次の行動をどうするのかが悩ましい
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「超強化したし、これからはもっと安定してくるだろう。アタッカーが居ないし、ヒーラーも召喚出来ないけど、まあ、順当に行けば大丈夫のはずだ。喧嘩はしても良いが、乙るなよ? 余裕をもって周回するんだからな」
「解ってるのさ。これが文句を言わなければ何事も起きないのさ」
「了解しました我が王よ。して、このまな板を盾にする事が出来る様になったので? 吾輩のHPでは耐えられないかもしれません。是非とも盾にする許可を頂ければと」
「いきなり喧嘩を吹っ掛けてくるなさ! 上等さ! その喧嘩買ってやるさ!」
「はいはい。いつも通りだな。じゃあ行くぞ。まずは11層に飛ぶからな。そこから最速で20層まで行って、ボスを撃破。そして周回だ。ボスも強くなるが、余裕だろう。1日に16周目指して動く。雑魚敵は無視な」
「ゴッブ」
「鬼丸は死なないように。幸子もフールも鬼丸が死んだら連勤は初期値に戻ると思え。鬼丸の警護も練習しないといけないからな」
鬼丸の警護は必須。ゴブリンも+を積み重ねていく予定ではあるが、まずは両親に労働力を提供する必要があるからな。ゴブリンはちゃんと働くし、だいたいどの塔からも出るので、+を重ねるのは簡単なんだよ。だから急がなくても良いんだ。それよりも死なせないようにしないといけない。そうしないと、後で痛い目を見るからな。
急いで最下層まで辿り着き、普通にボス戦を楽しみ、当たりしかない宝箱をこれでもかと開けて、楽しい楽しい3連勤は終わった。最終的には40個の宝箱を開けてしまったのだから十分な成果だ。これもボスが弱いのがいけないと思う。これでアタッカーが増えたらどうなるのか。周回速度が上がる気がしてならない。ボス戦だけでも10分くらいはかかるからな。強力なアタッカーが増えたら、それはそれは可哀そうな事になる。……まあ、適正レベルまでくらいしか経験値が貰えないだろうから、かなり厳しいとは思うが。レベル20を超えたところでかなり伸びなくなり、25を超えると殆ど上がらなくなるはずだ。最終的にはそのくらいに落ち着いて、この拠点を移動しないといけない事になる。
それでも半年はこの拠点に居なければならないんだけどな。そうしないと貧乏神を回収できない。近場からどんどんと集まって来るであろう貧乏神を俺が回収する。それで色々と解決できると思うんだよ。何も困ってないって訳では無いんだし。どんどんと人助けをすれば良いのだよ。
でも、出来ることはある。遠征だな。拠点はそのままにして、遠征をする。ダンジョンを攻略しに遊びに行くのだ。選択肢は5つ。モーデミル村からは4つの町に繋がっている。その4つ全てにダンジョンがあるのだ。その中でも最低難易度のダンジョンがここ、カイレヨ町である。ここで戦力とレベルを整えて、他の町に行けば良いのである。それが3つ。それとは別にカイレヨ町からもモーデミル村を含めて3つの村に繋がっており、更には2つの町とも繋がっている。町には当然の様にダンジョンが存在する。だから5つのダンジョンが近くにあると思っていい。なお、それを超えた先にはもっと別のダンジョンがあるぞ。そっちに行く事も考えないといけないかもしれない。
ただ、遠くに行けば行くほどに移動が大変になり、モーデミル村の富と豊穣の塔が使いづらくなってしまう。他の所の塔もあるにはあるんだけど、シナジーパーティーを組みたいのであれば、どうしても同じ塔から召喚獣を呼び出した方が良かったりもする。富と豊穣の塔は最高打点が高い。低コスト高威力を叩き込むのに非常に優秀なんだよな。問題は資金が減るという事なんだけど。アタッカー候補も一応だけど考えている。そのためのアイテムも回収中だ。ただ、バッファーをどうするのかを決めかねているんだよな。優秀なバッファー候補は居るんだが、SPが重いんだよな。出るかどうかも解らないし。それは要相談という感じになるだろう。
