47.
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
ガタゴトという車輪の音だけが響く。
俺たちを乗せた馬車は、荒涼とした『渇きの荒野』を猛スピードで疾走していた。
本来なら、舗装されていない悪路だ。
舌を噛むほどの振動が襲ってくるはずだが、車内は驚くほど静かだった。
「……信じられないな」
向かいの席で、ギンコが手にした水筒を見つめて呟く。
水面は鏡のように静止し、一滴も零れていない。
「この悪路を走っていて、揺れが全くないとはね。高級な貴族の馬車でも、ここまで快適じゃないよ」
「俺の魔法です。馬車全体の重量を操作していますから」
俺は事もなげに答える。
【減重】。
馬車の質量を極限まで減らすことで、地面の凹凸の影響を最小限に抑え、滑るように走らせているのだ。
「便利な魔法だ。君を敵に回さなくて本当によかったと思うよ」
「同感。……ガイアの魔法、反則」
ノエルが膝の上で魔道書を読みながら、ボソリと同意する。
揺れないおかげで読書も快適らしい。
「油断しないでくれよ。もうじき奴らの縄張りだ」
ギンコが表情を引き締め、窓の外を睨む。
赤茶けた大地と、乾燥した風。
生命の気配が希薄なこの場所こそ、魔物の楽園だ。
「砂蟲……荒野や砂漠に生息する、巨大な環形動物型の魔物だ。視力はないが、振動を感知して地中から襲ってくる。その顎は岩盤すら砕き、獲物を丸呑みにする厄介な代物さ」
「振動を感知、か。なら、この馬車なら気づかれないんじゃ?」
「いや、奴らの嗅覚も侮れない。それに――」
ズズズズズ……ッ!
ギンコの言葉を遮るように、突如として大地が大きく鳴動した。
遠くの地面が噴火したように盛り上がる。
「来たッ!」
ズォォォォォォォォッ!!
耳をつんざく咆哮と共に、巨大な影が天を覆った。
全長二十メートルはあろうかという巨体。
円形の口には無数の牙が回転ノコギリのように並び、腐臭を含んだ息を吐き散らしている。
砂蟲だ。
「デカいな……! あんなのが地下にいたら、村なんてひとたまりもないわけだ!」
「来るぞッ! 総員、散開!」
ギンコの号令と共に、俺たちは馬車から飛び出した。
直後、砂蟲の巨体が馬車を押し潰し、粉々に粉砕する。
「シャァァァァァッ!」
砂蟲が鎌首をもたげ、次なる獲物である俺たちに狙いを定めた。
硬質な皮膚は、生半可な剣や魔法を弾くだろう。
なら、内側から押し潰すまでだ。
「リィナ! 俺を飛ばせ!」
「了解! 任せて!」
リィナが即座に意図を理解し、背負っていた大剣を構える。
刃ではなく、その腹を俺に向ける。
俺は自身に【減重】を掛け、羽毛のように軽くなりながら、その剣腹へと飛び乗った。
「いっけぇぇぇぇぇっ!」
ブンッ!
リィナが豪快なフルスイングを放つ。
弾丸と化した俺の体は、砂蟲の頭上へと一直線に射出された。
空中で俺は魔法を解除し、逆に魔力を練り上げる。
狙うは砂蟲の脳天。
「重力に、ひれ伏せ」
俺の手のひらが、砂蟲の硬い皮膚に触れた。
「【加重】!」
ズシャァッ!!
空気が破裂する音が響いた。
俺が触れた一点を中心に、局所的な超重力が発生する。
自身の数百倍にも膨れ上がった自重に耐えきれず、砂蟲の巨体がひしゃげ、地面へと叩きつけられた。
「ギ、ギシャアアアアアッ!?」
悲鳴を上げ、砂蟲が身をよじる。
だが、動けない。
俺の重力が、巨大な楔となって奴を大地に縫い止めているからだ。
完全に無防備な肉塊が、そこにあった。
「今だッ! 掛かれェッ!」
好機と見たギンコが、大剣を抜き放ち叫んだ。
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