今回はどうもおかしい……もしや便の逆流?
口内炎が出来たとか、食欲はあるけど腸がおかしい、などと言っていたかと思ったら、やっぱり腸閉塞になってしまった次男。もう5回目だから驚かない。
お腹が痛いから、食事を辞めてドリンクゼリーとスポーツドリンクだけにしたのが水曜日の朝。
夜にはだいぶ良くなったと言っていた。だから今回は腸閉塞にならずに済みそうだと思っていた。明日のバイトには行かれるかな、などと話していたくらいだ。
ところが、木曜日の朝に様子を見に行ったら、吐いたと言う。しまった。きっとバイトをどうしようかと考えてしまったに違いない。昨日の内に休むと決めておけばよかったのに。
次男が最初に腸閉塞になって入院した時、強いストレスで腸が動かなくなったから腸閉塞になったと言われたので、原因は「ストレス」だと思っていた。バイトを休むことにすれば治ると思っていた。ところが、翌日金曜日の朝、次男の部屋へ行くと異様な光景が……。
トイレの電気が点いていて、便座が上がっている。自室の入り口にティッシュが数枚重ねて置いてある。え、ナニコレ?次男の部屋に入ろうとすると、どうも点々と赤茶色い跡が……。
「もしかして、間に合わなかったの?」
ティッシュをめくると案の定。そして、枕元にはコンビニのビニール袋。
「袋、取り換えて。」
弱々しく言う次男。まさか!去年の8月と12月に腸閉塞になって自宅療養した時には、かなり吐いていたが全てトイレの中だった。間に合わないってどういう事?とにかく袋を取り替えて、汚れを拭き取った。
次男は4年前に一度、1年前に一度腸閉塞で救急搬送され入院したが、半年前と2カ月前には「入院したくない」と言うので、心配しながらも救急車を呼ばなかった。水分不足にならないか心配したけれど、何とかなったのだ。
だから今回も病院には行かないのだろうと思っていたが、どうも今回はやばそうか?
急ぎ洗濯と化粧をし、いつでも出かけられる状態になってから(ずるい?)次男の部屋へ。やはり次男は、
「病院に行くか迷ってる。」
と言う。そして更に、
「どうも便の逆流が疑われるんだよね。」
とも。ああ、可哀そうに。いつもいつも、どうしてこうなんだ!彼が病院に行きたくないのは、鼻から管を入れるのが嫌だからだ。喉に管が触ると気持ち悪いのに、それを何日もずっと……。
「とりあえず#7119に掛けてみて。」
と次男が言った。よし、ここで掛けよう。
「ちょっとスマホ持ってくるから待ってて。」
次男の寝ている横で、スピーカーフォンにして#7119に掛けた。自動音声の後、女性が出てくれて相談を始めた。いつから、どんな症状かを言い、それから、
「以前にも腸閉塞で入院したんですけど、去年の8月と12月には同じ症状でも自宅療養で何とかなったので、今回病院に行くかどうか迷っているんですけど。」
と言うと、なるほど、とお姉さんは納得してくれた。それから詳しく、何回吐いたか、吐いたものは何色か、便の匂いはするか、などを聞かれ、次男に確認しながら話した。吐いたものは黒に近い茶色で、もずくのようだ、と私はビニール袋を覗き込んで言った。
大体、もう24時間以上何も食べていなくて、スポーツドリンクを飲んだだけなのに、こんな黒い物を吐くなんておかしくないか?普通、胃腸炎とか食あたりだったら、胃の中が空っぽになれば吐かないし、吐いても水を吐くだけのはずだ。
質問に答えている最中に、次男がまた吐いた。スピーカーフォンにしているから、かなり聞こえただろう。それも、かなりオエ―、オエー、とひどくて。電話が聞こえないから次男から少しずつ離れていったくらい。するとお姉さんから、
「これは、すぐに救急車を呼んでいいレベルだと思います。救急車にお繋ぎしましょうか?」
と言われた。ドラマならともかく、なかなか身近で聞く事のない、ある意味「名言」をいただいた。
「お願いします。」
次男に相談せずにそう答えた。もう決まりでしょ。
救急隊員に電話が繋がった。多少伝わっていたが、もう一度伝えた事もある。更に、最後に食べたのはいつか、以前入院したのはどこの病院か、などを答える。もう一度住所や私の電話番号を伝え、救急車を向かわせると言われて電話を切った。




