悪魔宰相を呼ぼう
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派閥会議に行ってきた後、俺はひたすらに仕事をしていた。……再び召喚石を集めなければならなくなったからな。ダンジョンの周回も大事なんだけど、それよりも大事なのは確率上昇系のアイテムを仕分けすることなんだよ。欲しい召喚獣は沢山居る。それを狙っていくためには、召喚石と確率上昇系のアイテムが必要になってくる。だから、商会からどんどんと送られてくるアイテムの詳細をどんどんと仕分けていく。俺たちが使う必要がある物を重点的に見なければならない。
「これ追加で置いておくさ。仕分けよりも先に見て欲しいって言ってたさ」
「ん? ああ、確認しておく。悪いが瑠璃、先に中身を見てから要約してくれ」
「命様、それは良いのですが、こちらの方はどうしますか? こちらも先にと言われていたはずですが」
「そっちは今からやる。だからその時間をこれの要約に当ててくれ」
「畏まりました」
「忙しいのさ。何か良い召喚獣は居ないのさ?」
「こういうのに向いている召喚獣は、フールなんだろうが、あいつは手伝わないで口だけ出すだろうからな。正直、忙し過ぎて構っていられない。有用ではあるんだろうけど、その度に手が止まるだろうからな。今は必要ないだろ」
「あー、あたしでも見える気がするさ。確かに手を動かすなんて事はしないと思うさ」
「後の面子は基本的に戦闘に特化しているからな。稲荷がなんとかなるかもしれないが、基本的に商売については強かろうが、内政には適性が無いと思う」
「荷物運びはあたしだけで良いのさ。瑠璃を手伝える様な召喚獣は居ないのさ?」
「解らん。内政が得意な召喚獣を呼ぶにしても、その召喚獣の事を知らなければならないからな。あー、そうなると宰相クラスが欲しいって事になるなら、悪魔に居たな。悪魔宰相が」
「お? そいつを呼べば良いのさ。内政の手が足りないのさ」
「そうですね。命様の為にもなりますし、呼ぶべきでしょう」
「そうなると、相応のアイテムが必要になってくるから……。リストには無い物も必要になって来るか。ダンジョンにいかないといけないな」
「息抜き程度にしておくさー。仕事は山のようにあるのさ。ダンジョンに行くのは良いけど、程々にしておくさ」
「解っているつもりだ。流石にこれから逃げるような事はしないって。……良し。とりあえずこれの返事はこれでいいだろう。幸子、持っていってくれ」
「あいあいさー」
「瑠璃、要約は出来たか?」
「はい。メインの交易には果物をとなっております。こちらからは塩を贈る約束になっておりますね」
「シャイダイ男爵との交易の話か。それなら承認だな。塩も最近は沢山取れるようになってきたんだ。多少は大丈夫のはずだ。商人に手紙を出さないといけないから、それのひな形を考えてくれ」
「解りました」
とにかく内政を進めないといけない。だけど、悪魔で内政が得意そうな奴が居たな。本当に忘れていた。悪魔宰相が居るじゃないか。呼べるのかどうかは別としてもだけどな。あれもSPが高い。1級品なんだよ。戦力に入れるにしても、使いにくそうな気がしないでもない。ルキフグスなんだけどな。性能的にはどうだったかな。ちょっと使ったことが無いから覚えていないな。どんな性能をしているんだろうか。呼んでも戦闘で使えないって事にはならないとは思うけどな。
戦闘で使えない召喚獣の方が珍しいんだ。何かしら出来る様にはなっているからな。一応だがメインは戦闘なので、戦えない召喚獣の方が珍しいんだ。だから、大丈夫だろうとは思うが、問題は俺に使いこなせるのかって所だろうな。
悪魔系の召喚獣は使いにくさもあるんだよ。対価次第では簡単に使えるんだけど、命令無視なんて事もあったくらいなんだよな。結構な確率で自由意思による行動に固有バフがかかったりする。そんな訳で、対価をちゃんと用意すれば使いやすいんだけど、対価がないと使えないって事もままあるんだよなあ。召喚獣だけど、ソウルメイトに近いのかね?
兵士諸君も悪魔系の召喚獣を使いこなせている奴と、振り回されている奴が居るみたいだしな。それの報告も上がってきている。召喚獣は交換が出来るから、相性の良い奴に当たるまで交換するという手法も使える。それでなんとか使ってもらおうという事になっているんだ。ルキフグスの性能を知らない俺にとって、使える奴判定されるのかが問題だよな。
「命様、雛型が出来ました。確認の上使用してください」
「解った。瑠璃はとりあえずこの山を切り崩していってくれ。系統で分けてくれれば良いから。解らないのはそっちに乗せておいてくれ」
「畏まりました」
「置いてきたさー。仕事は捗っているのさ?」
「幸子、明日からはダンジョンに行くぞ。ルキフグスの召喚を成功させたい。悪魔宰相を呼べば、内政も手伝ってくれるだろう」
「内政が楽になるのは良いのさ。でも、召喚獣を召喚するにしてもアイテムが必要じゃないのさ?」
「それを揃えるためにダンジョンに行くんじゃないか。まあ、ある程度は揃ってきているとは思うけどな。今はそっちの山を瑠璃が仕分けている最中だ。それを見てから足りないと思われるものを回収しに行くからな。確か、黄金が必要だった気がするから、それも欲しい所ではある」
「黄金なんて捨てるほどあるんじゃないのさ?」
「金属の黄金で良いんだが、出来れば金貨の形で欲しいんだよ。通貨はマーネって言う電子マネーになっているが、コインが必要なんだよ。それも結構沢山。財宝系の権能も持っていると思うからな。そっち系のアイテムも用意しないといけない。後は夜しか駄目だったような気がするし、なんか色々と必要な物があったと思うんだよな。なんとか用意はしてみるけど」
「ふーん。そこそこ使える奴なら大歓迎なのさ。あたしも暇じゃないのさ」
「幸子には基本的にお使いを頼んでいるだけだろう?」
「向こうでは意見を言ったりもするのさ。方向性を決めて欲しいと言われることだってあるのさ。そういう時は、あたしの良いと思った方向に進めているのさ」
「……まあ、良いか。俺に不利になるようには言わないでくれよな?」
「それは向こうのさじ加減さ。あたしは良いと思ったように言うだけなのさ」
それでも内政は進んでいくんだからな。問題はあるまい。最悪は最後の最後に軌道修正すればなんとか間に合うだろう。そもそも内政とか得意じゃないし。なんとなく出来ることはやっているが、出来る事ってそこそこでしかない。書類仕事はブラック労働者時代に培ったものがある。だけど、結局は平社員だったからな。管理職としては動いたことはない。貴族はもろに管理職だからな。俺に勤まるのかどうかが解らない。でも、やるしかないんだから仕方がないだろう? ジーデンス子爵家を放置しても良かったのかって話になってくるからな。両親の関係があるんだ。どう考えてもアウトだろう。
そういえば、最近は帰省してないな。偶には帰ってみるか。一応は貴族になったとは連絡を入れては居るんだけど、本当になったのかどうかは解ってないだろうからな。一応本当なんだぞという事だけは言っておかないといけないんじゃないだろうか。
さて、後はこの書類を片付けたら休憩だな。休憩があるとか、ホワイトすぎるとは思うけど。ホワイトな職場の経験は無いんだよな。ずっとブラックでの雇用だったから。ゲームをするだけの余裕があれば、もっと詳しくなれていたんだろうけどな。過ぎてしまった過去はもうどうにもならないんだよ。




