ダンジョンを攻略しよう
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翌朝、時刻は5時ごろ。農民にとっては普通の朝だ。日の出の前に起きるのは当然だな。日中は暑くて仕事にならないから、朝早く起きて仕事をして、昼間は休んで夕方から仕事をする。それが農民の普通だ。なので、宿屋も普通に朝食を出していたりする。早い奴らは3時ごろから活動をするらしい。ほら見ろ。早い奴らは既に活動をしているんだ。俺たちも急がないと。
「日の出もまだなのさ。それなのにダンジョンに行くやつらはボス部屋を目指しているのさ。普通は! 1日に1回攻略出来れば御の字なのさ。それなのにあんたは今日で何周する気なのさ?」
「解らん。ダンジョンの構造にも因るが、最速で考えたら14周は出来る。まあ、ダンジョンの構造的な問題が解決できたらの話だな。出来なければ地道に探すしかないから、今日は1周出来たら良い方になるだろう。その辺はダンジョンに潜ってからの話になるんだが」
まずは入り口を見ないといけない。入り口にこの階層はどんな階層なのかが解る鍵があるんだ。それさえ見つけてしまえばこっちのものだ。後は道順を間違えなければ普通に次の階層まで行けるだろう。楽しみだな。どんな事になっているのかが。
そんな訳で、徒歩10分圏内にダンジョンがある幸せを感じよう。冒険者組合に寄る必要も無いから、まずはダンジョンを攻略するのだ。出来れば、今日中に10周くらいはしたいものだな。そこは運しだいにもなるんだが……。
ダンジョンは建物の中にある。というか、ダンジョンを囲って建物を作ったと言ってもいいだろう。転移陣もダンジョン内にあるんだけど、それは後でいいだろう。まずはダンジョンに入る。話はそれからだ。
「知ってはいたけど、本当に洞窟なのさ。でも、壁はちゃんとしている……、何してるのさ?」
「壁を隅々まで見ているんだが?」
「何でそんな事をするのさ?」
「階層がどんな場所なのかを知る鍵がそこにあるからだが?」
「意味が解らんのさ……。まあ、好きに見ていくといいさ」
ダンジョンは2048通り。それの内の20層が選ばれてダンジョンを構成する。1日でダンジョンが作り変わるんだが、このダンジョンのパターンには法則がある。それが入った所の壁を調べると解るようになっているんだよ。
ここに出っ張りがあって、こことここに汚れがあって、ここに窪みがありつつも、内側が微妙に右側に偏っている。それと、あれとこれとそれとがこうなっていて、あれがあれだから、ここを見て、それがこうだから、あれは? あるな。という事はここがこうなっていて、そこにあれがあるなら……。
「よし。階層の階段の場所が解った。そっちに向かうぞ」
「意味が解らないことを言い出したのさ……。本当に階段があるのさ?」
「行ってみれば解る。戦闘は2回程度を予定しておいてくれ」
「了解なのさ。2回で本当に辿り着くのさ?」
「解らん。行けば解るさ。もし違っていたら……」
「違っていたら?」
「それはそれで楽しみが増えるな!」
「本当に変わったやつなのさ……」
壁の配置は完璧だったからな。ならば後は進んでみるだけだ。なに、違ったら検証を続けるだけだ。1層はそこまで広くはない。まだこのダンジョンは広さ的にはそんな事もないんだよ。頑張れば知らなくても1日あればダンジョンを攻略できる程度には難易度が低い。だからこそここのダンジョンを選んだんだが。違う町に行けば、違うダンジョンがあるんだ。それでもここに来たのは、周回難易度が低いからだな。頑張って周回しよう。周回できれば、資金もそれなりに貯まるだろうからな。
さて、大部屋だな。ここは草原と獣のダンジョン。オープンフィールドに見えるだけの壁があるダンジョン。因みに地下もある。地面は掘り返すことが可能だ。地下に通路があるなんてことはないが。それも検証班がしっかりと検証してくれているので問題ない。俺たちは普通にダンジョンを攻略すればいい。
「おっと、あれはビッグラットだな。換金アイテムである肉は落とさなくなっているから、牙が確定ドロップになっているはずだ。色々と使い道があったはず。多少の値段にはなるかな」
「それが2体さ。どうするのさ?」
「捕捉されているからな。素早さのデバフを頼む」
「他は良いのさ?」
「今回は周回をするからな。こんな所でMPを無駄にしたくはない。自然回復すると言っても限度があるからな。ボスには多用してもらうつもりで居るんだ。温存してくれ」
それに、この位は捌いて見せないといけない。……予定では既にこの辺の魔物は倒されていると思っていたんだけどな……。近くの大部屋に行ったのか。まあ、それも仕方がない。今回の場所は階層の階段が近くにあるんだ。そこまで真っ直ぐ行けば、後はどうなるのかを考えた方が良いな。
素早さのデバフがかかる。……流石に貧乏神のデバフは強力だな。『破れた財布』は高等デバフ魔法。効果も大きい。その分MPも消費するんだが。この位の速度なら容易い。まだまだ余裕の戦いが出来るな。
盾で受け止め、隙の生じない突きで応戦。慣れればこんな感じで余裕の戦闘を熟せる。ビッグラットは比較的大きいだけのネズミだからな。大きさは30㎝くらいしかない。まあ、十分にデカいんだけどな。それを隙なく倒していく。
「まあ、こんなもんだよな。素早さのデバフがあれば軽い軽い」
「本当に訳が分からない戦闘力なのさ。素人とは思えんのさ」
「そんな事はどうでもいいだろう? とっとと階段までいくぞ。こっちの方向に行けば階段があるはずだからな。階段は逃げられないし」
そんな訳で、歩くこと5分、戦闘回数は4回だった。思った以上に戦闘があったな。こっち方面には誰もきていない可能性がある。階段のある方に向かっていっている奴らが居ないという事は、こっちでは階層の階段の探し方を知っている奴が居ないって事なんだろうな。
「本当に階段があったのさ……。何で解ったのさ?」
「壁に答えが全部書いてあるからな。色々と配置を見れば、2048通りの中から1つを選び出すことも可能だ。こればかりは暗記が必要だけどな。後は慣れだ。間違えても仕方がない程度に考えて覚えていかないと、始めの内は難しいかもしれないがな」
「そんな出鱈目を言えるのはあんただけなのさ。普通はそんな事出来ないのさ」
出来るって。今回やってみせただろ? 廃人諸君なら、もっと効率よく探すんだろうし。俺なりの方法って訳でもないけどな。大体は攻略サイトにも載っていることだ。……この世界には攻略サイトなんてものは無いんだろうけどな。ネット環境が如何におかしなものなのかが解るな。大陸を超えて話が出来るなんて言っても、誰も信じないだろう。それくらいにはおかしな技術だって事なんだよ。
2層も3層も同じだった。やり方さえ解っていれば、どうという事はない。ヒントを見つけ、そこからどんどんと階層の階段の位置を見つけていく。これが出来ればダンジョンはマスターしたと言っても過言ではない。これが出来ないと先に進めないのと変わらないからな。まずはこの程度は出来て貰わないといけないって感じだろうか。
こういう廃人向けコンテンツはどうしてもその手の人たちによって丸裸にされるのが常なんだよな。俺だって知っていることなんだし。知れ渡ると困る人も居るんだろうか? 居ないよな。皆がハッピーになる。でも、俺は教えない。頑張って見つけて欲しい。ある程度はパターン化されているから、難しい訳では無いんだよ。
そして、1時間後。俺たちはボス部屋まで来ていた。