奉納の祭壇
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「ん? なんだこの宝物は?」
「んー? どうかしたさ? あんたが疑問に思うなんて珍しいさ」
「うーん。こんな宝物は見た事無いからな。何のアイテムだ?」
「そんなものは思兼に聞くさ。鑑定のスキルがあるんだから、答えてくれるさ」
「それもそうか。じゃあ、瑠璃、これは何か解るか?」
「ふーむ? そうですね。わたくしが見るに、これはマーネを生産する物でしょう」
「マーネを生産する?」
「そうです。これは奉納の祭壇と呼ばれる物になります。そして、祭壇の上にアイテムを置き、そこにある台座にソウルカードをかざします。そうするとアイテムが奉納されて、マーネが手に入る様になるものですね。これは常に金欠の命には良いものなのではないですか?」
「……あれ? マーネって世界で流通量が決まっているんじゃないのか?」
「決まっていますが、そもそも死者のソウルカードに入っていたお金も含めて、の話になります。現世と幽世を合わせての総額は変わりません。ですが、幽世から現世にマーネを持ってくる方法はこの位しか無いのでしょう。限界までマーネを引き出してしまえば、奉納は無意味になるかと思います。わたくしも初めて見ましたから、何とも言えないのと、世界の流通量がどのくらいあるのかは知りませんので、実質はマーネを幽世から引き出すものになるのではないかと思います」
ちょっと待て。ちょっと待ってくれ。そんなものが存在してもいいのか? いや、確かに死んだらマーネは消滅するし、どうするんだろうなとは思っていたんだけど、これがあれば、無限にお金が湧き出てくることにならないか? 今までに死んだ人が持っていたお金をアイテムと交換するって事なんだから、理論上無限にお金を手に入れられるという事にならないか? そんなのゲームバランスが狂うぞ!? どうなってやがる?
「そんなものが存在してもいいのか? 俺たちの領地にマーネが集まり過ぎるぞ? というか、貧乏神の課金デバフで失われていっていた金額を回収できる仕組みって事じゃないのか?」
「その様なアイテムでしょう。そもそも、マーネの流通量は世界で決まっていますから。貧乏神が消費したマーネに関しても幽世の方で管理されているかと思われます」
なんという事だ。ゲーム時代では未発見のアイテムだぞ? だって、こんなアイテムがあったら……あっても意味がないのか。どうせ換金アイテムを換金するのは冒険者組合だ。この祭壇か冒険者組合で換金するってなると、別にどちらでも良い様な気がする。ゲームではそうだな。だが、現実となると話は変わってくる。特に貴族家としては、これ以上もないほどの物になる。これがあれば、予算が無限にあるのと変わらない。要らないアイテムを何時でも換金できるんだからな。
ゲームでは冒険者組合が買い取りを拒否することは無かった。だが、現実では冒険者組合に金が無くなったら、買い取りを拒否される。現に何度か買い取りを拒否されて、後日に売りに行ったという事がある。奴隷たちが周回をすると、換金アイテムも普通に出てくるからな。俺たちの方には出てこないが、換金アイテムは結構な確率で出てくる。凡そ60%くらいだ。半分以上が換金アイテムという事になる。
それの価値が一気に高まった感じがする。今までは美術品なんてって思っていたが、領主館に置いておくだけで、将来的には換金できるようになるんだから。冒険者組合の懐具合を確認せずとも大量に売り払う事が出来る。冒険者組合も、本部にはあるかもしれないが、少なくとも支部に必ず1つはあるものという訳でも無いんだろう。これは貴重な物だと思う。
「流石にミルミル男爵他、法衣貴族には見せないといけないだろうが、これはかなりの価値があるものだぞ。お金の問題がこのアイテム1つで解決したと言ってもいい。ダンジョンに潜れば潜る程黒字になるんだ。幸子がどれだけ貫通させてもこれさえあれば、回収は可能だ。幸子!」
「嫌さ! これ以上の周回は嫌さ! 休みが欲しいさ休憩が欲しいさ延々とは無理なのさ!」
「っく! 解っていたこととはいえ、周回を拒否されるのはきつい」
「拒否されるって解っているなら言うなさ!」
そこは、あれだぞ? 一応は交渉しないといけないだろう? 神は周回しろと言っているんだ。それを聞いた俺が周回しないなんて選択肢があると思うか? いやない。周回は正義だ。ダンジョンなんてハムハムするのが礼儀ってものなんだ。どんどんと回していくのが正解だ。こうやって確率上昇系のアイテムを揃えているのだって、ちゃんとした理由があるんだからな。
要らない確率上昇系のアイテムは、積極的に売ることにしている。そのための商会も作った。冒険者組合と連携して、アガレイト男爵領では、領地貴族にアイテムを集めるんじゃなくて、冒険者にもアイテムをどんどんと使ってもらおうとしている訳なんだよ。冒険者が強くならないと、スタンピードの時が辛いだけなんだ。冒険者が強くなってくれることにデメリットはない。メリットは沢山あるし、問題ないよねって事なんだよ。まあ、それでも貴重品に関しては、こっちで貰うけどな。当然だけど、これから軍拡もしなければならないんだ。アイテムは無限に必要である。
軍拡をするためにも、まずは内政を整えないといけない。いけないんだけど、奉納の祭壇が手に入った結果、それらの面倒な問題が殆ど解決したんじゃないかと思う。だって、お金が無尽蔵に手に入るって事になるんだからさ。そんなの軍拡をしろと神が言っているのと同じじゃないか。
……貴族家はこれを持っているんだろうか? 王家はこれを持っているんだろうか? 持っていそうではある。特に王家や上位貴族家は持っていそうだな。無限の予算を手に入れて、ガンガン内政を回していそうな気がする。無いならこっちにアドバンテージが出来たと思っておけばいい。
まずはこれの説明をしなければならなくなったな……。これで予算の9割が解消されたと思ってもいい。何処からともなく予算が湧き出てくるんだからな。一体、幽世にどの位の金額が眠っているのかは知らないが、かなりの金額になるんじゃないか? 詳しい事は俺も知らないけど。
「とにかく、大当たりが出たと言う事で1つ。没収されたら件の能力で出せば良いんだから、簡単だよな。こういう時の件の能力が強すぎて笑えて来るんだけど」
「じゃあ、今日はこれから貴族たちに説明に行くさ。撤収さ」
「それは明日でも構わないから、今日はこのまま周回するぞ。報告は明日でも問題ない。今はとにかく周回をして、確率上昇のアイテムをどんどんと手に入れないといけない。軍拡待ったなしだけど、軍隊の質も問題になってくるからな。今後の事を見据えて動くんだ。今は周回が正解だ」
「っく。上手く誘導できるかと思ったのにさ。仕方がないさ」
周回するしかない。レベルも良い感じに上がってきているんだし、まだまだ周回をしなければなるまい。思兼のレベルも上げないといけないしな。固有バフを多く持っているので、本当は生産職に渡したいんだけど、それは後でな。内政でも使えることは解っているんだ。内政で思兼の力を思う存分に発揮してもらえればなと思う。非常に優秀だぞ? 特に書類仕事に関しては任せてしまっても問題ないという安心感がある。俺に任せるよりも確実に書類仕事を片付けてくれるからな。期待の新人なんだ。しっかりとレベルを上げて、皆の仲間入りをさせたいと思う。今後も使っていくことになるんだろうな。




