初めての戦闘
OFUSE始めました。
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「なんだかんだとお世話になりました。これからは冒険者として生きていきます。……ラクシュミーじゃ無かったので」
「それにしても貧乏神は無いだろうに……。何故か晴れやかな顔をしているが」
「色々と持たせたけど、大丈夫? 無理なら戻ってきても良いんだからね? ……貧乏神で嫁の来手があるかしら?」
「普通はこういう反応さー? こいつの育て方間違ったんじゃないのさ?」
「うーむ。賢いいい子だったと思うんだがな……」
「そうねえ。でも、召喚石は使いたがったのよね?」
「消費癖があるのかもしれないか……。それで貧乏神を呼んだのか?」
「さあ? あたしもこいつに呼ばれたのかと言われたら違うのさ。こいつには呼ばれても絶対に来ないのさ」
失敬な。貧乏神を歓迎して何が悪いんだ。貧乏神は最強のデバッファー。何も問題ないだろう?
ともかく、両親からの選別はお金ではなく物で貰った。お金で貰ったら、予定の町に着くまでに幾ら落とすのか解ったものじゃないからな。出来れば物で持っていた方が良い。因みに武器は買ってもらった。とりあえず剣と盾があれば、なんとかなると思うんだよ。訓練してみないと解らないけどな。……ゲーム時代を含めても、16年のブランクがあるから訓練しないとどうしようもない気がする。まあ、魔物を倒した時にはドロップ品が落ちるから、グロテスクな事にはならないとは思うけど。
問題は換金アイテムが出ないことなんだよなあ。ドロップ品も実用品しか落ちなくなる。例えばホーンラビット。これは肉か角がドロップになるんだけど、肉は換金アイテム扱いである。……一応は18歳以上対象製品なので、多少のグロは許容しないといけないんだけどな。勿論エロは可能だ。サキュバスが出てくる関係上、R指定は逃れられなかった。でも、子供もやってたんだけどな。売る方も親に売るだろうから、指定商品なんて関係なく売れてしまうんだよ。
イベントには大学生向けのイベントからしか無かったが。しょうがないけどね。その分儲けは回収できたと思うぞ? 大人向けのゲームではあるんだから。そういったお店にも入れたし、VRで出来るって言うから結構愛用者が多かったとは聞くが……。俺はしたことないけど。興味はあったし、現実ではやることやってたけどさ。ゲームでやるってどうなんだ? って思ってたところなんだよ。
「ん!? なんか寒気がしたのさ!?」
「気のせいじゃないか? それじゃあ、行ってきます」
「気を付けてな」
「行ってらっしゃい」
モーデミル村ともお別れか。……行先は隣町なんだけどな。今日中に着くはずである。魔物も出てくるけど、そこまでの魔物は出てこないはずだし、大丈夫だとは思うんだけどな。
「幸子、一応索敵は頼む。専門外だろうが、出来なくはないだろう?」
「単純に辺りを見渡すしか出来ないのさー。何でもかんでもは無理なのさー」
「まあ、それでも良いから頼むよ。不意の一撃が来なければ問題無いと思うし」
「ソウルメイトが居るからね。死にはしないのさ。あんたのHPが全損する前にあたしの方が先に乙るのさ」
「それがソウルメイトだからな。なるべくレベルを上げないといけないんだけど、……レベルを上げると落とす金額も大きくなるんだよな」
「それが貧乏神なのさー。受け入れるしか無いさ。あんたは呪われたんだから、一生お金で困ればいいさ」
「まあ、資金が底をついた時が死に時だろうからな。その辺は覚悟しているつもりだよ。……つまりは幸子と結婚することになるのか。……貧乏神とエルフの子供って出来ると思うか?」
「神妙な話口調で下ネタぶち込んでくるなさ! 出来るわけないさ! 種族の壁は大きいのさ!」
