないそうだ。お年寄りよりも若い人の方が、喉が敏感で管が喉に触るとオエッとなってしまうのだそうだ。

 先生が再びやってきた。私が、

「痛み止めとかは無いんですか?」

と聞いたら、

「ありますよ。」

と先生。前回はやってないのかな、と先生が呟くと次男が、

「苦手なんだね、って感じで、あまり気にしてもらえなかった。」

と言う。

「治ったらなるべく早く抜いてもらいたい。」

と、珍しく次男が強く要望し、先生が、遠慮なく言ってくれれば善処すると言ってくれて、胃管に決まった。

「では、処置をしますので、お母さんは外へ出ていてください。」

と言われ、私は部屋の外へ出た。

 トイレに行きたくなったので、良いタイミングだと思って行ってきた。戻ってくると、少し離れた所から 次男の「オエー、オエー」という激しい声、というか音が聞こえてきた。あー、可哀そうに。管を入れるのはいいんだ、と言っていたけれど、入れるのだって気持ち悪いよね。思わず大きなため息が出る。しかし、とにかくやってもらうしかない。


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