なんだかんだと雑談する話
OFUSE始めました。
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さて、目下の目的は達成した。内政もここまでやれば十分だ。ヘファイストスを送り込んでも良いと思う。神殿を作ってアテナが十全に戦えるようにしてもらわないとな。
「そんな事で送り出したわけなんだけど、大丈夫だよな? 神殿を作るだけなんだし」
「そこまで気にしなくても良いと思うのさ。悪ければ後で解体すれば良いのさ」
「まあ、そうだよな。邪魔になるって言うのであれば、神殿を取り払う事も考えないといけないだろう。マジックバッグで持ち運べたら良いんだけどな」
「それは神殿とは言わないのさ。神社にしても神殿にしても、そこにあるから意味があるのさ。移動できるような神殿は神殿じゃないのさ」
「まあわかっていることではあるんだけどな。出来る出来ないは色々と検証されているし、出来るのであればアテナがタンクとして優秀なんてものじゃないからな」
例えばダンジョンのボス部屋で神殿を展開で来たらどうなるのか。無限回廊で神殿を展開で来たらどうなるのか。そりゃあ反則級の強さになってしまう。何処でも3回復活できるんだからな。神殿の近くと限定しているから許されるのであって、簡易的な神殿で満足できるのかって話だよな。
移動式の神殿があるとは思えないし。検証班では色んな事をやっていたみたいだけどな。動力式神殿とか、キャリー用神殿とか。どれも無理だって事が解っただけだった。そんな事が出来たら最強タンク論争はアテナに決まっていたことになるけどな。復活はずるいて。使い勝手の良いタンクが復活するなんてあり得ないからな。どう考えても神殿を移動できないようにした運営は偉いと思う。
「でも、割と何でもありなのさ。神殿と認識出来ればいいさ。……アテナが神殿と認識するのかが問題だけどさ」
「アテナだぞ? プライド的には手乗り神殿なんて却下だろ。最低でもお祈りを出来る場所じゃないと。どれだけ小さくても10人は入れる場所を確保しないといけないだろう。そこに神官も必要ってなってくるとちょっとどころでは無く大変な事になってくるんだけど、神殿は場所だけで良いと思うんだよな。その辺はアテナに聞いてみないと解らないけど」
「それでも、近衛を全員向かわせて良かったのさ? 視察と言ってもそこまでしないといけないのさ?」
「地形の把握なんかも重要な任務だからな。俺が行きたいのもあったんだけど、近衛の奴らもそろそろ色々と自覚が必要になってくるだろうからな。成長してもらわないといけないんだ。単純作業だけを任せるのは違うと思う。……まあ、奴隷だし、自覚しろってのは可哀そうだとは思うけど」
そうなんだよなあ。近衛と言っても奴隷のままなんだよな。そういう契約だからな。契約を破ってもいいのかって話にもなって来るし。一応は奴隷を解放することは出来る。出来るんだけど、それをした場合、近衛に残ってくれるのかは解らない。自由意思のままに行動できるのが普通だからな。もしも奴隷を止めたら近衛は嫌だと思われたら、こちらが引き止めることは出来なくなる。1人の人間として扱う必要があるんだよ。奴隷だからって我慢をしているかもしれないんだ。
信用とは、ちょっと違うんだよな。俺みたいにダンジョンに潜るのが楽しいから冒険者になりたいと言われるかもしれない。……だから、奴隷から解放するのに戸惑うというか、躊躇するというか。ここまで投資してきたのに、お別れですってなるのは少しばかり勿体ないと思ってしまう。
本当は奴隷なんて居ない方が良いんだよ。皆が皆、自由に出来るのが一番いいんだ。でも、それだと困る人も出てくる。奴隷に自由意思が無い訳では無い。出来ないことは出来ないと言っても良いんだ。でも、完全にお別れとなると、労働力として使っている関係上、逃げられても仕方がないんだよな。
「結局奴隷を解放することは出来ないって解ったのさ? 奴隷も必要なのさ。受け入れがたいのかもしれないけど、そういう役割も必要なのさ。人間の生き方を選ぶのは自分なのさ。この環境でないといけないって仕事は、奴隷の方が都合が良い事もあるのさ」
「まあ、それは今になってよく解ってきたつもりだよ。奴隷も必要なんだってさ。でも、奴隷が少ない方が良いと思うのもまた事実なんだよな」
「奴隷の供給を止めるのは難しいさ。娼婦に子供を作るなって言っているんだからさ。娼婦だって立派な仕事さ。種族が同じなら、子供が出来てしまうのも仕方がないのさ。それを全員育てられるほど、娼婦が稼げるならいいさ。でもそんな事は無いのさ。娼婦も人気商売さ。若さを扱っているんだから、歳を取れば人気は落ちるのさ」
「種族差はあるとは思うけどな。……基本的には同族としかやらないってのが普通らしいしな」
「それは当り前さ。同族以外に発情するのも居ないことはないさ。夢魔や淫魔の類とするのは有りだと思うさ。けど、人間同士なら、普通は同族を選ぶのさ」
「俺は幸子でも出来るくらいには大らかなんだけどなあ」
「本気で止めろさ。最近はそんな事を言っていなかったから何も心配していなかったさ。いきなりそんな事を言うんじゃないさ。あたしは許可するつもりはないのさ」
「解っているって。無理やりするのが好きって訳でもないんだ。同族を探すよ。……エルフで貴族になりたいなんて思っている女性がどれだけ居るのか解らないけどな」
「普通はやりたくないのさ。貴族なんて貧乏くじと思っているのさ。特に長寿な種族ほどそう思っているのさ。エルフなんて顕著さ。人間の十数倍生きるんだからさ」
だよなあ。エルフがというか、人間以外が貴族になりたがらない理由の1つが面倒だから、だしな。貴族は面倒なんだよ。やらないといけないことが増えるんだから。仕事が増えることを良しとするのかって話になってくる。普通は嫌だろうからな。俺だってこんなに忙しいのであれば、貴族なんて目指さなかったのに。……いや、どの道ジーデンス子爵家が糞過ぎてなんとかした可能性があるな。結局は貧乏くじを引かされる羽目になると。世の中そうやって回っているんだろうからな。
「でも、最近は仕事も減ってきたからな。少しは自由に出来る時間が増えた。ダンジョンにも潜れるしな。ダンジョンに潜れないのが一番辛い。ダンジョンは楽しい場所じゃないといけないんだ。ダンジョンに潜りたいなあ」
「明日になれば潜れるのさ。今は仕事をするのさ」
「解っているけどな。けど、戦力も揃ってきたし、ここら辺で大きな仕事も無い。ダンジョンに入りびたっても罰は当たらないと思うんだけど?」
「あたしに休みなく働けってのは駄目さ。休憩は必要さ。何もしない日があっても良いのさ」
「その約束は守っているだろう? 仕事も大切なのは解るし。貴族になったからって、何かが変わるものでもないって思わないとやっていけないからな。実際は命の重みを感じる羽目になって、冒険者時代に戻りたいなんて思っているんだけどさあ」
「そりゃあ冒険者の方が気楽さ。戦争も関係ないし、比較的自由に出来るのさ。でも、あんたはなんだかんだと背負う事になっていたと思うのさ。転生者である以上、今の常識とは合わなかったのさ。それを自覚した方が良いのさ」
解っていてもという奴である。なんだかんだと言いつつも、貴族にはならないといけない買ったんだろうと思う。そういう運命的なものがあったと思うんだよな。誰が糸を引いているのかは知らないけど、俺がこうやって転生してきたことにも意味があったりするんだろうからさ。




