46.
それから一週間。
俺たちの手によって、半壊していた開拓村は見事な復活を遂げていた。
ただ元に戻っただけではない。
俺の【加重】プレスによって地盤は鋼鉄のように固められ、再建された家屋は以前よりも頑丈な構造になっている。
「おおぉ……! なんということだ! たった一週間でここまで……!」
村長が震える手で杖を握りしめ、涙を流していた。
「君たちは村の救世主じゃ! なんとお礼を言えばよいか……!」
「気にしないでください。俺たちがやりたくてやったことですから」
俺は村長の手を握り返し、笑顔で応える。
村人たちも、リィナやノエルに「ありがとう」「助かったよ」と口々に感謝を伝えていた。
これでひとまずは安心だな。
俺が荷物をまとめ、出発の準備をしていると、
「精が出るな。相変わらずの規格外ぶりで呆れるよ」
背後から、低くハスキーな声が掛かった。
振り返ると、そこには見慣れた銀髪の女剣士――ギンコが立っていた。
マルス戦を共に戦い抜いた、頼れる戦友だ。
「どうしたんですか、ギンコさん。改まって」
「なに、君たちに相談があってね」
ギンコは腰に差した大剣の柄に手を置き、懐から一枚の羊皮紙を取り出した。
ギルドの紋章が入った依頼書だ。
「さっき、ギルドから緊急の討伐依頼が回ってきたんだ」
「討伐依頼、ですか?」
「ああ。この村の奥に広がる『渇きの荒野』……そこで、ギルドの観測員が妙な震動を検知してね。調査の結果、厄介な連中が巣を作り始めていることが判明した」
ギンコは眉間に皺を寄せ、忌々しげに吐き捨てた。
「砂蟲だ」
「ッ……!」
俺は息を呑む。
砂蟲。巨大なミミズ型の魔物だ。
地中を自在に移動し、獲物を地面ごと丸呑みにする。
「放置すれば、奴らの巣は拡大し、いずれこの村の地下まで到達するだろう。せっかく君たちが再建した村が、地盤沈下で全滅なんて笑えない話だろ?」
「……なるほど。確かに放ってはおけませんね」
復興したばかりのこの村にとって、無視できない脅威だ。
「本来ならウチの『銀の剣』だけで片付ける案件だが、相手は地中に潜る上に数が多い。正直、前衛が足りなくてね」
ギンコは俺、リィナ、ノエルの三人を順に見渡した。
「そこで、君たちにも協力してもらいたいんだ。マルスを退けた君たちがいてくれれば、心強いことこの上ない。……どうだ? 手を貸してくれないか?」
無骨な物言いだが、その瞳には仲間としての信頼が宿っていた。
俺はリィナとノエルを見る。
「私はやるよ! 村のみんなを守らなきゃ!」
「……ん。砂蟲くらい、私が燃やす。ガイアが決めるなら、従う」
二人の意志は固い。
なら、俺が断る理由はない。
「分かりました。引き受けましょう」
「恩に着る。報酬は山分けといこうじゃないか」
ギンコがニヤリと好戦的な笑みを浮かべた。
「よし、話はまとまったな。善は急げだ。すぐに出発するぞ!」
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※2/2(月)
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