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[補足] 山田ジョシュアのノートより
──これは、誰にも読まれることのなかったリリック。
ジョシュアが“言葉”と向き合ってきた痕跡。
自分のためだけに綴られたページが、
少しずつ「誰か」に届き始める前の記録。
「お前は誰だ?」って言われても、
自分でも、よくわかんねぇ。
鏡の中は俺だけど、
言葉の中じゃ誰にもなれない。
黒人?ハーフ?
名前は山田。
でも日本人らしくしろって?
じゃあお前の“らしさ”って、なんだよ。
怒ってないフリをするのが、
一番怒ってるってこと。
黙ってるのは、
言い返す言葉を選んでるだけだ。
声を出すことが、戦いになるなら
俺は戦う。
ただし、マイクで。言葉で。
このノートは、
“誰にも見せたくなかったもの”から、
“誰かに届けたいもの”へと変わっていく。