番外編(ミオ視点)
うちのクラスって、まじで地味。
目立つのって、委員長か、SNSばっかやってる陽キャグループくらい。
……でさ。
たまに、めっちゃ目立つけど、話しかけづらい奴っているじゃん?
それが山田ジョシュア。
いや、うちらの間じゃ「黒人山田」。
目立つんよ、顔も、雰囲気も。
でも、喋らん。ずっと一人。
なんなら、イヤホンしてること多すぎて、
「学校ってライブ会場だっけ?」ってツッコミたくなるレベル。
でもさ——
あのノート、拾っちゃったんだよね。
落ちてた。たまたま。マジで偶然。
中見て、最初は「え、なにこれ?ポエム?」って笑いそうになったけど……
読んだ瞬間、空気が変わった。
「俺を呼ぶ名は 黒人山田
でも中身は案外 シャイなパンダ」
なんか……泣けた。
あたしさ、見た目で判断されるの慣れてる。
「ギャルはバカ」って思われるし、
真面目な話すると「似合わねぇw」とか言われる。
だから、ジョシュアの気持ち、
なんとなくわかった。
喋らなくたって、考えてんじゃん。
いっぱい、悩んでんじゃん。
なんで誰も気づかないの?
てか、なんで黙ってんの?
……そう思ったら、勝手に言ってた。
「ラップ、やってよ」って。
本当は、あたしが聞きたいだけなんだよね。
あの子の“ほんとの声”。
バズってもいいし、バズらなくてもいい。
あたしが知ってるってだけで、
あの言葉は、ぜったい無駄じゃないから。
次は、ちゃんとステージで聴かせてよ。
あたし、いちばん前で聞いてるから。