「いや、割と考えるところなんだが。……サキュバスとインキュバスはそういう目的でも使うだろ? 事実、子供が出来る可能性があるんだったら、色々と面倒じゃないか? 例えば、王族とサキュバスの隠し子が居たりしたら、王位継承はどうなると思う?」
「下衆の勘繰りさー。そもそも種族が違えば子供は出来ないさ。エルフと人間でも子供は出来ないさ。出来るのはエルフならエルフだけさー」
「まあ、それもそうか。出来てたら今頃酷いことになっているだろうし」
「未婚の王族から子供が沢山出てくるのさー。そうなったら最後、滅びるしかないのさー。キャハ」
そりゃそうだよな。種族が違えば子供は出来ない。ハーフエルフは存在しない訳だ。同時にハイエルフも存在しない事になるな。……隠れ里があったりするんだろうか。ゲーム時代はそんな場所は無かったんだけどな。ゲームに則れば、この先にあるダンジョンも良い感じのダンジョンのはずだ。ダンジョンの深さはそれ程でもないが、その分宝箱を厳選できる。10層毎にボス部屋があるんだけど、そこはインスタントになっているんだよ。
ダンジョンは入ったパーティーで決まる。それはゲーム時代も変わらなかった。ダンジョンは色んな形があるんだけど、オープンワールドだったんだ。だから他のパーティーもいるし、魔物も取りあいになる。だがそれだと、ボス部屋が一部の人たちに独占されることがあるかもしれないという事で、ダンジョンのボス部屋だけはインスタントになっているんだよ。しかもダンジョンに入る時にパーティーを組んだ6人以下の人数で挑むことになる。誰かがボス部屋に入ったら、強制的にボス部屋に飛ばされるんだ。……これを使ったPKもあったくらいなんだよな。デスペナで済むゲームと、現実では流石に違うとは思うが。
「ん? あっちを見るさー」
「なんだ? あー。ゴブリンか。村でもよく倒されていたっけな。……3体か。素早さと攻撃、防御のデバフをかけて貰って良いか?」
「しょうがないのさー。働いてやるのさー。でもタゲは欲しくないのさ。向こうが気が付いてからでいいのさ?」
「それでいい。タゲはこっちで貰う。さて、初戦闘だ」
ゴブリン3体。相手は気が付いていない。様な気がする。エンカウントしたらBGMが変わってくれると有難いんだけどな。そんな訳にもいかないってか。……街道を逸れると一気に草が高くなる。一応潜んでみるか。慎重に行くことが悪い事でもないしな。
こっちは鉄の剣と鉄の盾を持っているが、向こうは無手。怖いのは爪という感じだろうか。リーチが短いのは助かるな。出来るだけ潜んで……と思ったが、気付かれたか。音か臭いか。……音だろうな。臭いはあいつらの自分の臭いで鼻が利かないはずだ。
「気が付かれたなら仕方がないな! うぉおおおおお! デバフをくれ!」
「了解なのさ! あんたら全員呪われるのさ! 財布が空になるまで資金を削いでやるのさ!」
ガクンと一気に素早さが落ちる。流石にゴブリンごときが耐えられるわけもないか。ここまでやって貰ってダメージを負うのもなんだよな。完封してやるよ!
とは言いつつも、大振りはしないでなるべく小さく小さく攻撃する。回転率を上げて、多数に対処できるように、踏み込み過ぎないように攻撃する。時には足払いをして転倒させつつ、こちらがダメージを負わない様に、幸子にゴブリンが向かわない様に徹底する。一撃必殺ではなく、削ぎ落とすように丁寧に丁寧に戦っていく。
腕を切りつけ、胴を切りつけ、足払いをして。タゲを放さないように心がけて攻撃をする。一撃一撃を丁寧に丁寧に。そうしていくと、1体また1体と煙となって消えていく。……グロ注意では無かったか。これはゲームと仕様が一緒だな。そんな確認をしつつ、最後の1体にも止めを刺していく。初戦闘は危なげも無く勝利をしたのだった。