まあ、どんなに準備をしても、出なければ関係ないのである。出て貰わないと困るんだけど、確実に出るとは思わない方が良い。召喚失敗なんてよくある話だ。こういうコンセプトでパーティーを組みたいが、この召喚獣じゃないんだよという事はよくある。強いのは解る。使い勝手も良いのは解る。でも、このパーティーには合わないって場合が多いんだよ。天狐は当たりの部類だったが、そもそも使用を考えたら、鈴彦姫でお茶を濁しておかなければ、そもそもSPの兼ね合いで召喚出来ないなんてザラにあるからな。
SPの問題に関しては、レベルを上げないといけない。そうなると結果的にダンジョンに潜らなければならないんだけど、召喚獣も揃えたい。結構難しい問題なんだよな。でも、ダンジョンに行かなければ、召喚獣を呼び出すアイテムの入手も厳しい。遠くてもそれなりのレベルのダンジョンに潜った方が良いというのは確かなんだよな。
「悩ましい。次の1手が中々決まらない。流石にゲームとは違うからな。移動の自由が制限されているのが難しい。もっと簡単に移動が出来れば悩まないんだけど、うーん。かといって、富と豊穣の塔から移動手段の召喚獣をってなると、もっと難しいんだよな。それなら別の塔の方が良かったりするし。近くだと幻獣と妖魔の塔があるカシル村に向かっていくのが良いんだろうが、それだと貧乏神の回収に手間取る可能性があるからな。カイレヨ町からカシル村には最短で行っても7日はかかる。途中のダンジョンで手頃な所をと考えると、8日は欲しい。ダンジョンでレベル上げも行う事を考えると、優に15日。往復で30日はかかる計算になる」
「移動手段が欲しいのならそっちを先に確保するのさ。移動手段が一番の問題さー。それが解消できるのであれば、一番初めに解決しておくべきさ」
「そうなると、ダンジョンにひたすら潜ってアイテムを集めないといけないだろうな。休みが少なくなるのは――」
「それは駄目さ! 休みは必要さ!」
「だろ? だからある程度は予定を組む必要があるんだけど……。問題は何もなかったとしてという事でしかない」
「何もなかったってどういう事さ?」
「いや、あるだろ? この辺りも貴族が治めている土地だ。何で貴族が治めているのかって理由を考えれば解るだろ?」
「……もしかして、スタンピードの心配をしているのさ?」
「現実的に考えれば、起きても不思議じゃないからな。スタンピードの条件は知っていると思うんだが、それも説明が必要か?」
「スタンピードは外の魔物が多くなった時に起きるものさ。原則としてダンジョンでは起きないさー。そもそも外の魔物は貴族の私兵が狩るものじゃないのさ? 冒険者はダンジョンに潜りたがるのさ」
「ああ、そのはずなんだがな。……貴族の私兵を見た覚えは?」
「……思い返せば見た覚えがないさ」
「なあ、もしかしてなんだけど、サボっているなんてことはないよな?」
「あり得ないさ! ……と、叫びたいさ。貴族の義務のはずさ。それは昔から決められている筈さ。転生者でもあるあんたなら知っていてもおかしくないさ。そもそもスタンピードなんてよっぽどサボってないと起きないんじゃないさ?」
「だと思うんだけどな……。貴族の私兵の姿を見た覚えがないんだ。特にカイレヨ町とモーデミル村を行き来して、3回は街道を通っている。それなのに、見た覚えがないんだよ」
まさかとは思いたい。けど、まさかがあり得ると思っている。ゲーム時代もランダムでスタンピードが起きた。しかしそれは、プレイヤーが各地に散っていたから被害が少なかっただけじゃないのかと。こんな状況下でスタンピードが起きたら、俺は何処を守ればいい? 当然実家のあるモーデミル村を守るよな。それ以外に選択肢が無いんだもの。




