貴族になるための交渉
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待つこと数時間。既に昼になってきている。兵士の人も交代で変わってしまっているが、世間話程度は出来ている。……こうやって世間話をしながら交渉をすれば良かったのか。交渉のやり方なんて解らないからなあ。こうなったのは仕方がない。どうしても戦わないといけないって頭があったんだよ。冒険者組合でそうやって言われたからだろうな。
「おう、待たせたな。まあ、すんなりとはいかなかった。が、なんとかしてきたつもりだ。明後日にまた来てくれ。文官に予約は付けてきたからよ」
「明後日か。中々に早い事で」
「そうか? こういうのは即日ってのが基本じゃねえのか?」
「いや、待たされることの方が普通だろう。そうじゃないのか?」
「まあ、陳情に来る奴は基本即日だ。焦っているのもあるんだろうがな。まあ、そっちが良いならそれで良いな。明後日の朝から受け付けて、昼までには終わる予定で話を付けてある。そのくらいの時間で終わるんだよな?」
「さあな。向こうが何の条件を叩きつけてくるのかにもよる。即断できる条件であれば飲むつもりで居るが」
「そうか。まあ、そういう事だ。また来てくれや」
アポなしで来た割にはちゃんと対応してくれるみたいで助かった。こういうのは門前払いされる可能性があったからな。文官が時間を取ってくれるなんて優しい国もあったものだな。しかも早い内に会ってくれるんだ。この国も腐っている訳では無いのかもしれない。……まだ判断はつかないが。
「さて、思ったよりも時間がないな。これだとダンジョンに行っても意味がない」
「この機にダンジョンに行くつもりだったさ!? やーめーるーさ! 折角の休暇さ! 遊ぶのさ! 買い物でもして落ち着くのさ!」
「しかしなあ。買い物っていっても、何を買うんだよ?」
「色々と買うものがあるさ。こういうのは賄賂が基本さー。手土産は必要になるのさ」
「……そんなものが必要なのか?」
「当然さ! 基本的には食べ物で良いのさ。贅沢なお菓子が相場さ。それ以上を要求してくる輩も居るけどさ。こういうのは準備しておくに限るのさ」
そういうものなのか? まあ、取引先に挨拶に行くときに、菓子折りを持っていくことはあるか。……営業職じゃなかったから、そこまで気を回したことなんて無かったけどな。そもそもブラック企業の業務担当なんて、打ち合わせ以外に外出することなんてないからな。打ち合わせという名の脅迫を受けるだけなんだけどな。出来ないとは言わせないって感じなんだ。
そんな訳で、買い物を幸子と楽しんだ。……幾らか幸子のご機嫌取りに消えたが、そのくらいの金額はあるからな。少々の買い物で消えるような財布ではない。残金はまだまだ残っている。課金するのはよくあることだからな。主に幸子がデバフをかけるとお金が飛んでいく。それは仕方がない事なんだよな。その金額に比べたらこんなのは減った内に入らない。
後は召喚石屋にも寄ってみた。色んな召喚獣があったが、どれもこれもそこそこなんだよ。使い勝手の良い召喚獣は殆どなかった。まあ、そんな召喚獣は王城に回されるんだろうから、ここに無いのも解るんだけど。そのくらいの事はするよなあ。
そんなこんなで、時間が過ぎて今日。面談の日にちになった。朝というが、何時からとは聞いていなかったので、なるべく早く来たつもりである。待つのはどれだけでも待つからな。話をちゃんと聞いてくれる人であれば、そこまで苦労はしないんだよ。
「そんな訳で、呼ばれているんだ。通して欲しいというか、案内をして欲しい」
「確認してくる。少し待て」
で、案の定待たされると。そりゃそうか。全員に通達されている訳でもないだろうしな。すんなり中には通してくれないのは解り切っていたことではある。まだ話が出来るだけマシだろう。どんな圧迫面接をされるのか解ったものではないけどな。話が出来る文官であれば良いんだが……。
「待たせたな。こっちにこい。案内する」
1時間くらい待たされたが、なんとか城内に入ることは出来た。さて、問題はここからだ。ちゃんと話を聞いてもらえるのかなんだよな。どうあがいても無理ってなってくると、城を襲撃しなければならなくなってくるんだが、それは最後の手段だ。そもそも単騎で落とせるわけも無く。落とせたら逆に問題になってくるからな。頼むから普通に面接をしてもらいたい。
「ここだ。ここで暫く待て」
「解った。誰かは来るんだな?」
「ああ、その内誰かが来るはずだ。誰かまでは俺は知らん」
まあ、仕方がないとして待つ。ここで暴れても無意味だからな。暴れるのは最後の手段だ。そんな事をしなくても良い様に持っていかないといけないんだろうけど、それは難しいんだよなあ。交渉なんてどうやってしたら良いのかが解らない。交渉の経験なんて無いんだから。
そして、平気で1時間以上も待たされている。向こうも忙しいだろうからなあ。仕方がないとは言え、何もしないできょろきょろとしているのも飽きてきた。……調度品はかなりの粗悪品が並んでいる。ぶっちゃけなんでこんなものを置いてあるんだって感じの内容物でしかない。ダンジョンからもっと良いものが手に入るだろうに、何をやっているのか。それとも、この部屋はそういう仕様なのかな? 質が悪いものを見せても良いと思っているのか、それともこれでも高級品だと思わせているのかだな。価値の基準を計っているんだろうか。
「待たせた。それで? 貴族になりたいというのはお前か?」
「そうだ。俺の住んでいる所の領主が糞だから、交代するつもりで居る。それは可能か?」
「平民が大きな口を叩く。貴族とはそういうものではないのだ。解るか?」
「血筋という意味なら解っているつもりだ。だが、流石に馬鹿の放置はできない。こちらとしても被害が出ている以上は何かしなければならないからな。流石に何もなしに貴族を殺せば問題になるだろう? だから今回交渉に来たんだ」
「……ほう、貴族を殺すか。平民風情がよく言う。少々驕り過ぎではないかね?」
「ダンジョンに比べたら幾らか楽だろう。そのくらいの戦力は持ち合わせている」
……もしかしなくても、文官って貴族なのか? なんだかそういう気がするんだけど、気のせいだろうか。まあ、どっちでも良いんだけど、このままだと交渉が決裂しそうな気がするんだが・……。あ、そうだった。お土産を渡し忘れていた。
「っと、そうだった。これは土産だ。王都で買ったものになるが、納めてくれ」
「ふん。……なるほどな。見る目はあるようだ。それで? どの貴族家を追い出すつもりだ?」
「ジーデンス子爵家だが?」
「……ほう! あのジーデンス子爵家を。それなら話は別だ。目の付け所が良いじゃないか。あの目障りで業突く張りなジーデンス子爵家の代わりか。良い所を選んだものだな」
「……そんなに評判が悪いのか? 現地でも糞なんだが」
「威張るだけの豚がどれ程の評判なのかという事だ。これで大体解るだろう?」
「ああ、大体解った。要するに、消しても問題無い訳だな?」
「問題ない。そうだな。令状を出そう。それで一族郎党排除してくれればいい。ジーデンス子爵家が無くなったら、その土地の統治権をお前にやろう。それでどうだ?」
「こちらとしても令状があるならやりやすい。即座に実行に移そう」
なんか、すんなりと話が纏まったな。……ジーデンス子爵家って何処まで評判が悪いんだ? というか、それならとっとと交代させればいいのに。何で放置しておくんだろうか?




